【ハジ→】音楽の力でひとつになれば
世界だって変えられる!
前アルバム『超ハジバム。』でオリコン5位&iTunes1位を獲得したハジ→が、待望のアルバム『超ハジバム2。』をリリース。季節が移り変わるように、多彩な楽曲が物語をかたち作っていくような作品になった。
取材:榑林史章
ちょうど1年前にリリースした前作『超ハジバム。』は、メジャーからの1stアルバムということで、自己紹介的な意味合いもある作品でした。そういう意味では、今回の『超ハジバム2。』はどんな作品になりましたか?
そもそも、シングルを入れることは決まっていて。「卒業サヨナラ。」は春の曲、「White Winter Love。」は冬、7月16日にリリースした「sumire。」は《梅雨の終わりに君と出逢った》と歌っていて。じゃあ、四季を表現しつつ、この13曲でひとつの物語を紡ぐようなものにしようって。
前作ではなかったような曲調もありますね。
そうですね。「マヤカシ♀。」のような、夜のギラギラとした世界観を歌ったのは初めてだし、それとは対照的に「sumire。」のカップリング曲「迷子。」のような闇の中で悩んで、か細い声で歌うハジ→もいる。前作からの成長を感じてもらえるものにもしたかったので、サウンド面でも新たなチャレンジをした曲がたくさんあります。1曲目の「ヘイ・ユ→!!!!。」はラップが強調されていて、“こういうのも歌うんだ!?”って驚いてくれるんじゃないかなと。
四季というテーマで言うと、4曲目の「more BEAUTIFUL☆。」は春を感じさせる歌詞で、トラックは和を取り入れたハウスサウンドになっていますよね。
先日、長野で小鳥のさえずりを聴きながら、山をボ〜ッと眺める時間があったのですが、改めて日本っていいなって。普段は都会に住んでいて、都会には都会の良さがあるけど、こういう日本の良さを忘れていたなって再確認しました。みんなにもそういう気持ちになってほしいです。
かと思えば、「Sea Side Holiday♪。」はハワイが舞台になった歌で、ウクレレが鳴っているという。
去年の9月にプライベートでハワイに行った時のことを歌っています。これがきっかけのひとつかもしれませんが、年明けにウクレレを買って、いつも持ち歩いて練習していて、結構弾けるようになりましたよ。
前作には、楽器が弾けなくても伝えたい気持ちがあればミュージシャンになれると歌った「楽器が弾けないミュ→ジシャン♪♪。」という歌がありましたが、ついに楽器が弾けるミュージシャンになったわけですね。
はい。ライヴでウクレレを弾いた時も、そういうツッコミがたくさん入りました(笑)。
「理想にJUMPッ♂。」はさわやかな前半に対して、後半からは急に遊び心がはじけていますよね。“断捨離”を連呼して、レゲエ調のラップも披露しているし。
こういう曲はいかにもハジ→らしいでしょ(笑)。理想に向けてジャンプしたいと思ったら、重い荷物は捨てないと高く跳べない。部屋の乱れは心の乱れとも言いますし…だから、心のお掃除をしましょうって。役目が終わったものは、感謝して処分して、そうやって身を軽くすれば、より高くジャンプすることができる。今も実際に、暇さえあれば断捨離していますよ。いかにシンプルに暮らすかがテーマなんですが、なかなか捨てられないのが人間で。使わないものでも思い出があったりするし。でも、出さないと入ってくるものも入ってこられないんです。みなさんもぜひ心の断捨離を!
そして、「音楽のチカラ。」ではTEEさんとコラボ。こちらは非常にメッセージ性の強い曲ですが。
今の僕の核になっているような曲です。実際に僕、音楽の持つ力を信じていて。音楽ってただ鳴っているだけの音じゃなくて、無音のところに音が鳴るだけで、人の心を動かすことができるし、影響を与えることができるんです。
TEEさんとは、以前から交流が?
はい。すごく仲が良いですよ。レコード会社も同じだし、共通のファンも多いし。何年か前に出会ってから、“いつか一緒にやりましょう”って言っていたんですけど、やっと一緒に歌いたいと思えるテーマが見つかって、今回声をかけさせてもらいました。ネットでTEEとコラボすると発表したら、すごく反響があって。シングルの「sumire。」ちゃんが嫉妬しそうなくらいの大きさで、僕らも驚きました。
歌詞には、お互いの地元のことも込められていますよね。
はい。TEEは広島の出身で、広島と言えば原爆という過去から数十年かけて復興してきた。僕は宮城県仙台の出身で、震災からまだ復興の途中にある。そういう部分でのシンパシーから、お互いの出身地のことも入れようというのがありました。震災で日本人としての絆を経験したこともそうだし、日本国民が気持ちをひとつにすれば、絶対にいろいろなことを変えられると思うんです。例えば僕やTEEとか、誰かひとりの信頼できるミュージシャンを先頭にして、そこに多くのファンが集まるライヴという場所では、本当に気持ちがひとつになれるんです。それをもっともっと大きくしていけば、日本を本当の意味でひとつにすることが可能だと思うし、世界だって変えられると思います。音楽にはそういう力があると、僕は信じているってことを歌っています。
他に、カントリー調の「ワンダフルデイズ。」や、ピアノが効いたサウンドの「茜色のちいさな手紙。」など、多彩な楽曲が詰まっていて。前作からの成長も感じられました。
成長は自分でもすごく感じました。一番は決断が早くなったことですね。あと、ちゃんと集中できるようになりました。制作期間の間は、携帯も切って朝からギラギラで曲と向き合って、断食すると頭が冴えると聞いたので、断食もしたりしたし。そうしたら、今まで到達できなかった次元まで到達することができたんですよね。そうやって、僕自身最高傑作だと思える作品になりました。だから、ひとりでもたくさんの人に聴いてほしいです!
・・・
『超ハジバム2。』2014年08月13日発売EMI Records
- 【初回限定盤(DVD付)】
- UPCH-29174 4104円
- 【NSVストア限定盤】
- UPCH-29174NSV 9180円
- ※初回限定盤+オリジナルクラッチバッグ
ハジー:2005年、地元仙台にて歌い手“HAZZIE”としての初舞台を踏む。10年1月にアーティスト名を“ハジ→”へと改名。ラップするように歌い、歌うようにラップする唯一無二のヴォーカルスタイルと、10000パーセント現場叩き上げの圧巻のライヴパフォーマンスから、“シンガーソング・エンターテイナー”を名乗る。13年3月、シングル「Only One。」でメジャーデビューを果たした。オフィシャルHP