取材:高木智史

スコット・マーフィーと10-FEETを迎えてのB-DASH企画イベント。まずはスコットが登場し、いきなり「ドラえもんのテーマ」でギターを掻き鳴らすと、フロアの沸騰が巻き起こる。さらにアリスター時代の楽曲や、8月5日にリリースされたオリジナルアルバム『Balance』から「What If」など、広いレンジのパンクを鳴らしたのだった。さらなる熱狂のステージへと押し上げたのは10-FEET。“今日はどんな奇跡が起こるんかな? 来いよー!”とアジり、全曲トップギアで攻め立てる。縦ノリ、横ノリ何でもありなド迫力のグルーヴを叩き込み、心を揺さぶる楽曲とアティチュードに終始オイコールが鳴りっ放しだった。そして、本日の主役の登場…の前にイベントを盛り上げたGONGONファミリーも忘れてはならない。転換中、スクリーンで会場を笑いに包んだB-DASHのキャラクターCGを手掛けている実弟、そうた先生によるミラクルネットショッピング、父・すがはらやすのりの歌唱によるアホアホエクスプレスと主催イベントならではの手作り感でもって観客を楽しませた。そんな何でもありなイベントだから、そのそうた自身がステージに現れ、B-DASHを呼び込み、1曲ヴォーカルを披露。気合入りまくりのシャウトにオーディエンスも思わず拳を掲げる。その後はバンド3人の布陣に戻り、「愛するPOW」などの初期の名曲で観客の熱気を上げる。“コール&レスポンスでもやってみようか? セイ、ホーオ”と、ゆる~い感じを見せながらも「ハーコー」では激重低音を鳴らしたり、独特の緩急を生み出すのが彼らのライヴ。アガれて和やかな彼らのアクトは結成から12年経った今でも健在だった。スコットも10-FEETもB-DASHもまったく異なるパンクを見せつけ、その度、ファンは大興奮。激アガりなイベントだった。
B-DASH プロフィール

GONGON(vo&g)、TANAMAN(b)、ARASE(dr)の3人によって97年結成。当初は「HAGUKI-DASH」のバンド名で活動していたが、「B-DASH」に改名したのち99年に1stシングル「ENDLESS CIRCLE」をリリース、01年にリリースされた1stフル・アルバム『○(マル)』はインディーズながらオリコン初登場4位をマーク、ツアーのチケットは軒並みソールド・アウト——シーンで押しも押されもせぬ存在に。『自分達の“スタイル”を貫き通す』という強い意志の元、『“言葉を歌う”という概念を捨て、純粋に音を楽しんで欲しい』という意味で、歌詞を“音”として捉えた(英詞でも日本詞でもない)曲をメインにしている。04年に初のベスト・アルバム『B-DASH BEST』発売したのちリリースされた通算6枚目となるシングル「ハーコー」は、『<vodafone 3G>キャンペーン・ソング』CMとして大量にオンエアされお茶の間の話題をさらった。彼らは楽曲/ステージなど全てにおいて内面からでる強烈な個性があり、他に埋もれることの無い印象を与えている。05年にリリースされたアルバム『NEW HORIZON』では、いしわたり淳治(ex.SUPERCAR)に作詞を依頼した表題曲「NEW HORIZON」を筆頭に、インスト1曲を除く全曲が日本語詞で構成されるという、いちロック・バンドに収まることのない、また新しい“B-DASH色”を誕生させた。その後約1年ぶりにリリースされたフルアルバム「パンパカパン」では全曲新曲で17曲を収録し、よりリアルなB-DASHを垣間見る事ができ、B-DASH第2章が始まるような予感さえ感じさせた。 POPなメロディーをシンプルなリズムが支え、楽曲全体を“B-DASH色”にするアレンジ・センスはまさに非凡である。オフィシャルサイト

OKMusic編集部

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