【BRAHMAN】『TOUR 相克FINAL「超克
 the OCTAGON」』2013年6月8日 at
幕張メッセ国際展示場

撮影:三吉ツカサ (Showcase Management) /取材:宮本英夫

 格闘技のリングを思わせる八角形のセンターステージと、巨大な八面スクリーン。メンバーが客席の間を抜けて登場する劇的なオープニングに続き、“自分対オノレ、勝つのはどっち。超克するのは俺たち。BRAHMAN始めます”というTOSHI-LOW(Vo)の口上から間髪入れず、「初期衝動」でライヴはスタート。スクリーンに歌詞、メンバーの表情、CG映像などが映し出される演出は大会場ならではだが、4人の放つ気迫はライヴハウスと何ら変わりはない。「空谷の跫音」まで一気に走り抜け、一瞬の静寂のあと、福島原発事故をモチーフとした「鼎の問」のPVを映しながら、TOSHI-LOWが魂を振り絞った歌声はこの日一番と言っていい激唱だった。さらに「SEE OFF」ではBRAHMANの名を刻んだ大漁旗が場内を駆け回り「ANSWER FOR...」ではTOSHI-LOWが客席に飛び込んでもみくちゃになりながら歌い続ける。そして「PLACEBO」を終えたTOSHI-LOWが、客の上に乗ったまま語り出す。たくまざるユーモアを交えた語り口でツアーを振り返り、“声が出なけりゃ魂で歌う”という極意を語り、5日前に起きた機材車の事故の顛末を明かし、このライヴは大赤字だが後悔などないと言い切り、このあとすぐに宮古市に行くので“俺らの代わりに一杯やっといて”とつぶやく姿に猛烈な拍手が降り注ぐ。それは、BRAHMAN はただのバンドじゃない、俺たちのヒーローであり、仲間だという意思表示のように聴こえた。“勝ったのか負けたのか分かんねえけど、100回負けても101回立ち上がるのがオレたち、BRAHMAN”ーーラスト曲「The only way」まで26曲の中に、BRAHMANが歌い続ける理由の全てを詰め込んだ壮絶なライヴだった。 

セットリスト

  1. 初期衝動
  2. 賽の河原
  3. 今際の際
  4. SPECULATION
  5. JESUS WAS A CROSS MAKER
  6. 遠国
  7. THE VOID
  8. BEYOND THE MOUNTAIN 
  9. DEEP
  10. GREAT HELP
  11. BASIS
  12. SHADOW PLAY 
  13. 空谷の跫音
  14. 鼎の問
  15. ARRIVAL TIME
  16. 露命
  17. SEE OFF
  18. GOIN’ DOWN
  19. 最終章
  20. ANSWER FOR...
  21. 警醒
  22. PLACEBO
  23. 霹靂
  24. 虚空ヲ掴ム
  25. THE ONLY WAY
BRAHMAN プロフィール

ブラフマン:1995年、都内を中心にライヴ活動をスタート。96年に『grope our way』を発表(現在廃盤)。1stアルバム『A MAN OF THE WORLD』がインディーズ史上、異例の60万枚以上のロングセールスを記録。シングル「deep/arrival time」でメジャーデビューを果たす。徹底した激しいライヴスタイルとその存在感は他の追随を許さないバンドとして、熱狂的にオーディエンスやバンドから支持されている。21年Zepp ツアー『Tour 2021 -Slow Dance-』と連動したコンセプチュアルな作品「Slow Dance」を9月22日にリリースする。BRAHMAN オフィシャルHP

OKMusic編集部

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