【Keita The Newest】僕にとって、ア
ートは
ありのままを出せないと意味がないか
ら
取材:荒金良介
ヴォーカルに演奏、作詞作曲、エンジニアまでひとりでこなすマルチプレイヤー、Keita The Newestが前作から1年9カ月振りになる2ndアルバム『chaotic innocence』を完成させた。まず、彼の一風変わった生い立ちと華やかな経歴について話を訊いた。
父親の仕事の都合でメキシコで生まれて、4歳の時に日本に来ました。ギターは中2で始めて、当時はWHITE SNAKE、BON JOVI、OZZY OSBOURNEとかハードロックバンドを聴いてて。高校ではギターと同時にキーボードもやり始めて、家でインストを作ってました。高2でまたメキシコに行って、音楽が好きだからバークリー音楽院に行ってみようかって。当時はそんなに難しくなかったんですよ(笑)
バークリーでは興味のあった作編曲を専攻し、音楽理論の基礎を勉強。そして、再び日本に戻り、吉井和哉に見い出されると、YOSHII LOVINSONの1st、2ndアルバムの制作に携わる。また、菊地英昭がプロデュースするbrainchild’sではプログラミング、フィーチャリングアーティストとしてメインヴォーカルも担当。
吉井さんはすごく自由で、“プロだからこうしなきゃ”みたいな固定概念にとらわれてなくて。それを見て、僕も自由に音楽を作るようになりました。
確かに今作は、前作よりもさらに自由度が増している。ジャンルを越境した抽象画的な筆が強まり、一曲一曲が強烈な色彩を放っている。
前作は綺麗に作りすぎたから、今回は生々しさを出そうと思い、より好きにやってますね。ロック、クラシック、ジャズ、ワールドミュージック、映画のサントラ…本当何でも聴くので。それらが細かく散りばめられて、1曲の中に入ってるかもしれない。
ポップにストレンジにセンチメンタルに振り切れた曲調とともに、歌詞も内面をさらに掘り下げたものになっている。
前作は優しい人だったけど(笑)、もっと皮肉や自分の脆さを歌詞にしました。自分はこう考えてて、こういう寂しさも持ってるよと。自分の底を掘り下げた感情のほうが、実はみんなの底にある部分にも通じるんじゃないかと。僕にとって、アートはありのままを出せないと意味がないから。“僕はこういう人間なんですよ”というのを分かってほしいですね。
ケイタ・ザ・ニューエスト:メキシコ生まれ、神戸育ち。YOSHII LOVINSONのアルバム『at the black hole』『WHITE ROOM』に参加。菊地英昭(ex.THE YELLOW MONKEY)がプロデュースするbrainchild'sでは、プログラミング、ギター、アレンジ等を担当。裏方には収まり切らないそのアーティスト性とサウンドで、2010年に1stアルバム『Keita The Newest』を発表した。オフィシャルHP
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