撮影:Atsushi Yamahira/取材:石田博嗣

メジャーデビュー5周年を記念して行なわれた初のホールツアー。最新アルバム『Daisy』同様に、アカペラによる「Daisy」がオープニングを飾ると、じっと聴き入っていた客席を「The life is dramatic」の爽快でアッパーなサウンドが、一瞬にして沸き立たせる。会場の隅々にまで歌を届けようと、ステージ上を行き来するYASUとYU。そんなふたりの気持ちに応えるように、オーディエンスも手を左右に振ったりしながら笑顔を返し、この場にいる者全員が一緒になってライヴというハッピーな空間を作り上げていく。中盤に入ると、そんな客席に対して着席をうながし、ふたりが沖縄出身ということで「涙そうそう」をしっとりと聴かせた。その後も今回のアニバーサリーツアーで初めて歌うという「ラストシーン」、YUがひとりで歌い上げた「Love」、YASUがアコギを弾きながら歌った「ファイト」、CHAGE and ASKAの名曲「LOVE SONG」のカバーが披露され、再び会場が総立ちとなったのは「ロード」から。そして、会場中にピースサインが花咲いた「Travelers Of Life」やビッグヒットナンバー「NO MORE CRY」で盛大に盛り上がり、YASUが“この曲を最後にどうしても持ってきたかった”と想いを語った「ひとりじゃない」で本編を締め括る。 ひとつの節目でもある5周年。その中で発表されたアルバム『Daisy』は、“オリジナリティー”をテーマとしている。当然のように、それは本公演でも垣間見れた。ヴォーカルデュオとして美しい歌声であったり、見事なハーモニーを聴かせるだけでなく、全ての人を巻き込んで“一緒に楽しむ”という気持ちがパフォーマンスに表れていたふたり。観客との間に生まれていたフレンドリーで、アットホームで、ピースフルな一体感というのは、彼らのライヴならではのものだろう。
D-51 プロフィール

沖縄のストリートから音楽シーンのメジャー・フィールドへ——。03年から数多くのストリート・ライヴをこなしてきた、沖縄を拠点にするヴォーカル・デュオ=D-51。彼らはそのライヴ経験に裏打ちされた実力(ふたりのヴォーカルのハーモニー/強く大きな歌唱力など)と爽やかで透明感のあるグルーヴィな歌声という華やかな個性を携えて、04年にメジャー・フィールドに飛び出した。インディ時代には既に彼らの才能の素晴らしさが口コミで広がっていき、全国区の人気を獲得するにまで至ったそう。メロディアスで涼やかなトラックと彼らのヴォーカルが描き出す世界には、リラキシンな聴き心地と仄かな熱情が入り混じっている。そんな世界を味わわせてくれるD-51の音楽に多くの聴き手が惚れ込むのもうなずけるというものだ。そんなD-51が発売したメジャー・デビュー・アルバム『ONENESS』にも彼らの魅力が目いっぱい詰め込まれている。オーディオ・プレイヤーの再生ボタンを押すと彼らが紡ぎ出すグルーヴの波が爽やかなそよ風に姿を変えて、柔らかく暖かく聴き手を包んでくる。なるほど、これが彼らの魅力なのだな。そう改めて実感する。彼らの歌声は“歌う喜び”に満ち溢れている。その想いを含めて、D-51の音楽はちょっと甘酸っぱくて、とっても気持ちがいい。D-51 Official Website
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OKMusic編集部

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