L→R 赤塚ヤスシ(Ba)、氏原ワタル(Vo&Gu)、森田ケーサク(Dr)

L→R 赤塚ヤスシ(Ba)、氏原ワタル(Vo&Gu)、森田ケーサク(Dr)

【DOES】僕たちは周りには流されない
ということを
はっきり自覚してる

ヘヴィなサウンド、オルタナティヴな構成の妙、ポップなメロディーを兼ね備えた稀有な存在として熱い支持を集めるロックバンドDOES。劇場版『銀魂』の主題歌となったニューシングル「バクチ・ダンサー」で、DOESはDOESでしかあり得ないことを証明する!
取材:宮本英夫

このインタビューと同じ号に、先日の新代田FEVERでの2デイズライヴのレポートも載るんですよ。あれはどんなライヴでした?

ワタル
今年一発目のワンマンで初の2デイズで、もともと僕らが好きなパンクっぽい感じで小箱(小さい会場)でやろうって。2日間の作りかたもすごく良かったし、新曲「バクチ・ダンサー」「僕たちの季節」を少しやれたのもとても良くてね。その2日後に両国国技館でやった、『銀魂』のイベントで初披露してほしいと言われてたから。でも僕の曲だし、僕たちのファンの前だし、少しはいいじゃないかと(笑)。
ヤス
対バンもいいけど、ワンマンは純粋に自分らだけの世界観でやれるから。すごい気持ち良かった。
ケーサク
楽しかったっす。同じ場所で2日続けてやれるので、楽器も置いておけるし、どういうハコか分かってるから2日目はやりやすいし。お客さんのテンションもすごく良かったです。

その「バクチ・ダンサー」は、劇場版『銀魂』の主題歌ということで依頼がきたのですか?

ワタル
そうですね。だから、「修羅」「曇天」(ともにテレビアニメ『銀魂』OP・ED)みたいなエイトビートの感じかなと思って、なんとなく作ってたんだけど、そういうのはあまりやりたくないテンションで…。その時に監督さんと打ち合わせをして、“激しめのヤツとミドルテンポと2曲ほしい”と言われたんだけど、“DOESがカッコ良いと思うものがいいと思うので、好きにやってください”と。そういう意味では『銀魂』のスタッフは昔から気が合うし、だったら自分がやりたいものをやろうということで「バクチ・ダンサー」を書いたんですよ。そしたらすごい気に入ってくれたんで、お互いに良かったんじゃないかな。

ハードでメタリックなサウンドの中に、ダンサブルなリズムがあったり、メロディーと歌がとてもシンプルでポップだったり。

ワタル
ポップな要素というか、いい感じで浮いた隙間があるというか…うまく説明できないんだけど、オルタナティヴやニューウェイヴ、シンプルなAC/DCみたいなロックとか、あの辺が一緒くたになってる質感が今欲しいんですよね。
ヤス
初めは試行錯誤して、サビのリズムも違ったりしたんですけど。結果的にダンサブルだけどゴリッとしたいいリズムができて、そこがこの曲の肝ですね。
ケーサク
俺はエイトビートが得意で、リズムのある曲は苦手なんだけど、最初に聴いた時からカッコ良い曲だと思ったから、それを生かすために頑張りました。

しかも、2分53秒で一気に駆け抜けるという。

ワタル
昔からそうだけど、BPMが速い曲はそんなに長くはならない。短い分、展開の付けかたには悩むけど、王道のA→B→Cみたいな構成の中で違う感じを出したいんですよね。“こんなの聴いたことない”っていうのがやりたいし、実際あんまりない音だと思うしね、質感として。たぶんウチらにしかないんじゃないかな。

あえて言うなら、メジャーシーンでこの音を出せるのがDOESなんだと。アンダーグラウンドにはいるかもしれないですけど。

ワタル
そうそう。もともとそこら辺でやってきたから、どこに行ってもそれをやらなきゃいけない。ウチらがJ-POPをやる必要はないんですよ。というか、できないし。なのに、そのシーンにいるというのが痛快なんですよね。しかも、アニメの主題歌になって全国にドーンと広がるというね。

「バクチ・ダンサー」の歌詞はどこから?

ワタル
サビで“バクチ”という言葉が出てきて、賭け事という意味で詞を展開させていったんだけど、僕自身がギャンブルをやらないんで、気持ちが乗らないし、どうしようかと思ってる時にたまたま辞書を引いたら、“驀地=まっしぐらに進むさま”というのが載ってて、“これだ!”と。ダンスフロアでまっしぐらに踊るダンサーの姿と、『銀魂』が“紅桜篇”ということだったんで、桜がひらひら踊りながら舞い落ちるさまを合わせた感じ。ワビサビの情景というよりは、血沸き肉踊る躍動感や衝動を表した感じです。

カップリング「僕たちの季節」も映画で使われるんですね。

ワタル
ミドルテンポでいい感じの曲が欲しいということで作ったんだけど、こっちのほうがよりDOESらしさが出てるかもしれない。もともと90年代オルタナティヴに影響を受けた始めたバンドなんで、ローファイというかアンニュイというか、そういう感じが大好きなので。それを、今の僕らがやってる削ぎ落とした骨っぽいロックと重ね合わせたらこんなふうになった。ニューウェイヴっぽい感じもあって、CSSとかThe Tin Tinsとか、僕が今好きな音とも通じるところがあるかもしれない。この曲は歌詞も好きで、一聴した感じでは分かりにくいかもしれないけど、歌詞カードを読んで何か感じる人はいるんじゃないかな。

2曲とも以前とは明らかに違う、突き抜けた勢いを感じます。

ワタル
吹っ切れたところがあるんですよね。さっきも言ったけど、うちらはJ-POPやJ-ROCKをやる必要はないし、そういう姿勢を好きでいてくれる人がいるんだから“それでいいじゃん”って。正しさは常に自分たちの中にあるという考えだから、そういうタイプの人間が僕らを好きになってくれるだろうし、そういう人たちの前で演奏するのはすごく幸せだしね。そこで自信を持って今やってる感じ。もっとフリーになってやろうと思ってます。

そして、5月15日からツアーが始まりますが。抱負は?

ケーサク
『独歩行脚』ツアーはリリースしたからライヴをやるというんじゃなくて、バンドがやりたいからやるというのと、地方でちゃんとやりたいというのがあって。その1回目なんで、楽しみでしょうがないです。前よりももっといいツアーにします。
ヤス
今まで以上に強いライヴを、より伝えるライヴをしたいです。僕は宮崎にいたから分かるんですけど、地方ってなかなかバンドが来ないんですよ。そういうフラストレーションを持ってる子たちにたくさん来てほしいです。
ワタル
僕たちは周りには流されないということをはっきり自覚してるし、それをちゃんと伝えられる場所が欲しかったので、ロックバンドが普通にライヴをしに行くという、フリーダムな感じになると思います。『独歩行脚』ツアーはシリーズものなので、定期的に会いに行くことが大事なんですよね。今回は“初歩的衝動編”なので、来てくれた子たちと一緒になってその場を共有して、カッコ良いことしようぜっていうライヴにしたいと思ってます。
DOES プロフィール

ドーズ:2003年に結成。福岡での活動が都内のメジャーレーベルプロダクションに知れ渡り、06年にシングル「明日は来るのか」でメジャーデビューを果たす。翌年リリースした「修羅」がテレビ東京系アニメ『銀魂』のエンディングテーマとして起用され、オリコン初登場9位を記録し注目を集めた。また、圧倒的なライヴパフォーマンスの評価は高く、『ARABAKI ROCK FES』『ROCK IN JAPAN』『RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO FES』等、各地大型フェスの常連となっている。DOES Official Website
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OKMusic編集部

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