【Sunya】大好きな人への想いが、
曲を通じて届いてほしい

心に感じたリアルな思いを歌にするシンガーソングライター・Sunyaが、初めてのミニアルバム『LOVE GIFT ~キミに会いに行くよ~』を完成させた。さまざまな愛をテーマにした楽曲の詰まった新作について話を訊いていこう。
取材:土屋恵介

初めてのミニアルバム『LOVE GIFT ~キミに会いに行くよ~』は、タイトル通り愛をテーマにした作品ですね。

リスナーの方からの“Sunyaのラブソングをもっと聴きたい”って声が多かったし、僕もいろんなかたちのラブソングを聴いてほしいという思いがあったんです。それで、人気のあったカップリング曲『イイダセナクテ』と『恋花火』、そして『遠恋歌』を入れて、愛に満ちあふれたコンセプトのミニアルバムを作ったんです。

1曲目の「告白」は、まさに告白をテーマにしたすごくポップで力強さを感じるナンバーですね。

好きな人にどんどん告白してほしいって思いの詰まった曲なんです。僕自身なかなか告白できないタイプなので、歌にして、告白したくてもできない男の子や女の子の背中を押すラブソングになればいいなと作りました。歌詞はひとりの男の子が好きな子を想うことで成長していく過程にもなってるんですよ。聴いた人がどんどん勇気が出て、告白しようと思ってくれたら嬉しいですね。

本当、恋愛で人が成長していくドラマが見えますね。

ですよね。告白って人生のひとつのイベントだと思うんです。“告白したぞ!”って自信に変わることもあるし。草食系という言葉が増える中で、自分もちゃんと言える人間になろうって気持ちも入ってますね。

遠距離恋愛を歌ったシングル曲「遠恋歌」の続編、「遠恋歌2 ~キミに会いに行くよ~」が収録されてますが、続編を作りたい気持ちはあったのですか?

最初はまったく考えてなかったんです。ただ“この後どうなるんですか?”って言ってくれる方も多くて、続編を作ってみようと思いました。あと、同時期に高校時代の同級生が遠距離恋愛をするってことになって、僕も応援したいっていうきっかけもあったんです。歌詞は男の子が半年記念日に彼女に会いに行く設定なんですけど、実際に離ればなれで寂しい人が、この曲を聴いて少しでも安心して遠恋してもらえればなって。

実際、遠恋してた時のことが書かれてたりします?

僕、記念日好きで、遠恋していた時はよく記念日を作って会いに行ってました(笑)。夜行バスで、明日1日しか会えない中で何しようって考えると寝られなくなったりするんですよ。その時のリアルな気持ちも書いてますね。

初めての続編曲を書いてみてはどうでした?

続編ではあるけど、切り離しても聴けるものにはなったと思います。『遠恋歌』は会いたくても会えない不安や束縛感、切ない気持ちを書いたんですけど、『遠恋歌2 ~キミに会いに行くよ~』はカップルはもちろんだけど、震災で大好きな人と離ればなれになった人にも届けたいって気持ちも入ってるんです。もし自分がそうなったら寂しいだろうし、曲のサブタイトル通り、曲を聴いてその人に“気持ちの中では会いに行ってるよ”って思ってもらえたらなって。

今回のミニアルバムのサブタイトルにも“~キミに会いに行くよ~”という言葉が入ってますね。

それは僕が今届けられるもの、“LOVE GIFT”というのはやっぱり音楽なんですよね。“~キミに会いに行くよ~”って言葉を入れたのも、僕が曲を届けたいってだけじゃなく、聴いてくれる人の大好きな人への想いが、曲を通じて届けられるんじゃないかなってことから、こだわりを持って付けたんです。

なるほど。他にも、好きになってはいけない人を好きになってしまった、切ない思いが詰まった約7分の大作「スキなのに」、元AKB48の星野みちるさんに楽曲提供した「アイラブユーの五文字」のセルフカバーと、Sunyaさんのラブソングのさまざまな側面が見れるミニアルバムになりましたね。完成した今、どんな思いですか?

初めてのミニアルバムで、ラブをコンセプトにして書いたけど、僕も特別な人間じゃないし、みんなと同じく恋愛もするし、片思いもするし、失恋もする。恵まれた恋愛をしてきたわけじゃないんですよ(笑)。ただ、僕は歌で気持ちを伝えられる環境にいる。まだ23年の人生ですけど、その中で感じたボキャブラリーを使って、みなさんの生活の一部にある恋愛を彩れたらなと思うんです。もっと恋愛が楽しくなるような曲、泣きたい時に泣いてもいいんだよっていう失恋ソング、思いきって告白しようよって背中を押すラブソングとか、それがストレートに書けたんじゃないかな。この、いろんな愛のかたちを伝えていくのはこれから。やっと準備が整ったので、どんどんライヴをして、直接みんなに届けていきたいです。

話を聞いてると、前よりもSunyaさんが逞しくなったような印象を受けますね。

いやいや、そうですか(笑)

自分の思いを届けるだけじゃなく、誰かの気持ちを代弁する、気持ちを伝えるっていう使命感が強くなったのではないですか?

前作の『少年トラウマ』を出した後、今、学校で悩んでる子とか、いろんな人からメッセージをもらったのは大きかったですね。もっともっと自分が強くならないと、人に伝わらないなというのはありました。あと、他のアーティストの方に楽曲提供したこともすごく勉強になりました。正直、ここは自分が一番伝えたい歌詞なのになんでダメと言われたんだろうとか、自分との葛藤もあったんです。そういうことを吸収してどんどん自信が付いて、大人になっていくんだなって。まだまだだけど、少しずつ強くなれたら、もっとみんなを代弁してあげられる力が増すのかなって。この半年で音楽への向き合い方も変わったし、音楽を作るのがすごく楽しいですね。今、すごく前向きなんです。
Sunya プロフィール

1988年1月18日生まれ、大阪出身。自ら作詞・作曲を手掛け、飾らない言葉でメッセージを伝える新世代シンガー・ソングライターSunya。ゴスペルで鍛え上げられた歌声、本場UKで鍛え上げられたライヴ力、独学で身につけたソング・ライティング。しかしそのヒストリーは決して順風満帆ではない。

9歳までの多感な時期を奄美で過ごし、その後大阪へ引っ越した後、地元のゴスペルクワイアの一員として活動を開始。独学でピアノを弾き始め、ソング・ライティングを身につける。弱冠15歳で活動地をクラブやライヴ会場に変え、関西を拠点に活動をスタートすると同時にトラック・メイキングも手掛けるようになる。そして、数々のメジャー・アーティストのフロント。アクトを務め、途端にSunyaの名前が関西を中心に広がっていく。

そしてたまたまライヴを観たジェフリー・ダニエルに突然話しかけられ、この出会いがアーティスト活動を活性化させる。ジェフリーがSunyaの才能に惚れ込み、ボイトレやライヴなどを共にする。17歳の時、<J-pan soul production.>と契約を交わし、活動の拠点をUKへ移す。ロンドンでボイトレやレコーディングを重ねライヴにも出演。特にイギリス、フランスで開かれたシャラマー復活コンサートでは、唯一の日本人バック・コーラスとして大抜擢された。その後、フル・アルバムを完成させたにも関わらず、レーベルの事情でお蔵入りに。

帰国後、地元・大阪で再びライヴを中心に活動をスタートさせる。ライヴハウスだけでなく、時には難波の商店街など路上でも。そして18歳にしてインディーズ・レーベルと契約を結び、ミニ・アルバムをリリースするも活動が広がらず、20歳で契約を解除。その悔しさをバネにライヴ活動を重ね、08年10月には、大阪Knaveにてワンマン・ライヴを開催し大成功を収めた。そして逆境を跳ね除け、09年6月に<SonyMusic/Ki/oon Records>よりシングル「雨上がり」でメジャー・デビュー。オフィシャルHP
オフィシャルHP
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着