【水曜日のカンパネラ】『水曜日のカ
ンパネラ初ワンマン「鬼ヶ島の逆襲」
』2015年3月29日 at 恵比寿LIQUIDRO
OM

撮影:雨宮透貴/取材:田山雄士

 水カンがついにリキッドでワンマン! 仮装(?)をキメ込んだファンから、スタッフにDJまでどこもかしこも鬼鬼パニックな開演前の場内には、コムアイによる“野性化した犬、サル、キジが襲いかかってくる場合がございます”なんていうアナウンスも流れている。そんな異様な一体感の中、主演・コムアイはこの日も勇敢に奮闘! “親指出して、茶柱揺らせー!”と煽った「千利休」に始まり、「インカ」ではダンサーとともにMVを超えるアクションで驚かせ、「星一徹」のちゃぶ台返し、「マリー・アントワネット」のお菓子投げも惜しみなく披露する。“混みすぎだよ!”と言いながらもパンパンのフロアーに分け入り、「ドラキュラ」で《ちーすーたろか》の大合唱を生んだ瞬間は、ルール無用の彼女らしい輝きが全開! やっぱり大舞台のほうが楽しそうだ。「桃太郎」のきびダンス、「ミツコ」の爆発力も会場を揺らし、いつも以上に壮観な眺めを見せてくれた。

 ここまでは良かった。苦言を呈すなら、中継映像でグダった点のみ。知らない新曲群やオオルタイチのDJよりもあの曲が聴きたかったという声もきっとある。でも、期待度の大きさが冒頭に書いた通りなだけに、そこに寄せたライヴはやりたくなかったんだと思う。求められるものを具現化するのではなく、攻めて壊して覆してきたのが水曜日のカンパネラなのだから! OBKRも駆け付けた「ナポレオン」、“愛してやまない銭湯の歌”という「ディアブロ」の盛況ぶりを見れば、深刻に考える必要はない。停滞は体たらく。次への橋架けができた、転換点となる一夜だった。

セットリスト

  1. 千利休
  2. デーメーテール
  3. 二階堂マリ
  4. インカ
  5. チャイコフスキー
  6. 星一徹
  7. ドラキュラ
  8. お七
  9. 桃太郎
  10. マリーアントワネット
  11. ミツコ
  12. -オオルタイチゲストライヴ- 
  13. ユタ
  14. シャクシャイン
  15. ナポレオン
  16. カーネル
  17. ディアブロ
水曜日のカンパネラ プロフィール

主演・歌唱を担当するコムアイを中心とした、J-POPユニット。12年夏、初のデモ音源となる「オズ」「空海」をYouTubeに配信し、活動を開始。“水曜日のカンパネラ”の語源は、水曜日に打合せが多かったからという理由など、さまざまな説がある。13年3月、マネージャー兼ディレクターであるDir.Fの指令でライヴ活動を開始。同年5月に『クロールと逆上がり』、10月に『羅生門』と立て続けにミニ・アルバムを発表。トラック・メイカーであるケンモチヒデフミによる本格エレクトロ・サウンドとコムアイのキュートな脱力ヴォーカルやシュールなラップが中毒性を生み、熱狂的なファンが増える中、ワンマン・ライヴで鹿の解体を行うなどの不可解な活動でも話題を集める。14年11月、カバー・ミニ・アルバム『安眠豆腐』とミニ・アルバム『私を鬼ヶ島に連れてって』を同時リリース。15年4月、1stEP『トライアスロン』を全国流通盤としてリリース。同年6月より、初のワンマン・ツアーとなる『トライアツロン』を開催。水曜日のカンパネラ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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