【フジファブリック】『ホシデサルト
パレードTOUR 2011』2011年12月16日
at Zepp Tokyo

撮影:河本悠貴/取材:高木智史

3人での編成としては初のツアーとなる『ホシデサルトパレードTOUR 2011』。“今日は飛ばしていくんで”と、冒頭のMCで山内総一郎(Vo&Gu)が語った通り、のっけから「STAR」「理想型」と畳み掛け、凄まじいダイナミズムを見せながら飛ばしていく。続く「夜明けのBEAT」では炸裂する刺激的なビートに会場は早速沸騰。最新アルバム『STAR』の楽曲を中心に披露しながら、アコースティックセットでは「アイランド」を演奏したり、曲間で山内と金澤ダイスケ(Key)がギターとキーボードの掛け合いからせめぎ合っていくバトルを繰り広げたり、落語から謎掛けを披露した加藤慎一(Ba)による“カトーク”と、メンバー3人が三様に演奏だけでなく、ライヴを牽引していった。そのひとつひとつを温かく迎えるように、また、参加するように声をあげるオーディエンス。その光景はバンドとファン全員で新たなフジファブリックをこれから作り上げていく瑞々しい力をたたえているように見えた。そして、もちろん「B.O.I.P」や「虹」などのフジファブリックを代表するキラーチューンも鳴らされる。当然だが志村正彦(Vo&Gu)とは違う性質の山内のヴォーカル。真っ直ぐで力強いその声は、過去の楽曲をまた新たに生まれ変わらせているようにも感じた。終盤、山内は“CDをリリースできて、ツアーができてうれしい”と語った。何と言うこともないひと言だが、志村の亡き後、彼らにとってはこれが全ての言葉なのだろう。その後、“休むことなく活動していきます!”とも語ってくれた。3人での活動が始まったばかりとあって、これから進化していくフジファブリックが本当に楽しみだ。

セットリスト

  1. STAR
  2. 理想型
  3. 夜明けのBEAT
  4. スワン
  5. B.O.I.P
  6. Splash!!
  7. 地平線を越えて
  8. パンチドランカー
  9. アイランド
  10. MUSIC
  11. Drop
  12. 君は炎天下
  13. パレード
  14. TEENAGER
  15. アンダルシア
  16. 会いに
  17. ECHO
  18. 星降る夜になったら
  19. TAIFU
フジファブリック プロフィール

フジファブリック:2000年、志村正彦を中心に結成。09年に志村が急逝し、11年夏より山内総一郎(Vo&Gu)、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(Ba)のメンバー3人体制にて新たに始動。奇想天外な曲から心を打つ曲まで幅広い音楽性が魅力の個性派ロックバンド。「銀河」、「茜色の夕日」、「若者のすべて」などの代表曲を送り出し、『モテキ』TVドラマ版主題歌、映画版オープニングテーマとして連続起用された。数多くのアニメ主題歌も担当。18年には映画『ここは退屈迎えに来て』主題歌、そして劇伴を担当。19年にデビュー15周年を迎えアルバム2作を発表。同年10月に大阪城ホール単独公演を大成功させた。21年3月に11thアルバム『I Love You』を発表。23年には4本のツアーを開催した。24年4月にデビュー20周年を迎えるが、目前となる2月に12thアルバム『PORTRAIT』をリリースする。フジファブリック オフィシャルHP

OKMusic編集部

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