【チャットモンチー】チャットモンチ
ー @SHIBUYA-AX 2007年4月11日

text:高木智史

チャットモンチー ただいま爆奏中”という幾ばくかの気恥ずかしさを感じるほど堂々と宣言した垂れ幕よろしく、チャットモンチーは爆奏街道を駆け抜けていくようなライヴを観せ、数多といるロックバンドの後続をもはや突き放してしまった。やはり、ほんわかとしたビジュアルの女の子がダイナミックで無駄のないサウンドを奏でるギャップには、恐ろしさに似たものを感じる。演奏中の彼女たちは何かがのりうつったかのように、冷静に全神経をそれぞれのプレイに注ぎ込む。橋本絵莉子はその細い腕でギターをかき鳴らし、ハイトーンな声を振り絞る。福岡晃子はファンキーで力強いベースを響かせ、高橋久美子はアップテンポにもメロウにも変化する楽曲を統率すべく確かなドラムを魅せる。それらが合致し、自信みなぎるライヴ。昨年夏には緊張で少し地に足がついていないようなアタフタした光景もあったが、彼女たちは約1年の期間で、貫禄すら身につけてしまっていたのだ。凛としたステージングにオーディエンスは皆、目を輝かせ、橋本のヴォーカルに続いて歌い、曲が終わると自然と拍手と歓声が湧いていた。彼女たちの名を世間に知らしめることとなった「シャングリラ」では“待ってました”の如く歓声が起こり、ミラーボールが回る中、歌い踊るのこの日最高の盛り上がりを見せたのだった。我々ができることと言えば、そんな着実に大きくなっていくチャットモンチーの爆走に振り落とされないようにと、しがみつくことだけだ。
チャットモンチー プロフィール

2000年徳島で結成。2005年メジャーデビュー。2006年リリースのSG.「シャングリラ」がヒット。2007年リリースの2nd AL.『生命力』に続き、09年リリースの 3rd AL.『告白』は、オリコン初登場 2位を記録。2008年には、初の日本武道館公演を開催。メジャーデビューから2年4か月での日本武道館2days公演は、女性ロックバンドとしては史上最短(※当時)で、現在のロックシーンを 代表するバンドへと成長を遂げる。2011年にDr.高橋久美子の脱退により、橋本、福岡の2ピース体制となる。2014年には、サポートメンバーを迎えた体制での活動を発表し、6th AL.『共鳴』を15年にリリース。そしてデビュー10周年の日本武道館公演を行い、2016年には郷里徳島で主催フェスを2daysで初開催。大成功を収めた。最新作は、シングル『Magical Fiction』(2017年4月リリース)。デュオ“橋本絵莉子波多野裕文”(橋本)やユニット“くもゆき”(福岡)での活動、CM歌唱(橋本)や徳島での多目的スペースOLUYOの運営(福岡)など、それぞれ多彩な活動を行っている。2017年11月23日、2018年7月をもって活動を「完結」させる事を発表した。チャットモンチー オフィシャルHP

OKMusic編集部

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