【家入レオ】光と闇。その二面性が表
    れているからこそ、私

    危うさが滲みながらも、タフさとしなやかさを会得した精神が満ちあふれている1stアルバム。17歳の等身大の歌声が豊かな感性とともに響き渡る、濁りない楽曲たち。注目を浴びている詞だけでなく、メロディーメイカーとしての魅力も発揮された充実作だ!
    取材:竹内美保

    初アルバムは、どんな姿勢で制作に臨みましたか?

    アルバムを作ろうと思って作ったわけではないので、コンセプトは特になかったんですけど。13歳から17歳までの“日々の私、もがき”と“今”という瞬間に大切にして詰め込んだ一枚になりました。

    “心の成長記”という意味でのアルバムのような?

    そうですね。13歳から曲作りを始めて、その頃の楽曲も入ってますし。それも、17歳の私が表現することで一番いいかたちで聴いていただけると思った楽曲を選んだので。ただ、正直不安もあって。感情の振り幅がすごいので、明るい自分と暗い自分の作る楽曲が全然違うんですよね(苦笑)

    もう歴然としてますもんね。どっちかに振り切っていて真ん中がない。でも、アンバランスでありながらバランスがとれている、というのが魅力だと思います。

    実は最初、“アンバランス”というタイトルにしようかとも思っていたんですよ(笑)。おっしゃった通り、アンバランスなんだけどバランスがとれている…光があるから闇がある、闇があるから光がある…その二面性が表れているからこそ、私ですし。

    でも、個性の強い曲ばかりですから、最終的な曲のセレクトや曲順を決めるのは大変だったのでは?

    大変でした。一曲一曲が私小説なので、全部に思い入れがありすぎて。ぜひ入れたい!と思っていたんですけど、もう少し温めておこうっていう理由で今回は入れなかった曲もありますし。曲順も結構闘いました。最初は『キミだけ』を最後にしてみたんですけれど、簡潔に終わりすぎちゃって、1stアルバムなのに終わりが見える感じがしてすごく怖くなったんです。それで《無駄で終わる強がりでもいい》という私らしい言葉が歌詞に入っている『Linda』を一番最後にしたら、すごくしっくりきて。“バカだ”って思うけど、もがきながら、わめきながらじゃないと進んでいけない私…だからこそ2ndアルバムにもつながっていくんだ、という思いが込められているんです、そこには。

    この曲で最後落とし込むっていうのは、すごく理解できます。だからこそ、予想外のふんわりしたかわいらしい曲もあって、ちょっと安心したり。

    あぁ、そうですね(笑顔)。本当の意味で真っ直ぐでいたかったから、明るい曲も何曲か入れました。『ミスター』とかは自分でも録ったあとビックリして、“果たしてこれは入れても大丈夫なのかな?”って思ったくらいです。でも、17歳らしいかわい気があるけど、かわい気のない曲になったなって(笑)。子供の前では父親はカッコ付けていてほしいという思いを歌にしたんですけど、それは理想の父親像でもあるのかなとも思いました。

    これだけチャーミングに歌えるというのも新鮮でした。

    でもそれは、『Bless You』が書けたからこそなんです。自分的には“黒”だった感情が少しずつ灰色に変わり始めた、それを音楽を通して思えたことがすごく幸せだなと思ってます。

    自分の気持ちに対して自分自身がより素直になれている、というのもあるのかしら?

    そうだと思います。だから、音楽の見方がまたちょっと変わってきて。苦しかったり、悔しかったりする思いを書いてきたんですけど、そうじゃなくてもっとポップな、幸せな気持ちっていうのも書いてもいいのかもしれないなって思えるようになれた。“ちょっとずつ幸せなことも歌っていいんだよ、レオ”って私自身が少しだけ扉を開けたのかなって思うから、『明日また晴れますように』みたいな楽曲ができたのかなって思います。この曲も『Bless You』ができたあと、今年の夏に作ったんですけど。すごく充実した日々を過ごさせていただいていたんですが、残念なことに福岡に帰ることができなかったんですね。それで、せめて歌の中だけでも福岡に帰ろうと思って…通学路を今の私が通ったらどういう情景が浮かぶかなって考えて書いたのが、この曲です。で、これを書いたことで、またさらに夢を改めて見つめられたというか。

    私、個人的には先程触れられた「キミだけ」が一番グッときました。ヴォーカルと詞の世界観とサウンド…この構築は本当に素晴らしい!と思いましたよ。

    ありがとうございます。『キミだけ』は私にとって本当に大切な曲で…これは母に向けて書いたんです。東京に出ることを決めた時、大勢の大人の人たちに反対されたんですけど、母だけが“行ってきなさい”と言ってくれたからこそ私はここに今いて。でも、学校も友達も福岡という場所もサヨナラしてしまったけど、お母さんだけはサヨナラできなかった。それを《触れた悲しみはキミだけ》という言葉で表現したんです。初めて母に宛てて書いた歌なので、これは本当に…レコーディングの時も『Bless You』とは違う意味で泣きました。“ありがとう、産んでくれて”って心から思いました、母に対して。

    音作りはすごくシンプルですよね。後半にストリングスが彩色を施していますけれど、このアレンジの構成はかなり意図してやっている気がしますが。

    はい。かなり意図的です。実はプロデューサーさんたちと何度も打ち合わせしました。最初のアレンジはもっといろんな音がガッツリ入っていたんです。でも、“なにか、頭の中で鳴っているものと違う”と思って、このかたちにしていただきました。

    一枚の作品としては理想的な完成形となったと思うのですが、同時にすごく可能性も感じるアルバムでした。

    ありがとうございます。家入レオはまだまだ未完成なので、これからも無駄な強がりをしながら(笑)、進んでいけたらなって思っています。進んでいく中で、また新たな変化もあると思いますから。
    『LEO』2012年10月24日発売Colourful Records /ビクターエンタテインメント
      • 初回限定盤(DVD 付)
      • VIZL-502 3500円
      • 通常盤
      • VICL-63931 3000円
    家入レオ プロフィール

    イエイリレオ:1994年12月13日生まれ、福岡県出身。13歳で音楽塾ヴォイスの門を叩き、青春期ならではの叫びと葛藤を爆発させた「サブリナ」を完成させた15歳の時、音楽の道で生きていくことを決意。翌年、単身上京。12年2月に「サブリナ」でメジャーデビューを果たし、『第54回日本レコード大賞』最優秀新人賞など数多くの新人賞を受賞。17年2月に迎える5周年を記念した初のベストアルバム『5th Anniversary Best』を発売。同年4月には初の日本武道館公演が決定している。家入レオ オフィシャルHP
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    OKMusic編集部

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