【THE BACK HORN】『THE BACK HORN
KYO-MEI大会』2010年4月20日 at Zep
p Tokyo

撮影:三吉ツカサ/取材:土内 昇

今回もそうそうたる面々と対バンを繰り広げた『KYO-MEI大会』。全7都市21公演のファイナルを飾るゲストはSPECIAL OTHERSとBRAHMAN! THE BACK HORNのファンにとって、ジャムバンドであるSPECIAL OTHERSは名前は知っていても、そのサウンドに初めて触れる人が多かったのかもしれない。呆然とステージを観ている人が目に付いた。しかし、軽快なリズムの上で饒舌なフレーズが旋律を描いていくインストナンバーに、いつしかフロア全体が揺れていく。つまり、彼らの音楽に観客が“共鳴”したということだ。そんな“静なる熱さ”と打って変わって、BRAHMANは“たぎる熱さ”を観せつける。のっけからフルスロットルで一気にラストまで爆走するパフォーマンスは、自分たちにとっての“KYO-MEI”は“哮命”だと言わんばかり。それに対する客席も地獄絵図さながらの喧騒となり、場内に尋常でないほどの熱気が渦巻いたことは想像するに容易いだろう。
 大トリはTHE BACK HORN。熱さはもちろん、クールでスケール感もあり、威圧感、緊迫感、さらに狂気性も秘めた楽曲でフロアの床を大きく揺るがし、瞬く間にZeppの空間を自分たちのものにしてしまった。BRAHMANが“哮命”なら、彼らは“叫命”といったところか。また、翌日がリリース日にもかかわらず新曲「戦う君よ」が、強者バンドたちと共演したツアーで鍛え上げられたのか、すでにライヴにおける強力な武器に育っていたことも特筆すべきところだろう。そういう意味でも、この『KYO-MEI大会』で得たものが次のホール公演などに活かされると考えると、今後のTHE BACK HORNへの興味は尽きない。

セットリスト

  1. 幾千光年の孤独
  2. 運命複雑骨折
  3. 生命線
  4. 空、星、海の夜
  5. 戦う君よ
  6. コバルトブルー
  7. 無限の荒野
THE BACK HORN プロフィール

ザ・バックホーン:1998年結成。“KYO-MEI”という言葉をテーマに、聴く人の心を震わせる音楽を届けている。01年にシングル「サニー」をメジャーリリース。17年には宇多田ヒカルとの共同プロデュース曲「あなたが待ってる」が話題に。結成20周年となる18年、3月にメジャーでは初となるミニアルバム『情景泥棒』を、10月にはインディーズ時代の楽曲を再録した新作アルバム『ALL INDIES THE BACK HORN』を発表。また、ベストセラー作家・住野よるとのコラボレーション企画も注目を集め、2021年末にはフィジカルとして約4年5カ月振りとなる待望のシングル「希望を鳴らせ」をリリース!THE BACK HORN オフィシャルHP

OKMusic編集部

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