【WEAVER】『First HALL Live 2011
「Spring Field Forever~『あ』『い
』のあふれる場所~」』2011年4月3日
at 渋谷C.C.Lemonホール

撮影:鈴木公平/取材:三宅正一

 ステージを覆っていた幕が上がると、横一列に並び真新しいスーツに身を包んだメンバーが現れ、大きな歓声があがる。音楽を鳴らす喜びを解放するような力強いプレイとキラキラした音色が、まっすぐオーディエンスに向かっていき、オープニングを飾る「トキドキセカイ」、「愛のカタチ」がつながれていく。
大阪と東京で開催されたWEAVER初のホールツアー。東日本大震災の影響から、東京公演を開催すべきかメンバーとスタッフで何度も話し合いの場を持った。WEAVERは神戸出身のバンドだ。彼らも幼少時代に阪神淡路大震災を経験している。当時、不安な日々を送る中で、路上ライヴの音楽に勇気をもらったという。そういった経験を経て、今、プロのミュージシャンとなった自分たちだからこそ表現できることがある。彼らはそう思った。
 6曲目「心の中まで」からはサポートのギタリストとキーボーディストを招き入れ、楽曲に豊かな奥行き持たせていった。「『あ』『い』をあつめて」は期待と不安が入り交じる春という季節が包み込むように響き、本編後半は「僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~」「2次元銀河」を皮切りにダイナミックなサウンドで会場の熱量を高めていった。
 アンコール。震災を受けて制作したタイトル未定の新曲が披露された。日常を生きることの尊さを描いた、とてもやさしく、美しい曲だ。大きな葛藤と向き合い、音楽を鳴らすことでバンドの決意を表明した今回のツアーは、WEAVERとって今後の大きな糧となるはずだ。

セットリスト

  1. トキドキセカイ
  2. 愛のカタチ
  3. レイス
  4. 白朝夢
  5. 旅立ちの唄
  6. 心の中まで
  7. やさしい詩
  8. 君と僕のテーマソング
  9. 『あ』『い』をあつめて
  10. キミノトモダチ
  11. 春色グラフィティー
  12. 僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~
  13. 2次元銀河
  14. 管制塔
  15. ティンカーベル
  16. 新曲
  17. Hard to say I love you~言い出せなくて~
  18. ネバーランド
WEAVER プロフィール

ウィーバー:兵庫県出身の3ピースピアノロックバンド。2004年に高校の同級生で結成。09年10月に配信限定シングル「白朝夢」でメジャーデビュー。国内外での活動が活発になる中、14年1月末からロンドンへ留学することを発表し、彼らがリスペクトする音楽の刺激を受けながら、半年間語学の勉学に励み7月に帰国。その間にも6月には初となるベストアルバム『ID』をリリース。17年5月にファッションなどでシーズンアイテムを表す言葉に着目したEP『S/S』、続いて9月にEP『A/W』をリリース。2作のアートワークではファッション誌『NYLON JAPAN』とタッグを組むなど、音楽に止まらない新たな表現にも取り組んでいる。WEAVER オフィシャルHP
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