【BAND A】『BAND A 1st Full Album
「○か×か」リリースツアー“金曜日
のツアーたちへ”』2014年7月11日 a
t TSUTAYA O-nest
渾身の1stフルアルバム『○か×か』を今年4月にリリースし、大阪、名古屋、そして地元・福岡とツアーを回ってきたBAND A。それを締め括る渋谷でのワンマンということで、もちろんメンバー自身めちゃくちゃ気合が入っている。そんな中、水をさすように関東へ接近していたのが台風8号。ふてぶてしいまでの列島縦断の進路予報、“7月としては過去最強クラス”とのアナウンス…聞こえてくるバッドすぎるインフォに、一時は中止すら心配した人も多かっただろう。しかし、天は彼らに味方した。当日昼の段階で首都圏は見事に快晴! さらに夕刻には、空にとてつもなく美しい虹が出現!! この劇的な展開を○か×かで言うなら当然○であり、開演前から勝ちの気運はあったなんて思いたくなったり。TSUTAYA O-nestのメインフロアに降りると、郷ひろみやルースターズ、SPARTA LOCALSといった福岡出身アーティスト縛りのBGMが流れている。
ライヴの口火を切ったのは『○か×か』の1曲目「the help me」。歯切れのいいリズムとギターカッティング、パワフルな歌で早くも自分たちのペースを作り出し、岡愛子(Gu)が観客を鋭く見つめながら最初のソロを鮮やかに決めると、中島元良(Dr)も激しい雄叫びをあげ、情熱ほとばしるナイスなカウントから「DDD」へ。原コウヘイ(Vo&Gu)と岡による男女混声のツインヴォーカル、《した みぎ ひだり よこななめ》と指差して歌う原の陽気なアクションが生み出すカラフルなポップネスは、疾走感とともに場内を包み込んでいく。続く「バースデー!!!」「パラパラマンガ」では、汐碇真也(Ba)のコーラスも光り、全員の声でグルーブに厚みが出てくる。
“今日はたくさん集まってくれてありがとうございます。ツアーファイナルのワンマン、それぞれのスタイルで楽しんで、僕らの曲をたっぷり受け取ってください”という原の発言どおり、ニューアルバム以外の懐かしい楽曲も挟み込まれたメニューの中、時にトリッキーなビートを聴かせたり、時にミニマルな展開を見せたり、突然ドキッとさせるキメが入ったり、意味があるようであまりない言葉を大声で叫んだりと、BAND Aならではのヘンテコでいてカッコ良いロック、ニューウェイヴ、ポップスがこの日は起伏豊かに炸裂していた。その引き出しの多さに反して歌う内容が単純明快なのも、彼らの音楽が胸に響く理由のひとつかもしれない。「嬉しい悲鳴」の《8ビート刻んで気持ち良くなって その勢いのままアウトロ 開放弦 鳴らす 鳴らしまくり》という歌詞を聴きながら、そんなことを思った。
「夏のお嬢さん」「季節を、アイス」で爽やかな叙情性を、「東京電車」「東京8ビート」でファニーな都市観を打ち出し、オーディエンスをより惹き込む中盤。特に、岡の書いたミディアムナンバー「ノーマルソング」がいいアクセントになっていて、抑揚の効いたアレンジは原の歌を際立たせ、サビで原→汐碇→岡とつなぐコーラスには風が吹き抜けるような心地よい清涼感があった。MCでは、岡がいきなり加山雄三の「君といつまでも」を歌い出す(“幸せだなぁと思ったから”らしい)など、ゆるい雰囲気に笑いが起きる場面も。“台風が来てたじゃないですか、8号さん。今週頭くらいに移動予想を見たら、11日の9時に東京みたいな…やっちまったな~と。もう、毎日台風情報を見てたの。で、今朝すごい陽射しで起きて、あれ?と思って。チェックしてみたら、現在台風は存在しませんって書いてあってさ。消えた! やったー!! 本当にやれて良かったです”(原)
「七隈線」からはラストスパート! 4人のテンションがさらに上がり、原は喉を潰す勢いで叫びまくり、岡はガシャガシャとノイジーに掻き鳴らし、汐碇と中島は屋台骨としてタイトなビートを刻む。最高の盛り上がりを見せたのはキラーチューン「テレパC」。“ピピピ”のリズムでギターと歌が躍動すれば、フロアーにハンドクラップが巻き起こり、楽しくて踊り出すファンの姿も。畳みかけるように、本編ラストはありったけの力を放出した「退屈」。そして、アンコールの3曲も全力で駆け抜けてみせた。『○か×か』の全曲を演奏しつつ、バリエーション豊かなナンバーをもって、ライヴバンドの力を遺憾なく発揮したBAND A。次への胎動を感じるふたつの新曲も披露したこの潔いステージは、文句なしに○と評価できるものだった。“もっともっと高いところへ行きたいと思いました”と語っていた原。成長意欲の高い彼らはまだまだ進化するはずだ。
ライヴの口火を切ったのは『○か×か』の1曲目「the help me」。歯切れのいいリズムとギターカッティング、パワフルな歌で早くも自分たちのペースを作り出し、岡愛子(Gu)が観客を鋭く見つめながら最初のソロを鮮やかに決めると、中島元良(Dr)も激しい雄叫びをあげ、情熱ほとばしるナイスなカウントから「DDD」へ。原コウヘイ(Vo&Gu)と岡による男女混声のツインヴォーカル、《した みぎ ひだり よこななめ》と指差して歌う原の陽気なアクションが生み出すカラフルなポップネスは、疾走感とともに場内を包み込んでいく。続く「バースデー!!!」「パラパラマンガ」では、汐碇真也(Ba)のコーラスも光り、全員の声でグルーブに厚みが出てくる。
“今日はたくさん集まってくれてありがとうございます。ツアーファイナルのワンマン、それぞれのスタイルで楽しんで、僕らの曲をたっぷり受け取ってください”という原の発言どおり、ニューアルバム以外の懐かしい楽曲も挟み込まれたメニューの中、時にトリッキーなビートを聴かせたり、時にミニマルな展開を見せたり、突然ドキッとさせるキメが入ったり、意味があるようであまりない言葉を大声で叫んだりと、BAND Aならではのヘンテコでいてカッコ良いロック、ニューウェイヴ、ポップスがこの日は起伏豊かに炸裂していた。その引き出しの多さに反して歌う内容が単純明快なのも、彼らの音楽が胸に響く理由のひとつかもしれない。「嬉しい悲鳴」の《8ビート刻んで気持ち良くなって その勢いのままアウトロ 開放弦 鳴らす 鳴らしまくり》という歌詞を聴きながら、そんなことを思った。
「夏のお嬢さん」「季節を、アイス」で爽やかな叙情性を、「東京電車」「東京8ビート」でファニーな都市観を打ち出し、オーディエンスをより惹き込む中盤。特に、岡の書いたミディアムナンバー「ノーマルソング」がいいアクセントになっていて、抑揚の効いたアレンジは原の歌を際立たせ、サビで原→汐碇→岡とつなぐコーラスには風が吹き抜けるような心地よい清涼感があった。MCでは、岡がいきなり加山雄三の「君といつまでも」を歌い出す(“幸せだなぁと思ったから”らしい)など、ゆるい雰囲気に笑いが起きる場面も。“台風が来てたじゃないですか、8号さん。今週頭くらいに移動予想を見たら、11日の9時に東京みたいな…やっちまったな~と。もう、毎日台風情報を見てたの。で、今朝すごい陽射しで起きて、あれ?と思って。チェックしてみたら、現在台風は存在しませんって書いてあってさ。消えた! やったー!! 本当にやれて良かったです”(原)
「七隈線」からはラストスパート! 4人のテンションがさらに上がり、原は喉を潰す勢いで叫びまくり、岡はガシャガシャとノイジーに掻き鳴らし、汐碇と中島は屋台骨としてタイトなビートを刻む。最高の盛り上がりを見せたのはキラーチューン「テレパC」。“ピピピ”のリズムでギターと歌が躍動すれば、フロアーにハンドクラップが巻き起こり、楽しくて踊り出すファンの姿も。畳みかけるように、本編ラストはありったけの力を放出した「退屈」。そして、アンコールの3曲も全力で駆け抜けてみせた。『○か×か』の全曲を演奏しつつ、バリエーション豊かなナンバーをもって、ライヴバンドの力を遺憾なく発揮したBAND A。次への胎動を感じるふたつの新曲も披露したこの潔いステージは、文句なしに○と評価できるものだった。“もっともっと高いところへ行きたいと思いました”と語っていた原。成長意欲の高い彼らはまだまだ進化するはずだ。