【凛として時雨】凛として時雨 SHIB
UYA-AX 2009年5月21日

撮影:河本悠貴/取材:高木智史

 凛として時雨は聴衆に歩み寄っていくようなライヴをするバンドではない。だが、彼らの鳴らす音にオーディエンスは反射的に揺れ動き、歓声を上げる。轟音渦巻くサウンド、TK(Vo&Gu)、345(Ba&Vo)による高音域の刺さるヴォーカル、リフや唯一無二のメロディー展開…それらが一体となって、観客の感情をダイレクトに刺激するのだ。一方、音が止むと、それまでの余韻なのか、声も上げず、7分強にも渡るスローテンポな「moment A rhythm」に至っては終始聴き入るのみ。激しさ、静かさといったものがはっきりとした、彼ら独特のライヴが繰り広げられる。それは言ってみれば当然の現象だが、極めて感覚的なライヴなのだ。 また、ピエール中野(Dr)のMCになると、場内の空気はまったく別物の感情的なものに変化する。“コール&レスポンスはヒップホップの基本だろ!”といきなり謎の一喝を入れ、いつものように下ネタ&ノリのみで“バイブス!”→“タマスジ!”など繰り広げ、最後はYOSHIKIのスティックを手に入れたということで場内総Xジャンプも観せる。これがファンを楽しませるためにしているものかどうかは別として、このMCも彼らのライヴのひとつでファンは嬉々として狂喜する。 オーディエンスが考える間もなく、心を鷲掴みにされ、反応する凛として時雨のライヴ。いつもはその光景にただ圧倒されていたのだが、この日はこういうこともある意味ポップだと言えるのでは…と思ってしまった。
凛として時雨 プロフィール

要注目の轟音ツイン・ヴォーカル・トリオ。
02年にTK(gt&vo)、345(ba&vo)、ピエール中野(dr)が埼玉でバンドを結成。05年に自主レーベル<中野レコーズ>を立ち上げ、1stアルバム『♯4』をリリースした頃からじわじわと人気が広がり、<COUNTDOWN JAPAN 06/07>に出演したことでその人気は全国区に。さらに、08年<FUJI ROCK FESTIVAL 08>に出演し朝のホワイトステージで轟音をぶちかまし、洋楽ファンの度肝を抜いて評判となった。3人とは思えないほど重厚なサウンドの美しさはもちろんだが、ハイトーンでシャウトする男女の掛け合いも実にスリリング。パンク、プログレ、ハードコア、ミクスチャーなど様々なスタイルを混合し轟音として吐き出す激しさは、爆音好きの老若男女に広く愛されている。凛として時雨 オフィシャルHP(アーティスト)
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