【大知正紘】『ストファイ』から現れ
た
19歳のソロアーティスト
『ストファイHジェネ祭り‘08』で、数々のバンドを押しのけソロアーティストとして異例の審査員特別賞を獲得した大知正紘が、初のパッケージシングルをリリース。心に染みるメロディーと信じられる言葉を持った大型新人が登場!
取材:大庭利恵
同じCDが2枚入る“Relation Disc”という面白いスタイルのパッケージシングルなんですね。
2枚あったら、もう1枚は誰かにあげようと思いますよね。そのとき、自分にとって、このCDをあげたいのは誰だろうって考えるというアクションが生まれるのっていいなと思って。
「手」は、いつごろ作られたものなのですか?
17歳の秋ですね。ちょうど『Hジェネ祭り』(ストファイHジェネ祭り’08)に出て、今の活動につながる人たちとの出会いがあったんです。いろんな人に支えてもらったし、たくさんの人が応援してくれたからこそ特別賞をもらえたわけだし。そういうことを考えてたら、おかんや友達、身近な人にも支えられてるんだなって気付けたから、そういう気持ちを書きたいなと思って。
そういう時って、“ありがとう”とか、感情の部分を描きそうなものだけど、なぜ“手”にしたのですか?
人と人がつながるためのいちばん大きなイメージが“手”だったんですよね。
「星詩」は男性目線のせつないラブソングですけれど、これをカップリングにしたのは?
この曲で『Hジェネ祭り』に出場して、この曲からすべてが始まったので、カップリングに選びました。
なるほど。大知くんにとって大事な2曲なのですね。
そうですね。この曲は、高2のときの曲で、すごくリアルな思い出がつまってる歌詞なんですけど、ストリートをやってるころからメロディーが自分の体にしっくりきてるので、ずっと歌い続けていきたいと思ってる曲なんです。
小林武史さんのプロデュースですけれど、ほとんどアレンジも変わっていないとか。
イントロにピアノをつけてくれたんですけど、僕が作った言葉をしっかりと聴いてもらうには、そのままがいいって言ってくださって。すごくうれしかったですね。
ストリートというミニマムな関係からスタートして、『ap bank fes』など夏フェスの大きい会場での演奏を経験することで、歌うことに対する変化ってありましたか?
フェスでの経験は得るものが多すぎて、言葉で表そうとすると逆に安っぽくなってしまうぐらい、すごく大事な時間でした。その中で感じたのは、僕にとって歌は想いを伝える自分の一方的なツールだったのが、聴いてくれる人がどんなふうに受け止めてくれるのかってことを、今まで以上により考えなければいけないってことでした。
19歳ですよね? しっかりし過ぎじゃないかな(笑)。
いやいや、まだまだ感情的で子供ですよ。もっともっと相手のことを考えられるようになりたいですもん。
その受け答えが、しっかりし過ぎ! 嫌いな食べ物教えてください!(笑)
えっ、あっ、なんだろ。しいたけがそのまま出てきたらガマンしないと食べられないです。
よかった、弱点があって(笑)。本当に素敵な曲だし、いろんな人の手から手へ伝わっていくといいですね。
そうですね。今って情報があふれてるから、自分も含めて、それで知った気になる人が多いと思うんです。だからこそ、この曲を聴いて人とのつながりっていうのを感じたり、意識してもらえたら、うれしいなと思います。
オオチマサヒロ:平成3年生まれ、三重県出身。未完成な世界に散らばった、言葉の力を信じる20歳。小林武史がプロデュースを務め、2010年3月にデビュー曲「さくら」を発表した。オフィシャルHP
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