【家入レオ】純粋なものって心打たれ
    るものがあるんです

    ライヴで耳にしていた時とは印象が異なる、淡く甘く、もどかしくてちょっと危うい声の色。それはそのままこの歌の背景となっている“恋の色”とイコールなのかもしれない。かわいらしくも切ないラブソングです。
    取材:竹内美保

    ちょっと拙いような声色、表現はこれまでの作品になかったものですね。なので、まずヴォーカリストとしてこの曲にどう取り組んだかというお話から始めたいのですが。

    この楽曲はデビュー前からあって、ライヴでも何度か歌ってるんですけど、自分の実体験の歌なのでより気持ちが入るというか。今、“拙い”っておっしゃったじゃないですか。実はこれ、16歳の時に録った音源なんです。だから、ちょっと声が幼くて。最近録り直して聴き比べてもみたんですけど、技術的なところでは今のほうがやっぱりいいんですよ。ピッチも正確だし、声の使い方も。でも、“心により届くもの”を求めると、16歳の歌声のほうがピュアなんですよね。

    経験を積んでいると、テクニックとか完成度とかが先にくる場合もありますものね。

    そうなんです。もちろんそれもキュンとはくるんですけど、計算していない純度の高さというか、純粋なものってやっぱり心打たれるものがあるんですよね。この楽曲は12歳の時の思い出を歌にしたんですけど、切なさがちゃんと宿ったものに仕上がったと思ってます。

    今のレオさんの歌声だと、ライヴで楽曲を成長させている段階のものになる。でも、この作品で求めたのはそこではなかったと。“なんだろう? この拙さともどかしさ。切なさと甘さを行ったり来たりする感じは!”と思ったのですが。

    そうなんです。ライヴで成長させたとおっしゃってくださいましたけど、人前で歌うのってそこにいる方たちに何か思いを寄せてもらいたい、重ねてもらいたいと思うから、自分だけの思い入れじゃなくて誰かの思い入れというのをどんどん受け取っていく。だから、自分だけのものじゃなくなっていくというか…それはすごく嬉しいことですし、直接経験したことのない思いっていうのも巻き込んで歌うから、より多くの人に伝わりやすいと思うんです。でも、自分ひとりだけの、まだ誰の前でも歌っていない時って自分のことだけだから、私自身も100パーセント分かるんですよね。それで、16歳の時の歌声には当時のもどかしい感じだったりとかが、そのまま出ているんじゃないかなって。12歳の時のバレンタインデーで好きになった男の子に渡そうと思って手作りしたチョコを結局渡さなかった、という切なさをそのまま歌詞にしましたし。すごく意味のあるものになったし、これで良かったと思います。

    私、いい大人なのでもうキュンとすることとかなかなかないんですけど、この曲を聴くと自分にもキュンとしていた頃があったことを思い出して。そこでまたキュンとしたり。

    嬉しいです。大人になっていくにつれて、“好き”の向こう側を求めていくことって多くなってしまうと思うんです。それもとっても素敵なことだと思うんですけど、幼い頃の恋ってただ自分が相手のことを思っているんだってことを伝えるだけで満足する、“好き”って伝えたらどういう顔をしてくれるんだろう?って考えるだけで夜眠れなくなったり…そういう経験って誰もが通ってきてると思うので。ぜひいろんな人に聴いてもらいたいな、という思いがすごく強いです。バレンタインデーって女性だけのものじゃないですから、男女問わず聴いていただければって。

    最後の《空の彼方 明日に消えた》のフレーズは切なすぎますけどね。“どうしたのー!?”みたいな。

    実はバレンタインの次の日もチョコを持っていったんですけど、やっぱりどうしても渡せなくって。私、野球とかサッカーとかして遊んでいたから恋愛対象として見られていないことが分かっていたので、なおさら…。でも、その切ない記憶が切ないまま、きれいなまま取っておけるのは良かったなって思ってます。あと、チョコレートを渡す時って味だけじゃなく、ラッピングにもこだわりますよね。この楽曲も中身はもちろん、外でも勝負したい、楽しんでもらいたいということで歌詞カードにもこだわったんです。《甘いだけの chocolate チョコレート》というところで英語とカタカナを使い分けているのは、そのひとつです。

    視覚面では今の表現で、ということですね。

    はい。で、それとはすごく矛盾するかもしれないんですけど、自分の思いをかたちにしたくない部分もあって。誰にも分かってほしくない、自分だけのものにしたいな、という思い。“ポポポ チョコレート”って歌っているところの“ポポポ”は、その言葉にできない思いを込めて歌ってます。

    ひとつの人格、でも表現の幅は広いし、可能性はたくさんある。12歳の時の思い出を16歳の時に歌った音源、ビジュアル面では19歳のこだわりを表現する。今だからこそのリリースなんでしょうね、やっぱり。

    “雰囲気が変わりましたね”って言われることもあるんですけど、デビュー当時から暗い自分と明るい自分がいて、両方私なんです。なので、変わったということではないんです。カップリングにはライヴ音源を入れて“ちゃんとダークな部分もあります”って…思いを込めて豪華に入れてあります(笑)。ここには去年の11月28日の時点での、私の人生の最先端が魂を込めて表現されているので。そう、今2枚目のアルバムを制作中なので、このライヴ音源では1stアルバムを徹底的に楽しんでもらいたいですね…最後の最後まで。

    その2ndアルバム、どのような感じになりそうですか?

    今、絶賛ブラッシュアップ中ですけど、もっとロックに、もっと繊細に、もっとかわいく…さらにいろんな表情を見てもらえる内容になると思います。正解を求めずに自分らしく、真っ直ぐに届けられるものにしたいですね。
    「チョコレート」2014年01月29日発売Colourful Records/ビクターエンタテインメント
      • 【完全生産限定盤A】
      • VICL-36874 1050円
      • 【完全生産限定盤B】
      • VICL-36875 1050円
      • 【完全生産限定盤C(DVD付)】
      • VIZL-616 1575円
    家入レオ プロフィール

    イエイリレオ:1994年12月13日生まれ、福岡県出身。13歳で音楽塾ヴォイスの門を叩き、青春期ならではの叫びと葛藤を爆発させた「サブリナ」を完成させた15歳の時、音楽の道で生きていくことを決意。翌年、単身上京。12年2月に「サブリナ」でメジャーデビューを果たし、『第54回日本レコード大賞』最優秀新人賞など数多くの新人賞を受賞。17年2月に迎える5周年を記念した初のベストアルバム『5th Anniversary Best』を発売。同年4月には初の日本武道館公演が決定している。家入レオ オフィシャルHP
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    OKMusic編集部

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