【BINECKS】
取材:石田博嗣
ロックバンドとしてそれぞれの個性が出
せた
今の4人になって1年、1stシングルから約半年、バンドとしてまとまってきてます?
よりバンド内のテンションも高く、モチベーションも上がってきてますね。シーケンスプログラマーのTESSEYはロック畑の人間ではないので、冷静なスタンスだったりするんですけど、それも含めて、よりバンドっぽくなってきてますよ。
今回の2ndシングルは、そんな今のバンドのどんなところを出そうと思ったのですか?
届きやすいメロディーというのはありつつも、メンバーそれぞれが主張できそうな曲…ギターのDAITAを筆頭にテクニカルなことができるメンバーが揃ってるので、そういうところも発揮できる曲ということで、よりアグレッシヴになったという感じですね。
コーラスがツインヴォーカルのようですよね。
インディーズの頃から、こういう“追っかけコーラス”はずっとやってるんですよ。『REAL』のような曲調に合っているし、メッセージ的にも対になって、より響くんじゃないかなって思いますね。ただのコーラスじゃなくて、まさにツインヴォーカルって感じなんで、ちゃんと気持ちを込めているし。
歌詞は“REAL”というタイトルだし、“ネットじゃない絆がココにある”というフレーズが意味深で印象的でした。
そうなんですよ。普通に聴くとラブソングに聴こえるんですけど、ただのラブソングではないという。いろんなふうに捉えられるテーマを秘めているんですよ。
バンドサウンドの表題曲に対して、カップリングの「Labyrinth Dance」は打ち込みなのですが、それはまた違ったBINECKSの一面を見せようと?
手前味噌であるかもしれないですけど、僕らのバンドってすごく引き出しが多いんですよ。TESSEYというシーケンスプログラマーがメンバーにいる時点で、普通のロックバンドじゃないことは分かってもらえると思うんですけど。こういう打ち込み系のジャンルはTESSEYが追究してきたものでもあるので、それがたまたま今回のタイミングでできたという感じですね。確かに『REAL』はバンドサウンドなんですけど、この曲も僕らの中ではバンドサウンドなんですよ。なぜなら、『REAL』はチャーリー・パクソンという外国人のサポートドラマーを迎えてますけど、この曲は初めてBINECKSのメンバー以外の音が入ってないんです。そういう意味でも意義深い曲ですね。
バンド的にも意味深いシングルになったと。
そうですね。ロックバンドとして、メンバーそれぞれの個性が出せたシングルになったと思うし…今、現存する日本のロックの中には、なかなかないものになったと思いますね。ものすごく最新の技術を駆使しているバンドなんですけど、ヒューマンの力を最大限まで引き出そうとしているので、聴く人が聴けばレベルの高いことをやっている…そこは自負してます。
バンドに引き出しが多いと、いろいろなサウンドアプローチができると思うのですが、それだけ歌う方も大変なのでは?
大変ではあるけど、すごく楽しみなんですよ。僕はヴォーカリストとしてのキャリアが浅いから…DAITAと出会う前にアマチュアでバンドをやってた時は、ギター&ヴォーカルだったし、それもギタリスト寄りのヴォーカルだったんです。なので、新しい自分の歌が発見できるから、喜びの方が大きいですね。プレッシャーも共存してますけど(笑)
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