【フジファブリック】フジファブリッ
ク 中野サンプラザ 2008年5月17日

取材:ジャガー

3月から行なわれてきたツアー終盤となる中野サンプラザ公演は、2デイズ! メンバーの表情に曇りはなく、大ステージで演奏できることへの喜びに満ちていた。上京してバンド活動をしていた頃、この近くのコンビニでバイトをしていたというヴォーカル&ギターの志村正彦にとっては、いつかこのステージに立ちたいと願っていた“東京で一番やりたかった会場”なだけあって、感慨深いものがあったに違いない。 ライヴの始まりは、アルバム『TEENAGER』の1曲目にも収録されていた「ペダル」だった。ゆっくりとした面持ちでステージにメンバーが現れ、会場が静まる。そして、志村の歌声が張り詰めた空間に響き渡り、大きな拍手が沸き起こった。緩やかに、心地の良いサウンドが会場中に広がっていきながら、徐々に熱を発し出す。そこへ、「記念写真」「B.O.I.P.」といったアッパーな曲で、観客のテンションを一気に上昇させ、勢いに拍車をかけるのだった。アルバムに詰め込まれた10代の甘酸っぱい思い出や、何をやっても楽しくて仕方ない10代の“あの感じ”がライヴでどう表現されるのか楽しみにしていたのだが、想像以上のものを観ることができた。高い演奏力でもって奏でられる曲たちは、CDと同じクオリティを保ちながら、生ならではの躍動感もひしひしと伝わってくるので、とても刺激的だ。彼ら特有のサウンドにどんどん魅了されていき、Wアンコールで演奏された「茜色の夕日」では、優しいメロディーと情景が浮かびやすい歌詞にふと心が緩み、自然と涙が出そうになった。
フジファブリック プロフィール

フジファブリック:2000年、志村正彦を中心に結成。09年に志村が急逝し、11年夏より山内総一郎(Vo&Gu)、金澤ダイスケ(Key)、加藤慎一(Ba)のメンバー3人体制にて新たに始動。奇想天外な曲から心を打つ曲まで幅広い音楽性が魅力の個性派ロックバンド。「銀河」、「茜色の夕日」、「若者のすべて」などの代表曲を送り出し、『モテキ』TVドラマ版主題歌、映画版オープニングテーマとして連続起用された。数多くのアニメ主題歌も担当。18年には映画『ここは退屈迎えに来て』主題歌、そして劇伴を担当。19年にデビュー15周年を迎えアルバム2作を発表。同年10月に大阪城ホール単独公演を大成功させた。21年3月に11thアルバム『I Love You』を発表。23年には4本のツアーを開催した。24年4月にデビュー20周年を迎えるが、目前となる2月に12thアルバム『PORTRAIT』をリリースする。フジファブリック オフィシャルHP

OKMusic編集部

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