【Chiyo+】いろんなテイストが自分の
中にはある
配信シングル「Goodbye with Smile feat.newness」や「最後のキス」が話題のChiyo+が1stアルバムをドロップ! シンガーソングライターとしての彼女の信念に触れた。
取材:石田博嗣
シンガーソングライターを志す動機は何だったのですか?
私の親が若い頃にバンドをやってたりして、常に音楽がかかっているような環境で育ったんで、小学校4年生ぐらいの時から漠然と“歌手になりたい”と思っていましたね。で、3歳の時からピアノを習っていたんですけど、毎年大きな発表会があって、小学生になるとオリジナルの曲を提出しないといけなかったんですよ。だから、曲を作るようになったきっかけは、その発表会で…歌なしは小学校2年生の時で、弾き語りの曲を作ったのが4年生でした。それが楽しかったんです。お母さんたちもうれしそうだったし、発表会がなくても曲を作るようになりましたね。高校1年生ぐらいからクラブのイベントに出るようになって…カバーも何曲かやってましたけど、基本はオリジナルでやってましたね。その後はバンドへの憧れが強くなったんで、高校3年生ぐらいからは生音でライヴハウスで歌ってました。
19歳で単身、ニューヨークに渡られたそうですが。
ニューヨークのハーレムに行ったんですけど、飛び入り参加で歌わせてくれるライヴハウスが結構あって、ソウル系のVillage Undergroundや、ジャズで有名なMinton’s Playhouseとかでセッションしてきました。度胸と自信がつきましたね(笑)。それを経験して喝が入ったというか、本気で音楽をやりたいと思って、もっと成長したいと思うようになったし、前以上にライヴも気合いを入れるようになりましたね。
1stアルバム『I am You』には、オリジナル曲以外も収録されていますよね。そういう曲を歌うのはどうでしたか?
“シンガーソングライター”って呼ばれる人たちに憧れを持っていたので、オリジナルにこだわっていた…だから、最初は抵抗がありました。でも、人の歌をカラオケで歌うのは大好きなんで、思っていたよりもすんなりと取り組めたし、実際にやってみるとオリジナルとは違う楽しみ方があったというか…私の曲って失恋ソングが多いんで、歌う時に感情移入しすぎちゃうんです。当時の彼氏を思い出したりして(笑)。でも、人の曲となると客観的に見れるっていうのもあって、“こういうふうに歌いたい”って歌だけに集中できるんですよ。“シンガーもいいじゃん!”って(笑)。歌の幅が広がりましたね。
そんな本作は今までの集大成的なものになるのですか?
まだ“集大成”とは言いたくないですね。“こんな一面があります”っていうものに捉えてもらえればうれしいです。今回はパソコンで作った音源なんですけど、ライヴでやっているような生音でのアレンジのアルバムを出すことを目標としているので、そのゴールに向けてのスタートという感じです。
念願が叶ってメジャーデビューされたわけですが、どんなシンガーソングライターになりたいと思っていますか?
おー、取材っぽい!(笑) 私はJ-POPを聴いて育ってきたし、三宿Webという老舗クラブで働いているっていうのもあってクラブミュージックも大好きだし、夏フェスが大好きなんでロックなバンドも好きで、妹から教えてもらった着うた系の人たちにも影響を受けていたりもするから、いろんなテイストが自分の中にはあると思うんです。それらを自分の中で消化した上で曲にしているので、あまり偏らずに柔軟性を持って、しかも嘘は付かずにいろんな曲が作れればいいなって思っています。“どんな音楽をやってるの?”って訊かれてもひと言で説明できなくて悩んだ時期もあったんですけど、最近はむしろそれが自分の強みだと信じています。
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