【9mm Parabellum Bullet】9mm Para
bellum Bullet 新宿LOFT 2007年6月1
6日

text:黒田奈保子

先日発売されたプレデビュー盤「The World e.p.」に伴う、今回のツアー。様々なメディアで今年最も活躍を期待される新人アーティストのひとつとして名が挙がる彼らのライヴに、前評判も併せてか多くの観客が詰め寄せた。共演としてa flood of circle、FoZZton-e。さらに今回のツアーで新潟、長野で共演してきたhare-brained unityとセツナブルースターがこの日で最後の共演ということもあり、いつも以上に激しいパフォーマンスを観せてくれた。そして待ちに待った9mm Parabellum Bulletの登場に会場が沸いた。1曲目「Heat-Island」がスタートするや否や、ギターの滝 善充が開始直後とは思えないほどのテンションの上がりようでギターをかき鳴らし、菅原卓郎の鬼気迫るヴォーカルのスタイルにも目を奪われる。また、ベースの中村和彦が弾き出す心地良い爆音が体の奥底に響き渡った。前方にいる観客は早くもメンバーの勢いに同調し拳を突き上げ、そして後方の客は彼らの観せる気迫に感嘆の声を上げる。次々と繰り出される楽曲たちの中でも注目すべきは、このバンドの要となるドラムだろう。おおよそが前に出ているメンバーのパフォーマンスに目が行きがちだが、かみじょうちひろのドラムはロックに留まることなく、メタルやハードコアといった、驚くほど卓越された技を曲に併せて最高のタイミングで披露してくる。そしてバンド全体として、見事に“静”と“動”を使い分けているのだ。「Mr.Suicide」や「marvelous」では、まるで歌舞伎のように曲間の“静”でギリギリまで観客を引き寄せ、一瞬にして吐き出される“動”に観客の体は完全に彼らのパフォーマンスに持って行かれ、極度の興奮状態となっていく。アンコールも含め、たった10曲でもかなりの満足感が体を満たした。まだデビュー前の彼ら、今年一番化けるかもしれない!
9mm Parabellum Bullet プロフィール

キューミリ パラベラム バレット:2004年3月横浜にて結成。2枚のミニアルバムをインディーズレーベルからリリースし、07年にDebut Disc「Discommunication e.p.」でメジャーデビュー。09年9月9日に初の日本武道館公演を開催し、結成10周年を迎えた14年には日本武道館2デイズ公演を成功させた。16年に自主レーベル”Sazanga Records”を立ち上げ、メジャーデビュー10周年を迎えた17年5月に7thアルバム『BABEL』リリース。18年には期間限定無料ダウンロードというバンド初の試みを行なった「キャリーオン」(映画『ニート・ニート・ニート』主題歌)と、9月に開催した『カオスの百年TOUR』会場限定シングルとして「21g/カルマの花環」を発表。バンド結成15thアニバーサリーイヤーとなった19年には、4月に東京・大阪にて野音フリーライヴ開催し、8枚目となるオリジナルアルバム『DEEP BLUE』をリリース。そして、23年に結成19周年イヤーを迎え、『9mm Parabellum Bullet 19th Anniversary』を開催。1月から12月までの9日、もしくは19日と“9”がつく日には、アコースティックライヴの合わせると15公演を実施し、9月19日には9年振りとなる日本武道館公演も開催。9mm Parabellum Bullet オフィシャルHP

OKMusic編集部

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