L→R 中村由利(Vo&Songwriting)、古井弘人(Key&Arrange)、岡本仁志(Gu)、AZUKI七(Key&Lyrics)

L→R 中村由利(Vo&Songwriting)、古井弘人(Key&Arrange)、岡本仁志(Gu)、AZUKI七(Key&Lyrics)

【GARNET CROW】メンバーみんながま
だハッピー・オーラを纏っている

昨年のデビュー10周年のアニバーサリー・ハッピーイヤーのテンションをそのまま引き継いだニューシングル「Smiley Nation」。開放感に満ちあふれたポップなサウンドはGARNET CROWの新機軸と言えるだろう。そんな新作について中村由利(Vo&Songwriting)が語ってくれた。
取材:石田博嗣

まずは半年前のことを思い出していただきたいのですが、アルバム『parallel universe』を携えてのツアーはどうでしたか?

去年はベストアルバムが出たんで、『parallel universe』のツアーの前にデビュー10周年記念を掲げたベストツアーをしたんですね。だから、それとは違うものにしたいっていう気持ちがあったし、暮れだったんで10周年イヤーの締め括りでもあり、ニューアルバムを引っ提げてのツアーでもありっていうところで、いろいろ盛りだくさんなことをしようと思ったんです。今までしなかった演出だったり、笑顔になれるような世界観を出そうかなって。ベストツアーの時は集大成的なものだったし、2009年はライヴハウスツアーだったんで、演出を削ぎ落とした楽曲重視のライヴだったんで、世界観を作り込んだステージをやってみたんですよ。そういう意味では、非常にコンセプチャルな感じでしたね。冬を意識した幻想的でメルヘンチックなステージ…最初から最後までファンタジックな世界を作りつつ、そこに『parallel universe』の世界観も組み込んだっていう。だから、自分たちもやってて楽しかったです。場面転換もいろいろあったし、衣装を替えたり、座って歌ってみたりもして…劇をやってるみたいでした(笑)。

そのツアー『GARNET CROW livescope 2010+~welcome to the parallel universe!~』と、09年のライヴハウスツアー『GARNET CROW livescope 2009 ~夜明けのSoul~』のライヴDVDが出るわけですが、中身は全然違うぞと。

びっくりするぐらい違いますよ(笑)。ライヴハウスツアーは非常にソリッドで、楽曲重視の凝縮されたステージ…“どうだ! 聴け!”って感じだから、あんまり笑ってなかったりするんですよ。でも、暮れのツアーはみんなニコニコしていて表情がやわらかい。同じ人のかな?って思うぐらい(笑)。演出からみんなのプレイしている表情まで全然違いますね。

そんな2010年のデビュー10周年の動向であり、アルバム『parallel universe』を経て、いよいよ新曲「Smiley Nation」がリリースされるわけですが。

この曲は去年の流れを汲んでいて…ポジティブで明るくて、パワーを与えられる曲っていうものを開拓したいってことで前シングル『Over Drive』が生まれて、そんな新しいガーネットの側面をアルバム『parallel universe』で見せて、それをもっともっと掘り下げたいってところで『Smiley Nation』ができたっていう。だから、まだ去年からの流れが続いているというか、10周年のアニーバーサリーは取れたけど、ハッピーイヤーが続いているっていう感じがありますね。去年いろんなところで“10周年おめでとう!”って言っていただいたり、ライヴでファンのみなさんに会える機会がたくさんあったから、そこでもらったパワーを還元している最中っていうか。今度は私たちがみなさんに元気を与えたい、前向きになれる笑顔を与えたいっていう気持ちになってるんですよね。

となると、何曲か候補があった中から、必然的にこの曲が選ばれたのですか?

ストックは何曲かあったんですけど、その中でも『Smiley Nation』が今の自分たちの気持ちのモードに一番合っていたし、それプラス…やはり今の日本がこういう状況下にあるってところで、ひとりでも多くの人に笑顔になってもらいたいっていう想いも多少なりともありましたね。

確かに、笑顔になれるようなサウンドでした。ピアノのグリッサンドで始まる爽快なポップチューンだし。

ノリノリですよね(笑)。古井さん(弘人/Key&Arrange)が言ってたのは、イントロの時点から何かいいことがありそうなワクワク感を大事にしたいって。デモからそういうものを感じたんで、そこを広げてアレンジしたとも言ってましたね。だから、最初に聴いた印象も“うわっ、明るいな~”って(笑)。曇りのない明るさっていうか、突き抜ける感じというか、どこかに飛んで行きそうなぐらいの幸福感やハッピーな気分があって、すごく弾けてるなって思いました。

ピアノも弾けているし、アコギも軽快で、オケだけを聴いても青い空が思い浮かびそうですね。

あー、そうかもしれない。オケも意外に分厚いんですよ。ギターもリードギターからアコギやワウも入っているし、鍵盤系も上モノもたくさん入っているし、いろいろ入っていますからね。これからの夏の暑さにも負けないぐらい、跳ね返りのいいサウンドになってます(笑)。で、それに負けないぐらいの歌が乗っかっているんで、ほんと聴いていただくと元気になれると思います。歌っていて楽しかったですからね。テンション高く歌えたし、一気に歌えた感じなんですよ。歌い出したら最後まで歌い切りたい曲っていうか、途中で止められたくない!っていう勢いのある曲だったので、自分も勢いを大事にして、潔い歌い方をしましたね。サビはかなりハイトーンなんですけど、ファルセットにしないで、思い切り地声で張って突き抜け感を出したり…そういうことを意識してました。

まさに“空を舞う”という感じがサウンドにも、ヴォーカルにも、歌詞に感じられましたよ。

うんうん。AZUKIさん(七/Key&Lyrics)が、歌詞も一気に書き上げたって言ってました。曲が持っている勢いをすごく大事にしてくれて、歌詞にも、アレンジにも勢いがあるし…だから、テンションが落ちるところがない。もちろん、Dメロで落とすとかの波はあるんですけど、ずっと跳躍しているような勢いがあるんですよね。そこをみんな大事にしてくれたんで、ここまでのパワーがあるのかなって。アレンジも、歌詞も、歌も、演奏も100パーセントの力でマックスを振り切ってやっているというか、メンバーみんながまだハッピー・オーラを纏ってますね(笑)。

逆にカップリングの「八月の夜」はGARNET CROW らしい憂いのある曲ですね。

従来のGARNET CROW サウンドですね。こういうミディアムバラードは自分たちも好きだし、昔からのファンの方にも気に入っていただけるんじゃないかと。『Smiley Nation』が昼間だとしたら、『八月の夜』は夜の曲っていう感じで、ひと息入れたい時にスッと心に入ってくる楽曲になってると思います。聴きどころもたくさんあるし、切ないポイントもいろいろ出てくるんで、GARNET初心者でも聴きやすいと思いますね。

では、GARNETの持ってる世界の対極にある2曲が収録されたシングルになったと。

そうですね。前にどんどん進んでいきたいし、従来の基盤も大事にしたい…一定方向じゃなく、放射線状に広がっていきたいんですよ。どっちかの方向のベクトルに向くんじゃなく、どっちにも行ける全方向対応型っていうか(笑)。だから、単純に明と暗でもいいし、昼と夜とでもいいし、GARNETの新しい部分ともとからある部分でもいいし…そんな対照的なものを収めた面白いシングルになったかなって思いますね。同じバンドがやっていると思えないかもしれないですけど(笑)。
『GARNET CROW livescope 2010+ ~welcome to the parallel universe!~』
    • 『GARNET CROW livescope 2010+ ~welcome to the parallel universe!~』
    • GZBA-8020~1
    • 5250円
    • 『GARNET CROW livescope 2009 ~夜明けのSoul~』
    • GZBA-8018~9
    • 5250円
    • 通常盤
    • GZCA-7165
    • 1050円
    • 「Smiley Nation」
    • 初回限定盤(DVD付)
    • GZCA-7164
    • 2011.06.29
    • 1260円
GARNET CROW プロフィール

全作曲を手掛けるヴォーカルの中村由利、全作詞とキーボードのAZUKI 七、アレンジとキーボードの古井弘人、ギターの岡本仁志の4人からなる男女混成ポップ・ロック・バンド。洋楽的なサウンド・プロダクツに絡む、深遠な歌詞、憂いと優しさを秘めたヴォーカル。そこはかとなく覆うダークな雰囲気が、他のJポップ・グループとは一線を画す、GARNET CROWならではの世界観を醸し出している。オフィシャルHP
オフィシャルサイト

OKMusic編集部

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