【ハルカトミユキ】『HARUKATOMIYUK
I +5th ANNIVERSARY TOUR 2017』201
7年2月25日 at 赤坂BLITZ

撮影:Aki Ishii/取材:田山雄士

 もがき苦しみつつも常に挑戦を続けてきたハルカトミユキが、等身大の姿勢で臨んだデビュー5周年記念ツアーのファイナル。“私たちだけの力ではここまで来られませんでした。みなさんのおかげで5周年です”と話すハルカ(Vo&Gu)のMCは感謝と恩返しの気持ちが素直にあふれていて、自身を大きく見せようとなどしない。“ひとつだけずっと変わらないことがあります。私たちは希望の歌が歌いたい”――「ドライアイス」の演奏前にハルカがいつも口にしてきた想い、そのぶれなさを再確認できたのも嬉しかった。

 《ただ生きていて》と願う「ドライアイス」から《君の足元を照らす月になろう》と誓う「夜明けの月」への流れは、パフォーマンスが一層キリッと締まる。辛い時期に生み出した名曲「その日がきたら」、欠けている心と向き合った「Pain」、震災直後に矛盾を抱えたまま作ったという「絶望ごっこ」。時にナイフのように鋭く、時に毛布のようにやさしい歌を聴くうち、ハルカトミユキのドキュメントと自分の記憶が数回シンクロした。

 一転して、アッパーに攻めた後半。「トーキョー・ユートピア」ではミユキ(Key&Cho)がショルダーキーボードで客席&ステージを縦横無尽に駆け回ったり、ハルカとお茶目にマイクを奪い合ったり。前のめりに突っ走る「伝言ゲーム」にしても、フィジカリティーの煌めきがあった。そして、彼女たちならではの肯定や5年の歩みを感じさせるふたつの新曲!! もう、ちっとも浮ついていなくて最高です。6月発売のアルバム、9月に行なう3度目の野音ワンマンと、挑戦はなお続く。

セットリスト

  1. 光れ
  2. DRAG & HUG
  3. Hate you
  4. ドライアイス
  5. その日がきたら
  6. Pain
  7. 終わりの始まり(新曲)
  8. 絶望ごっこ
  9. 春の雨
  10. 夜明けの月
  11. 奇跡を祈ることはもうしない
  12. Are you ready?
  13. 見る前に踊れ
  14. トーキョー・ユートピア
  15. 伝言ゲーム
  16. バッドエンドの続きを
  17. ニュートンの林檎
  18. Vanilla
  19. <ENCORE>
  20. 嵐の舟(新曲)
  21. 世界
ハルカトミユキ プロフィール

ハルカトミユキ:2012年終盤に突如現れた、歌人・ハルカと奇人・ミユキのふたり組。どこまでも言葉にこだわる時代錯誤の文藝少女のハルカと、ノイズとジャンクで踊る愛すべきフリークスのミユキ、ふたりの決して交わらないねじれの位置が生み出す音楽は、インディー流通でありながら鮮烈な印象を残し、13年11月にアルバム『シアノタイプ』でメジャーデビューを果たす。ハルカトミユキ オフィシャルHP
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ミユキ オフィシャルTwitter
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OKMusic編集部

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