L→R 河井純一a.k.a NAUGHTY BO-Z(Produce&Composer)、片桐舞子(Vo)

L→R 河井純一a.k.a NAUGHTY BO-Z(Produce&Composer)、片桐舞子(Vo)

【MAY'S】お互いに“ここまでのもの
が作れたね!”って思えた

先月のインタビューで“最強のアルバム”と予告していたニューアルバム『Cruising』は、その言葉通りの強力盤だった。本人たちもかなりの手応えを感じているという、そんな自信作について語ってもらおう!
取材:石田博嗣

先月号で予告していただいた通り、ニューアルバムは強力盤でした! でも、「君に届け...」や「遠くへ ~Spread Your Wings~」などの既発の曲が入ることを考えれば、アルバム用の曲もハードルが上がるのは必然だったのかなと。

舞子
まさにその通りですね。あと、「君に届け...」「WONDERLAND」のシングルを作っていた流れのまま制作に入っていったので、アルバム用に作った曲も自ずと一曲入魂しすぎたぐらいの感じがあります(笑)。今まで以上に“この曲をいい曲にしよう!”という想いが強かったですね。
河井
アルバムでしかないできないこと…ちょっと肩の力を抜いた曲を入れたりしてバランスを取ったりすると思うんですけど、100メートル走を16本やったみたいな感じでした(笑)。全て全力疾走だったというか。
舞子
曲はほんとに豪速球的な感じになってしまいましたね。一曲できるごとに、次の曲もそのクオリティーに追い付かなきゃって作っていたから、息を抜きそびれた感じがあります(笑)。

確かに(笑)。「せつなさをとめて」や「True Love Story」は普通にシングル曲として出せますよ。

舞子
悩んだんですけどね(笑)。“シングル用に置いておいたほうがいいんじゃないかな?”って邪(よこしま)な思いもあったり…
河井
去年や一昨年だったら、置いておいたかもしれないですね。バランスをとるという意味で。でも、今回はそれぐらいのパワーがある曲を入れないと…ってか、むしろ全曲そういうものにしようっていう感じでした。
舞子
そこが今のMAY’Sらしさなのかなって。誰かに評価してもらう良い悪いとかよりも、いちクリエイターとして自分たちが心の中で“よし! 前よりも成長できている!”って思えるかどうかが実はすごく大事なんですけど、お互いに“ここまでのものが作れたね!”って思えましたからね。自分たち自身が成長できたアルバムだと思います。
河井
音楽を始めた頃の気持ちに戻った…アマチュアの頃って経験がないから計算ができないんですよ。力を抜くことも知らないから、全部全力でやってしまう。そういうものが今回のアルバムに詰まっているかもしれないですね。

クリエイターとしてのMAY’Sのテンションも感じますよ。そういう意味でも、フィーチャリングものがアルバムの中でいいフックになってますね。

舞子
アルバムで毎回やっているフィーチャリングものなんだけど、中心にあってもいいぐらいのものになったと思いますね。サブにいるからこそのカッコ良さってあるじゃないですか。そういうカッコ良さが今までのアルバムにはあったと思うんですけど、今回はメインに来てもおかしくないかもっていう感じが…
河井
うん。アルバムのリード曲候補になっていたぐらいでしたからね。
舞子
遊びの部分もすごく大事にしていたんですけど、仕上げていく中で“あれ? このままいくともしかしたら!”みたいな可能性を秘めた曲にどんどんなっていって。自分たちよがりの面白さだけで終わっていないっていうのは、いろんな運命的なものを感じますね。「Give Me Your Love feat. MIHIRO ~マイロ~, DJ WATARAI」みたいな曲調のものをWATARAIさんにやってもらうというのは、私たちにとっても未知の領域だったんですよ。WATARAIさんがこういう曲をやっているところを見たことがなかったので、だからこそ面白いかなと思ってお願いしたというか。MIHIROさんも普通だとそっちには行かないっていうほうに来てもらって(笑)。大先輩のふたりがいてくれたからこそ、私たちもこういう曲にトライしようという気持ちにもなれたし、この3組じゃないとできないものが作れましたね。

「The HOOD feat. U-ZIPPLAIN, GS, MIYABI, USU」は?

舞子
河井さんが前々からマイクリレーの曲をやりたいと言っていたので…この4人のラッパーは、ライヴで全国を回った中で知り合ったメンバーなんですよ。東京まで名前が響いてきているわけじゃないけど、地元ではめちゃくちゃリスペクトされていて、地元のイベントとかを盛り上げている人たちなんですね。各々と“いつか一緒に何かできるといいね”って言ってたんで、それを一気に叶えるために4人を招集しました(笑)。自分たちの街と音楽を愛している男たちだからこそ語れるリリックを書いてほしいっていう話をしたんで、それぞれの地元愛と音楽に対する愛が詰まった曲になりましたね。私だけだと出せないヴァイブスの熱さが出せて良かったと思います。
河井
レコーディングの当日に全員に集まってもらったんですけど、その日の時点だと完成度的には50パーセントぐらいだったんですよ。残りの50パーセントはその場でみんなと話し合って構成を考えたりして、セッションみたいな感じで曲を作っていけたのが良かったですね。

「Close Your Eyes feat. JAY’ED」はJAY’EDさんと歌い上げた感じですか?

舞子
R&Bシンガー同士という一番ベーシックなデュエットっていうのが、JAY’EDくんとだからこそできたのかなって。ある程度のテクニカルな部分がないとできないんですよ。テンポ感もゆっくりだし、言葉数も少ないから、普通に歌うと変な間ができてしまうし。でも、そこはお互いが持っているものを出し合いながらうまく…歌詞にはない部分の表現力がすごく必要だったんで、JAY’EDくんの魅力をたくさん感じられた曲になりました。こういうタイプのデュエット曲を聴いたことのない人たちにも、MAY’SとJAY’EDくんとでやることによって聴いてもらえたらいいなって思いますね。
河井
言っちゃえば古臭い曲なんですけど、それを20代のアーティストがやるっていうのが僕にとっては乙というか(笑)。“こういうのもできるんだぞ”的なところはありますね。

ボーナストラックの「SUPER SONG」ですが、これはライヴバージョン?

舞子
ではないんですけど、お客さんの歓声が入ってるじゃないですか。あれは学祭中心に回っていた時に、この曲はライヴ会場限定でリリースしたシングルだったので、せっかくだからみんなに歌ってもらった声を録って帰ろうって。
河井
すごかったよね。総勢5000人ぐらいのバックコーラスですからね(笑)。

だから、“All Japan 学祭’s Mix”というリミックスなのですね。そんなボーナストラックも含めて、いろんな思いが詰まったアルバムになりましたね。

河井
三枚目らしいアルバムになりましたね。一枚目でも二枚目でもできなかったというか、三枚目だからこそできたことがいっぱいありますね。作っている時に何も計算していなかった分、自分たちでも出来上がった時の喜び…っていうか、驚きがすごくて。設計図なしで作った感じだったから、出来上がった時に“ヤバくない? このアルバム”ってふたりで言い合っているのが、結成9年目なのにこんなことが言えてていいなって思いましたね(笑)。
『Cruising』2011年02月16日発売Venus-B/KING RECORDS
    • 初回盤(DVD付)
    • KICS-91646 3500円
    • 通常盤
    • KICS-1646 2900円
MAY'S プロフィール

メイズ:ヴォーカルの片桐舞子とトラックメイカーの河井純一によるユニット。2005年、インディーズでミニアルバム『Drawing』をリリース。キャッチーな楽曲が支持を受け、08年にメジャーデビュー。数々のアーティストとのコラボをはじめ、それぞれのソロ活動など幅広く活動を行なっている。MAY'S オフィシャルHP
MAY'S オフィシャルFacebook
MAY'S オフィシャルTwitter
MAY'S オフィシャブログ

OKMusic編集部

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