【キュウソネコカミ】『DMCC REAL O
NEMAN TOUR –EXTRA!!!-』2016年3月
20日 at 幕張メッセイベントホール

撮影:Viola Kam(V'z Twinkle Photography)、丹部美咲/取材:日本工学院専門学校コンサート・イベント科 制作コース 上野智華

【STUDENT REPORT from 日本工学院専門学校コンサート・イベント科】

 キュウソネコカミ史上最大キャパでのワンマンライヴが3月19日と20日の2日間、幕張メッセイベントホールにて開催された。

 ステージに向かうメンバーがスーツを脱ぎ捨て、ライヴ衣装へと変わっていくオープニングVTRが流れ始めると同時に会場の期待感もヒートアップしていく。

 「ウィーワーインディーズバンド!!」「良いDJ」でのコール&レスポンスと、始めからトップスピードで駆け抜けていく勢いは、さながら獲物を見つけたネズミのようだった。そして、随所に散りばめられた遊び心のある演出の数々は、観客を楽しませるための工夫と愛にあふれている。SHISHAMOの宮崎朝子(Vo&Gu)がナース服で登場するVTRや、「春になっても」で桜が舞う演出は、それまで包まれていた熱気から柔らかく温かな空気に遷移していく。

 今回の公演では2曲の新曲が披露されたが、新曲とは思えないほどの盛り上がりで、キュウソの魅力のひとつである“乗れる曲”が存分に味わえる空間を作り上げていた。

 また、ファンとの間で交わされる“楽しくても思いやりとマナーを忘れるな”という約束は多くの観客に浸透している。ヤマサキセイヤ(Vo&Gu)は“そういうやさしさを持って生きていってください”と改めて観客に訴えかけた。

 「DQNなりたい、40代で死にたい」では、“ヤンキーこわい!”の合唱で本日一番の一体感が生まれ、ステージからダイブしたヤマサキは、恒例のクラウドサーフで観客の手によってスタンディングエリア最後方まで泳ぎ切った。その光景は、波となった観客の両手が、ヤマサキの身体ではなく“想いそのもの”を運んでいるように感じた。ライヴ終盤は、会場にいた全ての人の“全身全霊かめはめ波”が飛び交う「お願いシェンロン」、不器用でもなんとかやっていけると背中を押すキュウソ流の応援歌「ハッピーポンコツ」にてEXTRA!!!な1日は幕を閉じた。

 アンコールを含め、全27曲、約3時間のステージ。自由奔放な演奏からじっくりと耳を傾けて聴きたいものまで、またキュウソらしいコントのような演出や、迫真の演技まで多彩な面を見ることができた。ワンマンライヴだからこそ、キュウソを隅々まで味わってください!と言わんばかりの盛りだくさんなパフォーマンスにただひたすらに圧倒され、笑わされ、胸を打たれたライヴだった。最初から最後までキュウソネコカミの全力と観客に対する思いやり、また観客同士の思いやりがこの空間を作り出したのだ。唯一無二のキュウソネコカミのライヴが生まれる瞬間に立ち会えたことに感謝。

セットリスト

  1. ウィーワーインディーズバンド!!
  2. 良いDJ
  3. KMDT25
  4. サブカル女子
  5. 空芯菜
  6. 伝統芸能
  7. 適度に武士道、サムライBOYS。
  8. ビーフ or チキン
  9. GALAXY
  10. 泣くな親父
  11. Noise and milk
  12. 春になっても
  13. シャチクズ
  14. フラッシュバック
  15. 何も無い休日
  16. こみゅカ(新曲)
  17. Scary song
  18. 記憶にございません
  19. たまにいるタラシくん
  20. ビビった
  21. ファントムヴァイブレーション
  22. NEKOSAMA
  23. DQNなりたい、40代で死にたい
  24. MEGA SHAKE IT !
  25. <ENCORE>
  26. 新曲(タイトル未定)
  27. お願いシェンロン
  28. ハッピーポンコツ
キュウソネコカミ プロフィール

キュウソネコカミ:2009年12月、大学の軽音楽部内で就職活動に敗れた者たちを中心に兵庫県西宮市で結成。10年よりライヴ活動を開始。エッジが効いたダンサブルでキャッチーなサウンド、身の周りの事柄への愚痴や文句を込めた世界観のない歌詞、エモーショナルで逆ギレ気味なMCとライヴスタイルにステージ下での腰の低さも合わさって、アンダーグラウンドからオーバーグラウンドまで比較的いろいろなジャンルのバンドとの対バンを重ねる。そして、14年6月、ミニアルバム『チェンジ ザ ワールド』でメジャーデビューを果たした。キュウソネコカミ オフィシャルHP

OKMusic編集部

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