text:高岡彩子

 2月にリリースされた最新アルバム『INDEPENDIENTE』を引っ提げてのツアー“DEVELOP THE MUSIC”。この日もオーディエンスは開演前からすでに戦闘態勢バッチリでスタートを待ちわびていた。彼らの眼差しがステージに集中する中、メンバーは堂々たる姿で登場し、1曲目から爆音とともに観る者の体を芯から熱くさせるエネルギーをこれでもか!!というほど放出させていた。怒号のような大歓声と拳が客席を埋め尽くし、観る側も、メンバーも凄い気迫なのが分かる。Kjは曲中で何度も“飛び跳ねろ!!”と煽りを入れ、それに合わせて狂喜乱舞するかのように踊り狂うオーディエンス。Dragon Ashのライヴ初体験となる私にとって、その鬼気迫る、一触即発な雰囲気には、思わず息をのむほどであった。しかし、それとは裏腹にパーカッションも織り交ぜた楽曲の演奏では、バンドサウンドも軽快なリズムを刻み、情熱的なラテンのリズムに合わせて振り上げられる観客の腕が楽しげに横揺れする光景もまた、美しい波のようで印象的だった。 ステージも終盤に差し掛かった頃、モッシュでステージの目の前まで流れてきた観客が突き出した拳に、自らの拳を合わせたKj。そのパフォーマンスにオーディエンスはさらに割れんばかりの歓声を起こし、興奮を高めた。この日のライヴでKjが長く語る場面は少なかったが、突き出したその拳からは、どんな言葉よりも真っ直ぐで素直な“ありがとう”という気持ちが感じられた。そして、その拳が付き合わさった瞬間が、まさにこの日のライヴでメンバーと観客がひとつになった瞬間だったのだろう。
Dragon Ash プロフィール

ドラゴン・アッシュ:1997年、Kj、IKUZONE、桜井誠の3人でデビュー。その後、BOTS、HIROKI、ATSUSHI、DRI-Vが加入し7人編成になるも、12年にオリジナルメンバーのIKUZONEが急逝。13年、現在のメンバー6人で再び前進することを決意する。今アルバムよりKenKenがレコーディングに全面参加。デビュー時よりあらゆるジャンルを驚異的なスピードで横断し、Dragon Ashとしか表現しようのない音を鳴らし続けている。Dragon Ash オフィシャルHP

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