【Def Tech】『The Come Back!!』20
11年3月3日 at Zepp Tokyo

撮影:北島元朗/取材:土屋恵介

昨年10月のアルバム『Mind Shift』とともに、約3年半振りに復活したDef Techが“The Come Back!!”と題したツアーを行なった。そのファイナルの場はZepp Tokyo。
 真っ暗なステージにピンスポットで照らされたShenとMicro。強力タッグのカムバックを待ち望んでいた超満員の観客から大歓声が巻き起こる中、彼らは「My Way」をアカペラで歌いショーをスタートさせる。Def Techとしてのライヴは実に5年振り。ステージ上のふたりとファンとの再会、両者の高鳴る思いががっちりと結び付いた感動的な空気感は胸に迫るものがあった。その後、バンドをバックに、新旧のナンバーを織り交ぜながら歌っていく彼ら。「High on Life」ではスケボーに乗りながら楽しく歌ったり、DJをバックに激しくラップしたりと緩急を付けながら進んでいく。ふたりの声の力強さ、伸びやかさ、そしてコンビネーションは、以前に増してタフになり、ひと味違う説得力にあふれていた。それは、離れていた時間にお互いが成長した証だろう。「Sufer's Paradise」で会場中がタオル回し、「F.M.B!!」はジャンプ合戦と盛り上がりもハンパなし。そして、ラストの「おんがく♬MUSIC」では会場が一体となってのコーラスが響き渡った。
 進化した現在の姿を存分に見せてくれたDef Tech。11月11日には5年4カ月振りの日本武道館ライヴも決定。ノスタルジックな思いよりも、前を向いて進んでいく気持ち、熱い心を感じた。

セットリスト

  1. My Way
  2. A-1
  3. The Come Back
  4. Catch me if you can
  5. KONOMAMA
  6. High on Life
  7. メドレー(①Quality Of Life
  8. ②Jah Live
  9. ③Emergency
  10. ④Consolidation Song
  11. ⑤Irie Got~ありがとうの詩~)
  12. DJ Play
  13. メドレー(①Who's The Coolest?
  14. ②Get Real
  15. ③In Outside
  16. ④Dream)
  17. Deep Blue
  18. Catch The Wave
  19. The Dub Dichotomy
  20. Rays of Light
  21. Surfer's Paradise
  22. Pacific Island Music
  23. Power in da Musiq~Understanding
  24. F.M.B!!
  25. おんがく♬MUSIC
Def Tech プロフィール

耳触りのよい多彩なメロディと丸くて柔らかくて、シルクのように滑らかなふたりのフロウ。そりゃあ、バッチリとハマるに決まってる。
RIZEのJesseを介して知り合ったというShenとMicroは、音楽性の類似点も多くあってか、すぐさま意気投合し、Def Techというティームを結成した。Def TechというネーミングもJesseによるものである。
彼らの生い立ちに軽く触れると、Shenは81年中国に生まれハワイで育った。もちろん英語はネイティヴで日本語も流麗に話す。その華々しいバイリンガルっぷりは彼らの作品に顕著だ。一方、Shenよりもひとつ年上のMicroは、80年、東京に生まれた。そのサーフィンのスキルも相当なものだとか。
それぞれユニークな出自を持つDef Tech。そんな彼らが創り出すサウンドは、ピースフルでキャッチーで爽やかなものを基本に、スタイリッシュなもの、トレンディなもの、仄かにミステリアスなもの、ふくよかな芳香を携えたもの、くらくらするほど甘美なものなど、実に多彩だ。さらに、フレキシブルなアプローチを見せるふたりのラップも高次元で噛み合い、立体感のある見事なアンサンブルを描いている。こんないい音楽を聴いたあとは、なんとも晴れがましい気分だ。
そんな彼らによる珠玉の名曲「My Way」と、美しく広大な景色を映し出した映像が見事なマリアージュを見せるヨコハマタイヤ『DNA』のCMがオンエアされるや否や、問い合わせが殺到。同曲を収録した1stミニ・アルバム『Def Tech』は口コミから火が付き、超ロング・セールスを記録。さらには05年末の紅白歌合戦への出場を果たし、ジャパンとハワイ、そしてジャマイカを掛け合わせたオリジナル・スタイル“ジャワイアン・レゲエ”をお茶の間にまで浸透させた。
また、前述の1stミニ・アルバム『Def Tech』、2ndミニ・アルバム『Lokahi Lani』(05年)、1stフル・アルバム『Catch The Wave』(06年)のトータル・セールスは、インディーズ作品でありながら500万枚以上という驚愕のセールスを叩き出している。
07年には、自身の活動中に全国で出会った素晴らしいアーティストたちを集め、彼らの熱意を実現化するために少しでも役立ちたいという思いからMicroがレーベル<PRIMARY COLOR RECORDZ>を設立。同レーベルからは、SpontaniaやSAKURAといったアーティストの作品がリリースされている。また、伊藤由奈とのコラボレーション・シングル「Mahaloha」や、ソロ・シングル「HANA唄」のリリースなど、Microのソロ活動が活発化。
同年9月、公式ホームページ上で解散を発表。06年のツアーを最後にグループとしては事実上の活動休止状態にあり、たびたび解散説が巻き起こっていたが、Shenの結婚式でMicroが明言した「解散はない」という言葉を信じて活動再開を待っていたファンに大きな衝撃を与えた。なお、解散の理由は「音楽的な方向性の違い」であり、それぞれが「歩むべき“My Way”を進んでいくことを決意した」ことによるもの。公式サイト(アーティスト)

OKMusic編集部

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