【斉藤和義】『LIVE TOUR 2011-2012
“45 STONES”』2012年2月12日 at
日本武道館

撮影:KOH SASAKI/取材:石田博嗣

追加公演となった武道館公演の2日目。至高のロックンロールに酔いしれた! バックを務めるのもフジイケンジ(Gu&Blues Harp/MY LITTLE LOVER~The Birthday)、辻村豪文(Gu/KICELL)、隅倉弘至(Ba/初恋の嵐)、玉田豊夢(Dr/100s)と“ミュージシャン”である以前に“バンドマン”という面々。枯れた感じのギターといい、ストイックでタイトなドラムといい、その音使いから、アレンジの決めであったり、間合いであったり、10代の頃に聴き漁っていた60~70年代のロックンロールを彷彿させる。ここ最近の斉藤和義のモードがそこにあって、「ずっと好きだった」や「やさしくなりたい」のPVがビートルズのオマージュだったのも周知の通りだが、それを実際に生で体感すると、これがまた格別なのだ。メンバーの小技が光るバンドグルーブに体を預けていると10代の頃に気持ちが戻るし、「ずっと好きだった」に至っては歌詞に誘発されて高校の頃の淡い思い出までフィードバックしてしまったほど…。また、3.11の震災の翌日に作ったと語った後に披露された「ウサギとカメ」の歌詞にも表れていたが、現在の混迷する日本の情勢をシニカルに歌ったり、辛辣に問題提起するナンバーもあり、そのメッセージもしっかりと受け取った。もちろん、「歩いて帰ろう」の軽快なサウンドにワクワクしたし、オーラスの「ギター」では歌詞に共鳴して自分はロック…音楽が好きだってことを再確認した。そういう意味では、ロックンロールは娯楽であり、自己主張であり、反体制であり、強力なコミュニケーションツールだということを、改めて肌でもって体感したとも言える。つまり、最高のロックコンサートだったということだ。イエイ!

セットリスト

  1. 現在ツアー中のため、セットリストの公表を控えさせていただきます。
斉藤和義 プロフィール

サイトウカズヨシ:1966年6月22日(かに座)。出身地:栃木県。血液型:O型。93年8月にシングル「僕の見たビートルズはTVの中」でデビュー。翌94年にリリースされた「歩いて帰ろう」で一気に注目を集める。代表曲である「歌うたいのバラッド」「ウエディング・ソング」「ずっと好きだった」「やさしくなりたい」はさまざまなアーティストやファンに愛される楽曲となっている。自他ともに認めるライヴアーティストであり、弾き語りからバンドスタイルまで表現の幅は広い。また、自らの音楽活動に加え、さまざまなアーティストへの楽曲提供、プロデュース等も積極的に行なっている。また、11年には稀代のドラマー、中村達也とのロックバンド、MANNISH BOYSの活動もスタート。寺岡呼人、奥田⺠生、浜崎貴司、YO-KING、トータス松本と共に結成したカーリングシトーンズの一員としても活動しており、デビュー30周年を迎える23年は、4月に22枚目のオリジナルアルバム『PINEAPPLE』のリリースや全国ツアーの開催など精力的な活動が続いている。斉藤和義 オフィシャルHP

OKMusic編集部

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