【ステレオポニー】
取材:岡本 明
生きていることに絶対に意味があるって
伝えたい
この曲が『機動戦士ガンダム00』のオープニングテーマに決まったという話を聞いた時、どうでした?
AIMI
びっくりし過ぎて、言葉が出なかったですね(笑)。原曲はもっとテンポがゆっくりだったんですけど、タイアップのお話をいただいて、よりストーリーに合うようにアレンジもテンポも変えて、歌詞も詰めていきました。全体に疾走感のあるアレンジになっています。
NOHANA
アレンジャーさんとも細かく話をしましたね。
SHIHO
単にテンポを上げるだけじゃなく、演奏の手数や楽器のアレンジで疾走感が出せるという方法も勉強になりました。
AIMI
シンプルでストレートに響くと思うんですけど、実際は多くの楽器が入っていて。やっぱりアレンジで変わりますね。
それでいてメロディーも哀愁がありますね。
AIMI
私が曲を作るとなぜか80年代っぽいと言われて(笑)。この曲もそうなんです。曲を作ろうと思ってもできなくて、何かを感じた時に生まれるんですけど。アコースティックギターで作っていると、開放弦のマイナーのコードがきれいなので、ついそういうコードを選んでしまうみたいで。それでこういうメロディーが生まれますね、先ほど言われた哀愁というか。
レコーディングはどうでした?
AIMI
大変でした。細かいところがたくさんあって。歌い方も、前作より力強く歌いながら歯がゆい感じを出したくて。
歯がゆい感じは出てますね。願っていることが叶わない感じ、それはこの曲の大きなポイントだと思ったのですが。
AIMI
そうですね。うまくいかないことが世の中、多いじゃないですか。悲しみの向こうに何が見えるのかなって思った時に、答えが見つかったわけじゃないけれど、生きていることに絶対に意味があるっていうことを、曲を聴いてくれた方に伝えたいですね。諦めている人もいるかもしれないけど、今が悲しいからって全てがそこで終ってしまうと思うこと自体、それが一番悲しいと思うんです。確かに悩みや苦しみは生きているうちに減らないし、増えていく一方かもしれない。でも、生きていれば必ず何かが見えるということを曲を通して伝えたいです。
SHIHO
悩んで抜け出せない時は誰にでもあるし。その時は光が見えないって思っていても、必ずその先があるはずなんで、共感が得られる歌詞だなって思えました。
NOHANA
苦しい時があっても希望は絶対見えるから、苦しくても悪いことじゃない。そう思ってくれたらいいなと思います。
世代を超えて伝わるメッセージですね。今は暗い時代というか、希望が持てない時代だと感じることが多いですから。
AIMI
ええ、苦しい時は頑張れって言われても抜け出せない時もあると思うんです。そこで、同じ感情をみんなも持っているんだということを伝えたくて。だから、あえて“頑張ろう!”とか“大丈夫!”とは言ってないんです。
そして、カップリング曲は「ステレオポニーの旅は続く」「ヒトヒラのハナビラ~AIMI Acoustic Version~」ですけど。
AIMI
「ステレオポニーの旅は続く」は自分たちのことを歌っています。ライヴに向かう車の中だったり、そういう場面を想像してもらえたら。それと、デビュー曲の「ヒトヒラのハナビラ」をもっといろんな人に聴いてほしくて、アレンジを変えて収録しました。こちらはロックというより、歌を伝える感じですね。ひとつの色だけじゃなく、いろんなステレオポニーを聴いてほしいので、こういうカップリング曲になりました。
アーティスト