【Hilcrhyme】『Hilcrhyme10周年記念
特別公演「朱ノ鷺二〇一七」』2017年
3月25日 at 朱鷺メッセ 新潟コンベン
ションセンター

取材:帆苅智之

 MCで“アリーナツアーをやっているバンドがこの会場でやるのと、ここに住み続けて10年、結成10年の俺たちがやるのとは(その重みも意味も)違うんです”とTOC(MC)は言った。約5年半振りとなった朱鷺メッセ公演。Hilcrhymeの本拠地・新潟の屋内施設として最大キャパシティーを誇る会場での祝祭の宴に、彼ら自身、感慨もひとしおだったろう。北は北海道、南は九州・沖縄から“ヒルクライマー”たちが集結し、ともに10周年を祝った。セットリストはその全国各地から集まった観客をもてなすかのように、彼らのオリジナルアルバムから4~5曲ずつをセレクトし、その発売順に演奏していくスタイル。合間に作品制作時の想いを語ったMCを挟み、TOC 曰く“Hilcrhymeの歴史を確かめていくライヴ”で、ここまで発表してきたシングル曲20曲を全て披露するという大盤振る舞い。加えて、同郷のYouTuber、HIKAKINがゲストに登場し、「Summer Up」で彼のヒューマンビートボックスとの共演も実現。さらに、アンコールではこれまた同郷のソチ冬季五輪スノーボード男子ハーフパイプ銀メダリストの平野歩夢選手によるコメント映像が紹介されたり、約2年半振りの再会となったハローキティがサンリオピューロランドから駆け付けてTOCと「Moon Rise」でダンスしたり、5月から開催される東名阪ツアーの情報がビジョンで発表されたりと、特別公演らしいスペシャルな演出も大いに観客を楽しませてくれた。4時間、会場中央に置かれた360℃ステージで全方向に意識を配り、花道を何往復もして、会場全体に届くよう熱く熱くパフォーマンスするふたりの姿に、一音楽ファンとして純粋に感動させられたし、Hilcrhymeの歴史に残る名公演だったと言えるだろう。

セットリスト

  1. 朱ノ鷺
  2. もうバイバイ
  3. 純也と真菜実
  4. リサイタル~ヒルクライム交響楽団 作品第1番変ヒ短調~
  5. RIDERS HIGH
  6. ルーズリーフ
  7. トラヴェルマシン
  8. MESSAGE BOX
  9. 大丈夫
  10. no one
  11. Extraction -10th Anniversary Mashup
  12. 臆病な狼
  13. パーソナルCOLOR
  14. Changes
  15. ジグソーパズル
  16. ~Kaleidoscope
  17. ~蛍
  18. STAY ALIVE
  19. NEW DAY, NEW WORLD
  20. エール
  21. Lost love song
  22. ~想送歌
  23. YUKIDOKE
  24. ~FLOWER BLOOM
  25. Summer Up
  26. New Era
  27. パラレル・ワールド
  28. 言えない 言えない
  29. WARAE~In The Mood~
  30. Side By Side
  31. <ENCORE>
  32. My Place
  33. Moon Rise
  34. Little Samba ~情熱のRemix~
  35. 春夏秋冬
  36. アフターストーリー
Hilcrhyme プロフィール

ヒルクライム:ラップユニットとして2006年に始動。09年7月15日にシングル「純也と真菜実」でメジャーデビュー。2ndシングル「春夏秋冬」が大ヒットし、日本レコード大賞、有線大賞など各新人賞を受賞。ヒップホップというフォーマットがありながらも、その枠に収まらない音楽性で幅広い支持を集めてきた。また、叩き上げのスキルあるステージングにより動員を増やし続け、14年には初の武道館公演を完売。「大丈夫」「ルーズリーフ」「涙の種、幸せの花」「事実愛 feat. 仲宗根泉 (HY)」などヒットを飛ばし続け、24年7月15日にメジャーデビュー15周年を迎える。ライミングやストーリーテリングなど、ラッパーとしての豊かな表現力をベースに、ラップというヴォーカル形式だからこそ可能な表現を追求。ラップならではの語感の心地良さをポップミュージックのコンテクストの中で巧みに生かす手腕がHilcrhymeの真骨頂である。耳馴染みのいいメロディーと聴き取りやすい歌詞の中に高度な仕掛けを巧みに忍ばせながら、多くの人が共感できるメッセージを等身大の言葉で聴かせる。その音楽性は、2018年にラッパーのTOCのソロプロジェクトとなってからも、決して変わることなく人々を魅了している。Hilcrhyme オフィシャルHP

OKMusic編集部

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