資生堂『マキアージュ エッセンスグラマラスルージュ』のCM曲として完全書き下ろしで制作されたシングル「Chu Chu」。キュートでポップなmoumoonマジックが散りばめられた本作について語ってくれた。
取材:ジャガー
最新シングル「Chu Chu」は、テンションの高いナンバーに仕上がりましたね。
YUKA
「Chu Chu」は完全に書き下ろし作品で、CM(資生堂『マキアージュ エッセンスグラマラスルージュ』)のお話をいただいてから作り始めていきました。この前に出したアルバム『15 Doors』を制作していく上で、心地良さをいっぱい詰め込むことができたので、もっと耳馴染みの良さを追求していきたいっていうのが漠然とあって…何も考えなくて聴いても心がウキウキできる曲や歌詞にしたいなって。その点に集中して「Chu Chu」は生まれたので、ポジティブな方向にすごく振り切れてますね。
サビの《ぷるるるん うるるるん》の歌詞が印象的だったのですが、イメージとしてはどういうものを思い描きました?
柾
まだCMの映像もなかったので、さっきYUKAちゃんが言ったことと近いですけど、パッと聴きで夢中になれて、そんなに難しいことを考えなくてもすんなり入ってくる曲がいいなと思い、アップテンポな感じで、聴いててちょっと体がリズムに乗るようにしたかったんですね。まぁ、夏だし、カラッとした…去年出した作品たちよりもパンチのある、元気のある感じにはしたくて。
YUKA
歌詞はキスの歌にしようって考えてたんだけど、キスという行為だけにフォーカスしてみようかなと。キスって言葉で会話する以上に分かることがいっぱいあって、好きって気持ちがはっきり伝わるじゃないですか。しかも、音もハッピーだから、自分がときめいたものにいろいろキスして歩き回ってる女の子が浮かんで…いっぱいいっぱいものを愛している女の子なので、きっと聴いた瞬間にポジティブになれるんじゃないかな。アグレッシブで、かわいくて、愛がいっぱいあるイメージです。ここ最近、出かける時にテンションを上げられる曲が歌いたいんですよね。
曲自体はすごくかわいらしいのに、楽器隊の奏でる音は生々しいじゃないですか。ちょっと意外だなと思ったんですよ。
柾
そうですね。声も曲調もすごくキュートなんですけど、キュートな音は入ってないですもんね(笑)。
YUKA
正直、こんなにロックなテイストになるとは思っていませんでした。一番最初にCMのお話をいただいた時には、まだどんな曲にするのか想像が付いてなくて、話をしていくうちに“あぁ、ロックな感じにもいけるんだな”って。私たちはもともとロックなサウンドが好きですし。去年の「Sunshine Girl」は自然とでてきたものがレゲエ調だったり、本当にいろんなことがあるのねって作っていったら、今回はこんなに明るい曲になって。私たち自身、その時のライヴや楽曲制作でいろんなヒントをもらって…おいしいものをたくさん食べながらワーイってなってる状態なので(笑)、楽器のテンションの高さとか作り手も楽しいんだよってことが「Chu Chu」から伝わると嬉しいですね。
では、今回の制作はおふたりとしても楽しめたと?
YUKA
歌詞をはめたり、歌ってる時とかは嬉しい気持ちになってましたね。あとはレコーディングの時にリズム隊を先に録るんですけど、ミュージシャンの人たちが叩いているのとか弾いてるのとか見て、一緒に歌ったりして…そうすると、また違う発見があって、ずーっと曲を作ってるというか。レコーディングしてる時は楽しくて“いいねぇ、いいねぇ”ってずっと言ってました。そこに辿り着くまでは大変なんですけど(笑)。そこに行っちゃえば楽しいです。
柾
サビは早い段階でできていい感じだったんですけど、そこからがなかなか進まなくて。言葉と音のハマりをいろいろ試していたので時間がかかりましたね。全体を作ってた時は…意外とこの曲って音数が少なくて。目立つギターが何本か入ってるぐらいで、あんまりアレンジで凝ってるわけでもなかったので、勢いで作れました。
《くるくるまわる毎日には 色んな事があるわ》は意味ありげに聴こえたりもしたのですが。
YUKA
毎日がずっと楽しいわけではないですけど、気持ちがハイになることで一瞬でもネガティブなことは忘れるじゃないですか。女の子がおしゃれをして自分の気持ちを高めたいとか、そうやって自分を好きになれる瞬間ってすごく大事だと思うので、今回はいろんなことを忘れて、素直に“これが好き”“あれをやってみたい”ってウキウキしてくる感じを出したかったんです。
「moonlight」の英語バージョン、そして「Sunshine Girl」や懐かしい「mellow」などが盛り込まれたメドレーもあって、前作のアルバム同様にさまざまな表情を見せるmoumoonに出逢えるシングルになりましたね。
柾
誰もが聴いて“いいね”って思える曲をシングルでは出していきたいと思うので、こうやってメドレーというかたちで他にもmoumoonはこういう曲を作ってるんですって出せるのはいいですね。知ってもらうきっかけを自分たちでも作っていくべきだと思うので、なんかひとつひとつ順序があるのかなって感じがしますね。
YUKA
いろんなタイプの曲を作ることでチャレンジできる場所も増えていく。最近はCMに使っていただくこともあって、今回は女の子がみんなときめくマキアージュっていう。私も今までのCMを見て素敵だなぁって思っている商品だからお話をいただいた時は嬉しかったし、そこで発揮できるmoumoonのパワーを凝縮したらこういうポジティブな曲になって…いろんな表情があるから、きっとみんな知ってくれるきっかけの曲はそれぞれ違うけど、それだけ可能性があるってことだし、私たち自身もまだまだ何が出てくるか分からないですね。
ヴォーカル YUKAとギター柾昊佑(まさきこうすけ)によるユニットで2005年結成。
フランス語の『mou(やわらかい)』と、英語の『moon(月)』をかけあわせて作った“やわらかい月”という意味の造語。
YUKAの柔らかく暖かな、それでいて鋭くエッジのきいた歌声と、柾が創造する印象的なメロディーが絶妙にマッチし、繊細且つ大胆なアレンジが施された楽曲が聴き手を柔らかく包み込む。
2006年7月に限定シングル「Flowers/pride」でデビュー。2007年8月ミニ・アルバム「love me?」でavex traxよりメジャーデビュー。
同年12月にリリースした1stシングル「Do you remember?」がラジオ、衛星波21局でパワープレイを獲得する。
2008年7月、自身初となるのワンマンライヴ(原宿ASTRO HALL)を行いチケットSOLDOUTとなる。同年12月(渋谷duo music exchange)、2009年5月(赤坂BLITZ)に行われたワンマンライヴでは両公演共にチケットが即日完売となる大盛況ぶりを見せた。
同年7月には通算5枚目となるシングル「On the right」のリリースが決定、10月には日比谷野外音楽堂でのワンマンライヴを行う。オフィシャルHP
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