【DOPING PANDA】DOPING PANDA JCBホ
ール 2008年7月18日

取材:高木智史

“最高のライヴにしたいんです! 付いて来いよ、メイニア!!”。その言葉を放ったYutaka Furukawa(Vo&Gu&Pro)が想像していた“最高のライヴ”が形となった瞬間は、あまりにも驚愕な光景となって僕の前に広がった。  31ヶ所に及んだツアーのファイナルは、「nothin’」「Hybrid breeder」…と、開始早々の観客総立ち、総踊りの幕開けを見せる。その間もFurukawaは楽曲のギターソロで超絶の速弾きを見せ、“I’m ROCKSTAR!!”と一声。興奮を隠しきれない彼同様、そのパフォーマンスに会場も揺れる。「good bye to heroes」ではマイクを外し、彼の煽動ですでに大ラスみたいな大合唱が起こる。マストダンスな最強のナンバーを畳み掛け、ステージ上のメンバー、オーディエンスの盛り上がりには一切の死角はないと言わんばかりのものだった。そして、“最高のライヴ”というあまりにも驚愕な光景は、まだまだこの後から姿を現すこととなる。 中盤はミディアム、バラードとグルーヴィーな楽曲が並んだ。なんともスウィートなヴォーカルと鳴らされる心地良い音に観客は陶酔し、体を揺らしたり、口ずさんだり、思い思いにゆったりとした時間を味わっていた。「Go The Distance」が終わり、一旦暗転となる会場。直後、ロボットヴォイスで何やら言葉を発される。“ム・ゲ・ン・ダ・イ・ダ・ン・ス・タ・イ・ム”。電飾が灯り、Furukawaが“無限大ダンスターイム!”と声を上げた。その1曲目を飾るは「The Fire」だ。それまで座っていた観客も立ち上がり、会場の3階席まで歓声と熱気が一気に駆け上がっていく。続く「YA-YA」「Hi-Fi」と次第にサウンドとヴォーカルは狂おしいほどに吹っ切れ、無限大に広がる“Dopamaniacs”の最中へと突入していく。先程まではクールに観ていた紳士も、普段は大人しいであろう見た目は清楚な女の子も、腕を振り回し、腰をクネクネ! そんな様が会場の約3000人全てに見られ、それを台風中継ばりに言うとすれば、“ダンスで巻き起こる瞬間最大風速は60mを超えました!”みたいな感じだろう。さらに、Furukawaが“そんなもんじゃねえだろ”とまくしたてるものだから、その風速は毎曲で更新されていく。ラストの「Crazy」ではタオルが飛び、水しぶきが舞い、モッシュが起こる、まさにクレイジーな様相を呈していた。そんな驚愕のライヴを繰り広げたDOPING PANDA。Furukawaはアンコールで“僕的に今日はレジェンドだった”と語った。全てを観終わった後も体のウズウズが止まらず、ただただ、凄まじいファイナルであった。
DOPING PANDA プロフィール

FURUKAWA(vo&g)、HOUJOU(b)、HAYATO(ds)からなる3ピース・ロック・バンド。クラブ・ミュージックの要素を大胆に導入したダンス・ロックが彼らの持ち味である。
97年の結成直後はメロディック・パンクなイメージが強かったが、ディズニーのカヴァー・コンピレーション・アルバム『DIVE INTO DISNEY』参加などの活動を経ていく中で、徐々にその雑食性を露にしていく。05年には『High Fidelity』でメジャー・デビュー。06年には“m-flo loves DOPING PANDA”として「she loves the CREAM」でm-floとの共演も実現。
ヴォーカルのFURUKAWAは、自身を「ロック・スター」または「スター」と自称し、それが愛称にもなっている。また、DOPING PANDAのファンは「ドーパメイニア」および「メイニア」と呼ばれており、一種のファン・シーンが形成されていると言えよう。
05年作『High Pressure』に続き、07年には“High”3部作シリーズ完結編となるアルバム『High Brid』をリリース。“ハイパー・ポップ・ロック”との呼び声も高い本作は、一度聴いたら忘れられないそのバンド名同様、非常にキャッチーかつエンターテイメント精神溢れる音楽を構築している。DOPING PANDA Official Website
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OKMusic編集部

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