L→R RYO(Vox)、HIROKI(Vox)、NAOTO(Gu)、YOH(Ba)、YAMATO(Vox)

L→R RYO(Vox)、HIROKI(Vox)、NAOTO(Gu)、YOH(Ba)、YAMATO(Vox)

【ORANGE RANGE】音楽ってもっと自由
で身近で楽しいものだと思うから

2012年のデビュー10周年にリリースされた『NEO POP STANDARD』から1年3カ月。ORANGE RANGEの最新作は、“バンド史上、最も余計な物を削ぎ落した”と語る、ソリッドで骨太な力作。裸のORANGE RANGEを喰らえ!
取材:フジジュン

こんな裸なサウンドは新鮮で意外 昔だ
ったら恥ずかしくてやれなかった

最新アルバム『spark』が完成した、ORANGE RANGE。打ち込み主体の前作『NEO POP STANDARD』とは一転、シンプルで骨太なバンドサウンド主体のアルバムになりましたね。

RYO
今作は自分たちでもすごく手応えを感じていて、ヘッドフォンで耳が痛くなるくらい繰り返し聴いてます(笑)。
YOH
まだライヴで披露していない曲がたくさんあるんで、ライヴで演奏するのが今から楽しみです。

前作は打ち込み主体の楽曲をライヴ用にバンドアレンジして、アルバム2枚作るくらいの大変さがあったでしょ?

YOH
アレはアレで楽しかったですけどね(笑)。前作は制作やライヴアレンジで、自分の居場所みたいなことも改めて考えることが多くて。その時に感じたことやエネルギーも今作に詰め込むことができたので、それも良かったなって。

NAOTOくんはアルバム完成していかがですか?

NAOTO
僕は10年やってきて、このアルバムができたことで一瞬、若返れたような気がしてるんです。そんなに歳を取ったつもりもないんですけど、初期のヤンチャさとか、元気な感じが出せて、明るい作品になったのも良かったですね。

みんな自由だしね。HIROKIくんもフザケたねぇ(笑)。

HIROKI
フザケたというか、リラックスしてできたというか。ここにきて、すごく楽しみながら制作できましたね。

「マイペース」での《今日も君の夢見て夢精》とか、楽しみすぎだよ!

HIROKI
そういうことを書いても、怒る人いないですしね(笑)。自分たちのことですけど、レーベルを立ち上げて、スピードスターと出会って、バタバタしてたのもやっと落ち着いて、今は純粋に音楽を楽しめているんですよ。最近はYOHやNAOTOの曲の作り方も少し変わってきたし、それもすごく新鮮だったりして。10年やってきて、何かを作ることのワクワクが薄れてないし、むしろ楽しくなってきてるんです。
YAMATO
そう。現在の環境がいいのもあって、今回は力が抜けたラフな感じで制作できましたね。いい意味でちゃっかりはしてるけど、リラックスしてる感じも出てると思います。

能天気な曲もあれば、「Suck it!」みたいなメッセージソングや、「そばにいつでも」みたいな本音を綴った歌詞もあって、そこにすごく人間味を感じましたよ。今、生活と音楽が、より密接的なところにあるのかなと思いました。

RYO
音楽が占める時間は増えましたね、完全に!
NAOTO
確かにいつも音楽に触れてるイメージがあるし、楽しいことも増えてるし、いろんな音楽が生まれていますね。10年経ってそう思えているのがすごくいいし、逆にいろんなことに挑戦しやすくなった感じがあって。“トライ&エラー”じゃないけど、今は考える前にいろいろやってみて、そこから学ぶというやり方が一番いいのかなと思っているんです。

今回、バンドサウンドだけでやろうと思った理由は?

NAOTO
単純に前作の影響というか、反動です。

持ち前のひねくれ根性で、真逆のことがしたかった?

NAOTO
その通りです(笑)。今までは曲の中に打ち込みと生楽器が共存してるとか、そういうところが強くて。他のバンドでは当たり前かもしれないけど、僕らにとってはこんな裸なサウンドは新鮮だし、意外とやってなかったし。昔はやれなかったと思うんですよね、やっぱり恥ずかしいというか。

パンツくらいは履かせてほしいと。

NAOTO
できれば、タンクトップも着たいですね(笑)。

それが今作はフルチンですからね。10年かけて鍛え上げてきた、たくましい身体を曝け出して…。

HIROKI
いや、モノはよくないですけどね(笑)。身体もたくましいというよりは年齢を重ねて、お腹の肉とかどうしようもない部分もあるけど、それも“もういいでしょ?”って。

アハハ。今回、曲作りやレコーディングはどうでした?

RYO
レコーディングは、それまでに曲もできていたから、かなりスムーズでしたね。
NAOTO
曲作りも前作は長い時間かけて、少しずつ作り進めていったんですけど、今回はあまり細かいことは気にせず、どんどん作っていった感じで意外とスムーズでした。
YOH
今回、3人のサポートドラムの方と作業したんですけど、それぞれキャラクターやタイプの違うドラマーで。一緒に作り上げていくのが、すごく面白かったんです。

先行シングル「オボロナアゲハ/もしも」は、アルバムの制作過程で完成した曲だったのですか?

NAOTO
そうです。シングルを作ろうとして作ったんじゃなくて、全部出そろったところで選んだ感じで。

アルバムを聴いて改めて思ったけど、この2曲は現在のORANGE RANGEを両極で象徴した曲になってますよね。

YOH
「オボロナアゲハ」は『NEO POP STANDARD』で感じたことから出てきたイメージで、5人が躍動していたり、フロント3人がそれぞれのカラーで輝いているイメージで作曲して。そこから広げていった感じでしたね。

そこで5人の向いている方向にブレがないから、現在のORANGE RANGEっていうのが、より明確に見える曲になった気はしますね。歌詞に関してはいかがですか?

RYO
展開が多いので、その中でどう自分が出せるか?を考えて。自分のパートは何パターンも作っていたんですけど、最後の最後まで何度も書き直しましたね。諦めたくなかったので、みんなにOKって言われてもゼロから書き直したり…“ 原点”みたいなところが書けたらいいなと思って、芯のある歌詞になるようにひと文字ひと文字にこだわって書きました。
YAMATO
僕はテーマに寄せながら、かなり自由にさせてもらって。響きとかを大事にして、いつも通り自由に(笑)。

「もしも」はどんな経緯でできた曲だったのですか?

NAOTO
今作の目的として、“シンプルで、あまり考えさせないもの”というのがあったので、ストレートに“ザ・普通”という大きなテーマのもとに作りました(笑)。そこに歌詞が入って、さらに音を抜いていったり、コードを少なくしたりして、必要最低限まで削いでいった感じでしたね。
HIROKI
曲をもらった時点でピュアなイメージというか、柔らかさややさしさがあったから、歌詞もあまり難しい例えや表現は避けて、誰にでも分かるような表現で、幼稚園児同士の“好き”とか“嫌い”に近い感覚で書いたんです。

駆け引きとか計算のない、ひたすら純粋な恋心をね。

HIROKI
そうそう。大人の恋でなく、そういうイメージで。

それが結果、幸福感しかない歌詞の世界観を生んで。ちょっと今までなかった印象のラブソングになりましたよね。

HIROKI
そうなんです。自分でも書きながら、“こういう曲、なかったな”と思ったし、それを今歌うのが逆に新鮮だなって。

OKMusic編集部

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