【G-YUN】我が強い。タイトルも全部
私やん!(笑)

元GOLLBETTYの紅一点だったG-YUNが、ソロアーティストとして1stアルバム『HiMYMEMINE』を完成させた。幅広いソングライターを迎え、楽曲をカラフルに彩った一方で、歌詞は弱さも本音も剥き出し。まさにG-YUNそのものな一枚になっている。
取材:高橋美穂

5月にリリースされたシングル「Message」の時には、ソロ活動の全体像は見えていたのですか?

なーんにも見えなかったです。先が見えないって思っている弱い自分もいるし。でも、歌詞ならバンドの気持ちを代弁するんじゃなく、自分の気持ちが書ける。音でもホーンもいないし、ピコピコしててもええやろって探る楽しさもあって、ドキドキしてました。自由過ぎることを怖がってる自分と、楽しんでいる自分が両立していましたね。

それは今もですか?

はい。代弁することがなくなったから、すっごい自分のことが気になって、いろいろ考えるようになりました。言ったらタイマンになるじゃないですか。私対お客さん。そこで共感を得ようとは思わなくて、聴いて、“そうやな、私もこういうとこあるな”って思ってもらえればそれで良くて。だから、我が強いアルバムになりましたね。タイトルも全部私やん!っていう(笑)。良い意味でわがままになれたし、素直になれたし。“狭く深く”じゃなく、“広く濃く”なりましたね。

これを作ったことによって、G-YUNさんの人間性そのものにも影響が出そうですね。

そうですね。今まで、引っ張んなきゃとか、強くいなきゃとか考えていたんですよ。でも、自分に向き合ってみると、人と接することに敏感なんです。幼少時代からなんですけどね。それを今までは隠すとか、それを強さに変えているんですよって言わないとやっていられなかった。でも、今は弱くてチキンでマイナス思考な部分は、やっぱり嫌だと思うけど、大事だなって。『Message』出した後に、やっぱ反応が気になって、Twitterとかで見ていたんですけど、GOLLBETTYの方が良かったとか、ソロは何か足りないとかいう意見があって、だけどこっちのほうがいいとか、G-YUNってバンド良いっていう意見もあって…バンドじゃないでって思ったけど(笑)。前の私なら悪い意見を聞くと、ヘコんだり、悔しかったりしたんですけど、GOLLBETTYが良いの当たり前やん!って今は吹っ切れていて。長年GOLLBETTYをやっていたわけだし、聴いてすぐに今を認めてなんて言いたくもないし。今は弱い自分と強い自分が同じレベルでいるんですよね。しんどいんですけど、歌を作ることに関してはラッキーやと思います。安定してないから。

そういう意味では、音楽があって良かったですね。

バンドを解散して、音楽を辞めようと思っていた時に、喜怒哀楽をどこに持って行っていいか分からなかったんですよ。最上級の悔しさや哀しさも音楽で味わっていたし、醜さを見たのも音楽だったし、でも夢みたい!っていう世界を見たのも音楽で、それをなくすって考えた時に、私の感情はどこに行くんだろうって。音を楽しむっていうことに関しても、私、あんま音楽知らないんですよ。ジャンルで分けてくださいって言われても、えーってなっちゃう。でも、誇れるものはあって、音を楽しむ突き詰め方も濃くなったかな。他の楽器のことを気にしなくてよくなったから。何が自分の歌に、この曲に対していいかを考えられるようになった。それで、MISSY(元GOLLBETTY/Gu)を引っ越しさせたんです(笑)

そうなんですか!?

いろんな人とやって刺激になったけど、私から生まれるものも残したい、だけど楽器ができない、頭の中で鳴っているのに!って思っていて。どうにかそれを表してくれる右腕がいると考えた時に、“その音!”みたいな感覚を今までくれていたのはMISSYだったんです。だから、頼みたかったけれど、すごく悩んで。お客さんも“じゃあ、バンド辞めんくてよかったやん”って言う人もいるだろうし。でも、そこで葛藤するために音楽をもう一回やるって決めたんじゃないな、音楽がないと生きていけないと思って始めたんだから、遠慮して音楽作っても意味ないなって思って、MISSYに電話して。MISSYはMISSYで葛藤あったと思うんですけど。でも、前よりも自分はこうしたいって言えるようになりましたね。

6月にツアーもありましたけど、どうでした?

変わらないものと変わったものがありましたね。MCも、前は私が考えていることとメンバーが考えていることが違うかもしれないって、心配だったりしたんです。でも、今は自分の考えだけでよくなって。バンド形態でやっている以上、意思疎通も大事だとは思いますけどね。バラバラのバンドだった人が集まっているわけで、その4人の前で後ろを見ずに立てるやろうか?って。だけど、変わらなかったものは、ライヴでは強い自分だけになれるんですよ、唯一。それがいかに不安定な自分にとって大切かも分かって。それで、ステージを降りた時の弱い自分も受け入れられるし。3本だけのツアーだったけど、本当に幸せでしたね。緊張して吐きそうでしたけど(苦笑)。そりゃあ世の中、純粋な人ばっかりじゃないと思いますよ。でも、お客さんを見て、こんな目をするんや!って感じることが多いし、人間の綺麗な部分を見れる場所はやっぱりここやなって思いますね。

また10月にはツアーもありますね。

本当はもっと本数をやりたいんですけどね、でも、やれる範囲でどんだけやれるかっていうところも大事なんで。プロとして、相当な覚悟でいかないとダサいんで。

期待していますよ!

自分でプレッシャーかけちゃった(笑)
G-YUN プロフィール

ジュン:2005年、GOLLBETTYのヴォーカルとしてデビュー。同バンドは10年、名古屋ダイアモンドホールにて活動の幕を閉じる。その解散から1年、ソロデビューとなるシングル「Message」をリリースし、ツアー『Get The Message』を行なった。オフィシャルHP

OKMusic編集部

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