【ダウト】一段と個人個人がダウトを
理解してやれた
音圧に頼らず、自分たちのサウンドでいかに迫力を出せるのか勝負したニューアルバム。メンバーのルーツミュージックがまったく違うことを活かし、色鮮やかに仕上げられた本作について訊く!
取材:ジャガー
第一印象、ライヴを意識されたアルバムだと思いました。
幸樹
曲順、曲間も含め、ライヴのひと通りの流れを出せるように意識はしましたね。本当は去年の冬には発表したかったんですけど、なかなか自分たちの納得のいくライヴ感を表現できなかったので、発売までずらして模索しました。その甲斐あって完成度の高いアルバムに仕上がったと思います。アルバムを出すのは久しぶりなので、楽曲も溜まっていてフラストレーションが一気に爆発した感じですね。
ダウトの曲作りはどのように行なわれているのですか?
幸樹
アルバムに対していうと、特にテーマを決め込まず。若干の路線決めはありますけど、作曲段階で変な先入観を持つと各々の良さが出にくいので、そこは自由に。
玲夏
一貫して言えることは、メロディーがいいものを作るってこと。メンバーそれぞれ聴いてきた音楽が違うけど、メロディーは必ず立ってますね。僕とかは洋楽的なものが好きだったりするし、逆に幸樹さんとかはJ-POPひと筋な感じで。ちょっと洋楽テイストに仕上げていくと思いっきりバッシングされたり(笑)。でも、メロディーの良さという共通点があるからテイストが違っていても上手く混ざり合っていけるんですよ。
幸樹
理解しようとはするんですけど、単なるカッコ良さだけを追求したものだと却下します。曲のビジョンが見えていないというか。
威吹
俺もそうだけど、メンバーが持ってきた楽曲に対して、ビジョンがまったく見えないと演奏したくないんですよ。今回は“何をどうやりたいか?”っていうのが明確に表れていたんで、一段と個人個人がダウトを理解してやれたんじゃないかな。
プレイヤーとしても、これまでとは挑み方が違ったのでは?
ひヵる
そうですね。これまでは和を感じさせるフレーズが多かったし、ビジュアル面も和をイメージしてたのですが、まずそれはやめようと。それがダウトらしさでもあったんですけど、ある程度かたちにできたし、それを踏まえて次へ行きたかった。あとは、全体を見て音の混ざりを意識しましたね。
威吹
手癖から離れる努力をしました。つい好きなギターのフレーズを持って行きがちなところを自分の引き出しをまさぐって“本当にこれか? 他のはなかったか?”って。曲で言うと、「野良猫と♪」が一番変化が表れてます。
玲夏
日々次のステップへ行くことは考えてるんですけど、特に今回は限界にチャレンジしているものもあり、途中で投げ出したくなる時もありました(笑)。でも、これがライヴで弾きこなせるようになったらアーティストとしてワンランク上に行けるなっていう。今はそっちが楽しみで仕方ないですね。
ミナセ
どの曲も、曲々に対してアイディアを出して世界観を広げるようにしたかったですね。今までも意識していたことではあったんですけど、より曲とか歌が映えるようにフレーズをひとつ入れるにしてもバランスを見ながら。ひカるも言ったみたいに、メンバーそれぞれがバンドの全体像を意識して作れたので、作品の内容としても突き詰められたんじゃないかな。
幸樹
最初はシングルがメインで、そこから肉付けしていくようなアルバムになるのかなと漠然と想像してたんですけど、全曲シングル候補でいけちゃうんですよね。次回のシングル用に残しておこうと思ったものも何曲かあったけど、今作でバンドの今後が左右されると感じたので、余力を残さず全部作品にぶつけました。これまで以上に気合いが入ってますよ。
アーティスト