L→R 樋口 豊(Ba)、星野英彦(Gu&Key)、櫻井敦司(Vo)、ヤガミ・トール(Dr)、今井 寿(Gu)

L→R 樋口 豊(Ba)、星野英彦(Gu&Key)、櫻井敦司(Vo)、ヤガミ・トール(Dr)、今井 寿(Gu)

【BUCK-TICK】ロックンロールっぽい
曲でもいろんなタイプのノリがある

メジャーデビュー25周年イヤーに届けられたBUCK-TICKの新作『夢見る宇宙』。いつにも増してキャッチーな楽曲をそろえ、ロックンロールな手触りを感じさせる今作について、5人がその出来映えを語ってくれた。
取材:村野弘正

キャッチーで、スパン!とした気持ち良
さみたいなところへ…

新作『夢見る宇宙』、聴かせていただきました。今回も個々の楽曲のタイプはさまざまですが、全体的に言うとBUCK-TICK流のロックンロールをすごくキャッチーに表現しているアルバムだなと思ったのですが。そのへんは狙いどころだったのですか?

今井
いや。狙いどころというか、とりたててそこをテーマとして目指してたっていう枠決めみたいなものはなかったんだけど。ただ、そういうものをやろうかっていう空気感みたいなものは…それはあったと思います。

それは、なぜ?

今井
なんて言うか…そのキャッチーさが持ってる、スパン!とした気持ち良さみたいなもの? 誰もが思う、そういうところにちょっと行きたかったのかなっていう気はします。

もしかすると、25周年イヤーに伴う高揚感みたいなものが、そういった気持ちを呼び込んだとか?

今井
う~ん、分からないけど。それもまぁ、無きにしも非ずですね(笑)。

メンバー個々の演奏も、いつにも増して伸び伸びしているような印象を受けたのですが。

星野
それはたぶん、楽曲がそうさせたっていうのもあると思う。わりとストレートな楽曲が多いから、自然とプレイもそうなっていったのかなっていう気はします。

ギターのカッティングも一段とキレてますよね。

星野
いわゆるロックンロールパターンの曲は特にね(笑)。音質も最近は粒立ちの細かいブライトな感じにすることが多いし、それでわりとストレートな、ゴワゴワしてない音にしてるから、余計にそう聴こえるんだと思います。
ヤガミ
それとやっぱ、今回は全体的にロック感が出てるから伸び伸びしてるように聴こえるんじゃないかな。ほら、いつもはどんどんサウンドをタイトに重ねていく感じだったじゃないですか。でも、今回はそういう感じじゃなかったんですよ。特に顕著なのが、弟(樋口)のベースで。いつもだと俺の影武者みたいな感じで合わせてくるから、なんか面白味がなかったんだけど(笑)。今回はユータ自身の持ってるロックなニュアンスというか、グルーブを遠慮なく出してきてるんです。で、それはたぶん、今回はベースを一番最初に録って、最後にドラムを録るっていうやり方でレコーディングをしたからだと思うんだけど。

普通はドラム、ベースの順に録って、ボトムが決まってからギターなどの上モノをレコーディングしますよね。

ヤガミ
うん。だけど、今回はそうじゃなかったんですよ。でもそのおかげで、俺もすごくやりやすかった。いつもはデモテープを聴いて、あとから乗ってくるギターの音とかをある程度予想してドラムの音を決めてたんだけど。今回は本チャンの音とかアレンジを聴いてから、ドラムのチューニングや音質を明確に吟味していくことができたんでね。自分としてもすごく気に入った音で、気持ち良くレコーディングできたんです。
樋口
僕も新鮮でした(笑)。
今井
みんなの気持ちが、いつもとはちょっと違った感じになってたし。ディレクターさんの勧めもあって初めてやってみたんだけど、結果的にドラムのレコーディングを最後に持ってきたのは成功だったんじゃないかなと思ってます。

ヴォーカルにも、一段と伸びやかな広がりのようなものを感じました。

櫻井
まぁ、曲によって違いもあると思うんですが…ヴォーカルの広がりっていうよりは、その歌のストーリーの中に自分がちゃんと入り込めていってるかどうか。それはすごく意識して歌ってたので、そのストーリー自体の広がりっていうものが、そういうふうに届いていくのかもしれませんね。

それにしても、聴きやすくてノリのいい楽曲が多いですね。以前お話をうかがった時に、“次のアルバムにはシングル向きの曲がいっぱい入ってる”って言われてましたけど。

樋口
ホント、いい曲ぞろいなんですよ。しかも、一曲一曲に個性があるから。ライヴとかでやったりすると、自分でもいっそう、その“いい曲の感じ”っていうのがビシビシ伝わってくるんですよね。
今井
例えば、ロックンロールっぽい曲でもいろんなタイプのノリがあるしね。
星野
もちろん、他にも包み込むような曲や激しい曲や、メロディアスな曲もあるし…だから、いろんな世界が見えてくるアルバムだと思いますよ。まぁ、でも、それはデモテープを聴いてる段階で、自分たちである程度予測できてたことでもあるんだけど。

なおかつ、単にキャッチーで伸び伸びとしてるだけじゃない。なんと言うか…深みをちゃんと携えた上での、新たな生気みたいなものも感じられるんですよね。

今井
あぁ、なるほど…(笑)。でも、そういう何か生命体じゃないけど、そういうものがこう、包み込むみたいな? そんなのが備わったアルバムなのかなとは思ってます。

歌詞に関しては、今回特にこだわったようなところはあったのですか?

櫻井
個人的には毎回毎回、自分の中でハードルが上がってるような気がするので…それに対して、“できたな”っていう満足感は感じてます。

具体的に、今回はどんな部分でハードルは上がっているなと思われたのですか?

櫻井
実は、歌詞の書き方もこれまでとは違ってて。歌詞を書く前にまず、周りの何にもとらわれない、完全に自分の好きな世界やイメージを言葉にして並べてみるっていうことをしたんです。それもディレクターさんのアイデアだったんだけど、おかげでそれらの言葉が歌詞になっていく段階でも、自分の中でのイメージがブレることなく…むしろ、どんどん広がる感じになっていったんです。それで結果的には、最初のインスピレーションが自分にとって最もいいかたちで歌詞になっていけたので。すごく納得のいくものができたなと思ってます。

例えば、どんな言葉があったのですか?

櫻井
収録曲のタイトルにもなってる“夢見る宇宙”とか、“RAPTOR”(※猛禽類の意味)とか。その言葉のイメージがあるひとつの方向に規定されるのではなく、自分の中でどんどん良い方向に広がっていったので。描かれる物語もどんどん鮮明になっていったし、自分の本当に好きな世界を気持ち良く歌詞にしていくことができたんです。

OKMusic編集部

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