写真左上から時計回りに、ケイタイモ(Key&Cho)、クボタマサヒコ(Ba&Vo&Cho)、マシータ(Dr&Cho)、ヒダカトオル(Gu&Vo)、カトウタロウ(Gu&Vo&Cho)

写真左上から時計回りに、ケイタイモ(Key&Cho)、クボタマサヒコ(Ba&Vo&Cho)、マシータ(Dr&Cho)、ヒダカトオル(Gu&Vo)、カトウタロウ(Gu&Vo&Cho)

【BEAT CRUSADERS】行っちゃう? 行
っちゃう?
行ってもいいよね?

6月6日午後6時に衝撃の“散開”宣言を行なったビークルから届いた最新アイテムは、なんとDVDシングル! 初期ビートルズ風の泣ける名曲「Situation」と、失笑のオモロ映像とのミスマッチをじっくりとお楽しみあれ!
取材:宮本英夫

今回のDVDシングルには“散開の真相はこれを観れば分かる!?”的な宣伝文句が付いてますけども。

ヒダカ
はっきり言いますけど、嘘です(笑)。しんみりするのはうちらには似合わないから、オモロ~なミュージックビデオを作ってみました。曲は1年前ぐらいに録ってあったんですけど、思いきりセンチな曲なので、解散タイミングにピッタリだし、思いきり奥様を泣かしてやろうという狙いであえてシングル化しました。その頃ビートルズのコピーバンドツアーをやってて、ビートルズっぽいオリジナルを作ろうみたいな発想でしたね。
クボタ
今回タイアップがなかったので、解散をタイアップにしてみました。1回しか使えないですけど(笑)。
ヒダカ
おかげで着うたのチャートアクションが異常にいいんですよ。ウィークリーで初めて1位になったりして。

これは1曲入りなんですか?

ヒダカ
そうです。あとはオーディオコメンタリーとマルチアングルで、メンバーひとりずつのしゃべりが入ってます。容量の穴埋めで。でも、タロウのは本当に聴かないでいいと思います。
カトウ
今のうちにごめんなさいと言っておきます(笑)。

それにしても明るい解散ですね。

ヒダカ
しんみりしてもね、所詮はお面の40バンドなんで。もともと誰もやってないことをやりたいということがありつつ、シーンを引っ掻き回して“全体が盛り上がればいいな”というところからスタートしてるんで。ビックリさせる感は最後までブレてないんじゃないかと思います。

公式散開宣言の中では“この5人でやれることはほぼやりきった”と言ってましたが。

ヒダカ
細かく言えば、できることはまだあるんですよ。でも、BEAT CRUSADERSがやってきた、英語でパンクっぽいロックで80’sっぽくてというところに関しては、後続のバンドがそこを昇華してさらに先へ行ってると思うので、俺たちが無理に頑張らなくてもいいかというのはあります。the telephonesとかTHE BAWDIESとかサカナクションとか、普通にカッコ良いじゃないですか。最初から洋楽みたいだし。
ケイタイモ
“もう古い!”って言われる前に解散しようかなと。そういえば今日、離婚した後輩から電話がかかってきて“ぶっちゃけて言うと、根本的な考えかたが違ったんですよね”って。俺ら5人も根本的な考えかたが違ってて、ライヴのやりかたとかジャケットのデザインとか、5人のセンスの落としどころで決めてきたんだけど、この解散に関してはずーっと前から選択肢としてあったから。このタイミングで、解散という選択肢がバシッと一致した。
カトウ
行っちゃう? 行っちゃう? 行ってもいいよね?って。
マシータ
それはサッカーの松木さんの実況(笑)。
クボタ
普通のバンドは、結成のエネルギーがあってこその解散だけど、うちは“集合~”ってちょっと集まった感じだから、それに対する“じゃあ、散開!”っていう感じ。離婚式です。最近流行ってるらしいですけど(笑)。

最後はフェスにばんばん出て終わりですか。

ヒダカ
呼んでいただけたものは全部断らずにやろうじゃないかと。ラストツアーは俺らのガラじゃないんで、9月4日の『OTODAMA’10』で終わりです。解散ビジネスに興味ないんですよ。詐欺師ですけど愉快犯なだけで、お金が欲しいんじゃなくて、笑いが欲しいだけなんで。だから、お世話になった各地の方々にはフェスで恩返しをするのがうちらしいんじゃないかということで、フェスで終わりにしました。

では、ファンの皆さんへメッセージをぜひ。

マシータ
これが終わりじゃなくて新たなスタートなので、5人が散らばってやっていくところもぜひ注目してもらえたらと思います。そして、これから個人的にやりたいことはもちろんありますけど、まずは9月4日を終えてから、ですね!
カトウ
僕は、“大丈夫かな、こいつは?”っていうことを全力でやりに行こうかなと思います。“こんな奴でもステージ立てちゃったんだ”っていう展開になれば面白いなと。
ケイタイモ
6月6日に散開を発表した後に、俺らがびっくりするぐらいの念のこもった書き込みとかが多かったんですけど、タロウのツイッターはそのタイミングでシモネタが書いてあるし、その温度差にびっくりしてるんですけども。散開を憂えてくれてる人は、BEAT CRUSADERSのようなバンドを作ってくれればいいなと思います。
クボタ
僕らはテレビ番組みたいなもので、もともとは深夜枠ではちゃめちゃやってるポンコツ芸人だったのが、意外と人気が出て、それがゴールデンに移って、打ち切りになったという感じで。その番組はいろんな人が引き継いでやっていくので、面白いものをみなさん自分で探してもらえればいいんじゃないかと。僕自身はもっと自由に動ける感じで行くので、引き続き遊びましょう。
ヒダカ
インディーズ時代から数えて十何年、騙され続けてくれてありがとうございます。ちょうど今、タイミング的にCDから配信に行く流れがあって、リスナーがハードを決めかねてる時期だと思うんですよ。ハード面の過渡期なので、俺たちはソフトを作る人たちだから、そこをちょっと待ちたいなという意味での散開でもあるんですよね。新しいハードの出現を待って、また面白い挑戦をしたいと思ってるので、良かったら、奥様もまた聴いてくださいね。
BEAT CRUSADERS プロフィール

結成当初は、hidaka(vo&g)と岩原幸夫の2人組のユニットだった“ビークル”ことBEAT CRUSADERS。岩原が脱退後、hidaka(vo&g)、thai(key&vo)、umu(b&vo)、araki(dr&vo)の4人で活動をスタート。メンバー全員、公の場では張りぼてチックなお面をあてがって登場し、決して素顔を見せない(ライヴは例外)。下ネタコール(ここでは書けない言葉だが…)は、彼らのライヴではお決まり。

そんな彼らは99年、<LASTRUM>より1stシングル「NEVER POP ENOUGH e.p.」でシーンに現れ、パンク/メロコア/スカコアを全てぶち込んで作り上げたパワー・ポップを展開。ラウドなギターが鳴り響くなか、センチメンタルなメロディが押し寄せる楽曲は、ウィーザーのようなバンド像を彷彿させ、耳の肥えた洋楽リスナーにも高い支持を得た。また同年のコンピ盤『特撮狂』で「秘密戦隊ゴレンジャー」をカヴァーするなど茶目っ気もたっぷりだ。以降、スタジオ・ワークと共に精力的なライヴ活動を展開し、01年にアメリカ西海岸ツアー、02年にはオーストラリア・ツアーも行なっている。4枚のアルバムを発表し、ミュージシャン/リスナーからアツい支持を獲得していたビークルだが、03年8月をもってhidaka以外のメンバーが脱退することに。

だが心機一転、同年末にレーベルを<CAPTAIN HOUSE>に移し、ヒダカトオル(vo&g)、クボタマサヒコ(ba)、カトウタロウ(g)、マシータ(dr)、ケイタイモ(key)の5人編成となって活動を再スタート。04年6月にはメジャー・レーベル<DefSTAR RECORDS>へ移籍し、大人気バンド漫画をアニメ化した『BECK』の音楽監修を担当するなど、仮面の下に隠した才能が大爆発した。が、シングル8枚、オリジナル・アルバム3枚、ミニ・アルバム4枚をリリースした後、10年6月6日午前6時6分6秒、オフィシャル・サイト上で9月4日を以って解散ならぬ「散開」することを発表。現状5人で演れることは、ほぼ演り切ったからとのこと。今後はそれぞれ音楽に勤しんでいくようなので、個々の活動に期待したい。BEAT CRUSADERS Official Website
オフィシャルHP
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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