L→R KENTA(Dr)、MOMIKEN(Ba)、IKE(Vo)、UZ(Gu&Programming)

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「サクラミツツキ」「虹」「現状ディストラクション」とハイペースでシングルを発表し続けたSPYAIRが、待望のアルバム『MILLION』をリリース。バンド史上最高傑作と呼べるアルバムが誕生した。
取材:榑林史章

バカなタイトルだけど、大きな夢を見ち
ゃう感じがロックバンドっぽい

アルバム『MILLION』の制作はツアー前から?

UZ
去年の10月から始めてました。アルバムに向かって走りたかったので、まず、設計図を作ったんです。アルバムは全11曲で、1曲目はこうで2曲目はこうでって考えて、それに向けて作っていった感じです。当初は12曲の予定で、最終的にバランスを見て11 曲になりましたけど。トータルタイムも、なるべく40分くらいにしたいとか、細かくこだわりがあって。

どうしてそういう作り方を?

UZ
このバンドにとって3枚目のアルバムって、すごくいい時期だと思ったんです。というのは、3枚目ならまだまだ新人のつもりでやれるし、20代最後の作品になるというのもあるし、これまで出した2枚の経験もあって、楽器をやってきて10年というキャリアもある。そう考えていったら、このタイミングってすげぇ作品が作れるんじゃないか! って。だから、このアルバムに対する思い入れは、作る前からすごく強かったです。それに今はダウンロードとか、アルバム単位ではなかなか聴いてもらえない時代なので、だからこそ徹底的にアルバムということにこだわった作品を完成させたかった気持ちもあります。

そういった、このアルバムに対する気持ちは、メンバーのみ なさんも同じように思っていた?

KENTA
メジャーデビューが決まった頃から、UZはメジャーの3枚目はすごいものになると言ってて、俺らもその熱量にどんどん引き込まれていましたね。
IKE
実際に3枚目が大事だというのは、よく言われてることだし。そういう話は以前から会話の中で自然と出てきていたから、個々に意識はしていましたね。
MOMIKEN
普段から、3枚目は野外ライヴをやってるようなスケール感のあるアルバムにしたいとか、集大成的なアルバムにしたいとか、そういう話をずっと聞いてました。その上で、紙に書いた設計図を見せてもらったんですけど、それを見た時に全てが腑に落ちたというか…。UZがずっと言っていたことが、見事に反映された設計図だと思った。例えば、1曲目は過去のSPYAIRの曲でいうとこういう系統だとか、すごく具体的に書いてあったから、全体がかなり見渡しやすかったし、制作もすごくやりやすかったですね。

“MILLION”というタイトルですが、これはやはりミリオン ヒットを目指すということで?

IKE
あ、やはりそう捉えますか(笑)。もちろん、そういう願いも込めているのは確かです。でも、ジャケット写真を見ていただければ分かってもらえると思いますが、100万人の観衆を目の前にして野外ライヴをやっているような、そういうスケール感のイメージなんですよ。
UZ
実は、そんなに深く考えて付けてなくて。もともとはアルバムの曲を作り始める時、パソコンのフォルダー名に付けたものだったんです。
KENTA
でも、自然と次は“MILLION”でしょ!って。
UZ
確かにCDが売れないと言われているこの時代に、アルバムタイトルを“MILLION”と付けるなんて、すげぇバカだなと思いますよね。でも、そのバカさ加減というか、そういう大きな夢を見ちゃう感じが、いい意味でロックバンドっぽいと思っています。
IKE
それに歌って、人から人へと必ず届くものだから。自分たちがメジャーデビューしてから3年間積み上げてきたものが、100万人の心に届かないとは思っていないんで!

1 曲目の「OVERLOAD」からすごくテンションが高くて、 ヤバいアルバムが始まるぞ!という雰囲気がありますね。

UZ
実は設計図を書く前にすでに2〜3曲作ってて、「OVERLOAD」もその中のひとつでした。勢いで押し切るような、単純にカッコ良くて、止まらず進み続けるみたいなロックサウンドをイメージして。それで1 曲目は絶対にこれだ!と。

歌詞が宣戦布告っぽい。

MOMIKEN
ここから始まるんだ!という気持ちが伝わるものを、アルバムの1曲目にしたかったし、ライヴの1曲目になるようなものにもしたかった。
UZ
実際にこの前のツアーで1曲目にやったし。

「Winding Road」もツアーでお披露目済みですね。

UZ
これはインディーズの頃に作っていた曲で、レコーディングしたこともあったし、ライヴでも何度かやったことがあったので、知ってるファンは知ってると思います。いろいろに広がっていく可能性を感じていたので、リリースするタイミングをずっと見計らっていて、今回のアルバムに込めた気持ちも含めてこのタイミングだと思って。歌詞やアレンジはほぼ変えずに、新たにレコーディングしました。
MOMIKEN
歌詞は、すごくストレートなラブソングを書いています。「Winding Road」の歌詞は、当時から変える必要がないと思ってて。それに何年もやってる曲なので、今さら歌詞が変わるほうが、逆にしっくりこないですしね。
IKE
この歌詞で頭に入ってるんで、変わったら覚えられないです(笑)。でも、こうして歌ってみて、当時を思い出す部分もあるけど、今の自分たちに通じる部分もすごく感じました。
KENTA
当時は単純に技術が追いついてなくて、演奏するだけで精一杯だったと思うし。今より早くても遅くてもベストで録ることはできなかったと思います。今やって良かったと思える曲のひとつですね。

「Supersonic」はハイパーなサウンドで、ライヴの盛り上がりが想像できますね。

UZ
すげぇ楽しいと思いますね。単純に気持ちいいとか踊れるとか、そういうイメージで作りました。
MOMIKEN
歌詞もより音楽的というか、言葉で遊びながらサウンドの一部になるようなものにしたいと思って。だから、深いメッセージは込めていないんだけど、音とひとつになって楽しんでもらえると思いますね。

UZさんが歌ってるわけですが。

UZ
俺の声ってエフェクターの乗りがいいので、いろいろ使えるんです(笑)。それにこういう違う声が入ると、アルバムとして聴けるものになりますよね。同じ声が11曲続くのは、やはりちょっとしんどくなると思うので。
IKE
俺は楽でいいですよ。歌うところは少なくて済むし、ライヴでは横で騒いでるだけでいいんで(笑)。ライヴでやったらどうなるのか?って、すごく興味がある曲ですね。

OKMusic編集部

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