L → R KISHOW(Vo)、e-ZUKA(Gu)

L → R KISHOW(Vo)、e-ZUKA(Gu)

【GRANRODEO】
歌詞でならあふれる愛の言葉、
音楽に偏愛してる!

アニメ『カーニヴァル』のオープニングテーマ「偏愛の輪舞曲(ロンド)」を手がけるGRANRODEO。ヨーロッパ的な哀愁とハードロックが融合した耽美的な世界観で、女性リスナー必聴。また、カップリング曲は取材中にタイトル会議が始まる展開。リリースまで残り約1カ月どうなる!?
取材:榑林史章

アニメバージョンとは違う!
CDバージョンは世界観アップ

「偏愛の輪舞曲(ロンド)」は、アニメ『カーニヴァル』の主題歌ということで。

e-ZUKA
第一話の映像を観ながら、アニメのスタッフからいろいろ話をうかがって、“カーニヴァル”と“サーカス”というキーワードをいただいて、イメージを膨らませました。キャラクターの絵は女の子が好きそうなかわいい感じだったけど、映像を観たらちょっと怖いムードがあって。夜の遊園地みたいな怖さというか。『カーニヴァル』の主題歌だから、もっとキラキラな曲を予想してた人も多いかもしれないけど…。

イントロがアコーディオンで始まるのが、昔のヨーロッパっぽい感じ。ちょっと暗くてもの悲しいムードもあって。

e-ZUKA
そうそう。イントロはシンセだけど、アコーディオンとかバンドネオンのイメージですね。
KISHOW
アニメのプロデューサーからは、ズバッと“カーニヴァル”とか“サーカス”とかってワードを使ってもいいくらいだと言われたんだけど、やっぱりGRANRODEOの曲として成立させたくて。そういう言葉を使わず、感じさせるようなものになりましたね。イメージとしては「We wanna R&R SHOW」のPVの雰囲気をすごく想像した。あんな感じでいいんじゃない? って。ただ、視聴者層が女性だと思ったので、耽美的な表現で愛をキーワードに入れたほうがいいと。だから、打ち合わせでインスパイアされて、タイトルの”輪舞曲”というのを入れました。そこから”輪舞曲”だけだとあまりに限定しすぎちゃうから、お得意の感じで“〜とかの輪舞曲”にしたいと。それで誰かにもらった二文字熟語の辞典を取り出して、“偏愛”という言葉に引っかかったんです。偏った愛、なんかいいな、ネジれててと思って(笑)。

最初にアニメで流れるテレビサイズを作って?

KISHOW
最初に90秒のテレビサイズをもらって、まずその歌詞を書いて。で、次にフル尺のCDバージョンを聴いたら…普通は90秒でもフルでもAメロBメロは変わらないんだけど、フル尺になったとたん、90秒のAメロBメロになかったメロディーが足されていて。うわっどうしよう!と。

CDのバージョンはアニメとは違うんですか?

e-ZUKA
CDのバージョンは、テレビサイズより1コーラスが少し長いんです。というのは、途中で三拍子になったり、ハードになったり、イントロはアコーディオンでとか、要素が多い曲で…。テレビサイズの90秒は映像と一緒に聴くので、それがカッコ良くなるけど、それを1曲として聴いた場合、ちょっと展開が速すぎるんじゃないかと思って。それで緩やかにつながるようにしたんです。

KISHOWさんとしては、1度まとめたものに、さらに歌詞を書き加えないといけなくなったんですね。

KISHOW
そうなんです。たまに詞先で曲を作った時、e-ZUKAさんが勝手にメロディーを足して、歌詞が足りないから書いてくれって言われることはあるんですけど、曲先でそのパターンがきたか、これは新しいなと(笑)。
e-ZUKA
3年前の「tRANCE」という曲の時は、CDではAメロが2回続くんだけど、アニメではAメロが1回ですぐBメロにいくというパターンだったんです。でも今回は、アニメサイズはAの半分、A の半分、Bの半分がないという(笑)。

でも、リスナーとしては二度楽しめるってことですよね。CDを買う意味が増える感じがします。

KISHOW
そうですね。昔、何のアニメかは忘れたけど、そういうのがよくあって。テレビサイズの歌詞はCDの歌詞をシャッフルしてあって、まったく違ってたんです。その時すごく面白く感じた印象が残ってるので、これを聴いてそうやって面白がってもらえたら嬉しいですね。

タイトルの“偏愛”って、偏った愛ということですよね。

KISHOW
そうそう。e-ZUKAさんでいうと、ギターに偏愛しちゃってるみたいな。サビの歌詞はすごく悩んだんだけど…簡単に言うと、誰かに伝えたい言葉は何もなくても、でも歌でなら言葉があふれてくるみたいな。つまり、それだけ音楽というものに偏愛しているということで、それを抽象的に歌ってる感じです。アニメ作品の世界観を踏襲しながら、やっぱりどこか自分たちのことも歌ってるものになりますね。

PVを観たら、KISHOWさんがピエロっぽいメイクをしていて、その印象もあって心と表情にギャップがあるというか、歌詞からもピエロのような存在を感じました。

KISHOW
そうそう。それもあります。PV撮影の時のメイクは、メイクさんとかPVの監督が考えてくれたんですけど、歌詞ともすごく合ってるなって思いました。

しかし考えてみれば、男女においては誰かひとりに偏って愛情を注ぐのが当たり前なので、偏愛というのは実はすごく一途な愛情なのかなと思ったり…。だって全員に愛を捧げていたら、大変なことになりますよね、KISHOWさん(笑)。

KISHOW
あ、ああ〜(苦笑)。その通りだと思います。でも、そこまでは考えて書いてなかったんですけどね。
e-ZUKA
それを言うなら、KISHOWは偏愛ではなく偏食ですね。肉しか食わないし。あと、変態でもあるけど(笑)。
KISHOW
それは否定しません(笑)。

e-ZUKAさんはギターに偏愛しているとのことで。

e-ZUKA
愛とはまたちょっと違うけど。ギターは身体の一部みたいなものなので、今となってはギターがない人生は考えられないですね。音楽が好きと言うより、ギターが好きと言ったほうがいいかもしれない。よく、ギターは音楽をやるための道具ですって言う人がいるけど、僕にとってはギターを弾くための道具が曲みたいな。ライヴでギターを弾きたいから曲を作ってるところもあります。

ステージでギターを弾いてる瞬間が一番輝くと。

e-ZUKA
そうですね。どこででも弾いてる時は楽しいんだけど。ギターヒーロー的っていうか、ステージでは弾いてなくても、持って立ってるだけでも輝けるっていうか。

「偏愛の輪舞曲」でのギターのこだわりは?

e-ZUKA
最初は自分のキーで作って、最後にKISHOWのキーに変えるんですけど、変えたらAメロがBマイナーだったんです。じゃあ、7弦ギターを使おうと。7弦がちょうどBマイナーなので。それに速い曲で7弦は久しく使ってなかったから、たまにはいいなって。ただ、自分のキーで作った時に弾いていたリフが、7弦になったらなかなか弾けなくて苦労しました。指使いがまったく変わっちゃうんで。あと、そのリフは2本でハモリで弾いてるんだけど、改めて聴くと古臭くて、それがいいなって思いましたね。80年代のアイアン・メイデン的な(笑)。ちょうど何号か前の『YOUNG GUITAR』に付いてたCD を聴いた時、名前は忘れたけどどこかのバンドが、ずっとハモリでリフを弾いてて。やっぱり、またこういうのが流行ってきてるのかな? って思ったりして。

OKMusic編集部

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