【lynch.】『THE JUDGEMENT DAY』20
17年4月18日 at 新木場STUDIO COAST

撮影:土屋良太/取材:土屋京輔

 “THE JUDGEMENT DAY”と題された復活公演。2010年に行なわれた彼らのラスト・インディーズ・ツアーのタイトル“THE JUDGEMENT DAYS”にもちなんだものだが、もちろんその意味合いは違う。昨年末からライヴ活動を自粛してきたlynch.が掲げた今回の“審判の日”は、彼らが再び歩みを進めるための決意を表すステージである。

 満員の会場に姿を現した葉月(Vo)、玲央(Gu)、悠介(Gu)、晁直(Dr)。久しぶりのステージには、やはりどことなく緊張感も漂ってくる。そんな空気の中、オープニングに配されたのは「ADORE」だった。ファンとともに未来を切り開いていく…歌詞に込められた想いが、期せずして今と重なった瞬間、オーディエンスは自然とメンバーと気持ちを同じくしたはずである。

 “いろんなことがありまして…帰ってきました。待たせてごめんね!”。葉月の最初のMCにも高揚感が表れていたが言わずもがな、彼らのパフォーマンスには何の心配もなかった。実際に次々とお馴染みのマテリアルを繰り出すさまに感じたのは、ポジティブな意味でのいつものlynch.だ。脱退したベースの明徳に代わり、人時(黒夢)、Ryo(defspiral)、天野攸紀(元HOLLOWGRAM)、Natsuki(元DuelJewel)がサポート参加するイレギュラーな編成ではあったものの、この4人のベーシストが真摯にlynch.と向き合っていたからだろうが、不思議とそこに違和感を覚えることもなかった。

 冷静に考えてみると、それほど彼らが鳴らす音が勢いに満ちていたということかもしれない。機械ではなく、人間が奏でるからこそ表出してくる喜怒哀楽の感情。そこにより緊迫感も加わったこの日のサウンドと歌は、紛うことなきlynch.の今を体現していた。この空間を共有できている事実が誇らしく思えてくるほどだ。

 来る5月31日には新作『SINNERS-EP』がリリースされ、国内27カ所を回る『TOUR ‘17 「THE SINNER STRIKES BACK」』もスタートする。もう止まることはないだろう。ファンとの“約束”を果たすための旅路が、またようやく始まった。

セットリスト

  1. ADORE
  2. I’m sick, b’cuz luv u.
  3. GREED
  4. DAMNED
  5. DEVIL
  6. THE FATAL HOUR HAS COME
  7. ALL THIS I’LL GIVE YOU
  8. GUILLOTINE
  9. INVINCIBLE
  10. GHOST
  11. melt
  12. an illusion
  13. MELANCHOLIC
  14. D.A.R.K.
  15. VANISH
  16. EVIDENCE
  17. THE OUTRAGE SEXUALITY
  18. MIRRORS
  19. pulse_
  20. EVOKE
  21. <ENCORE>
  22. JUDGEMENT
  23. INVADER
  24. GALLOWS
  25. MOON
  26. <ENCORE2>
  27. A GLEAM IN EYE
  28. TIAMAT
lynch. プロフィール

リンチ:2004年8月、葉月と玲央と晁直の3人で結成。同年12月よりライヴ活動をスタートさせ、06年に悠介、10年に明徳が加入し現在の5人となり、6年にわたるインディーズでの活動にも終止符を打つ。11年6月、アルバム『I BELIEVE IN ME』でメジャー進出。その後もコンスタントに作品を発表。19年3月には『lynch.13th ANNIVERSARY-Xlll GALLOWS- [THE FIVE BLACKEST CROWS]』を幕張メッセ国際展示場にて開催し、約6000人を動員した。lynch. オフィシャルHP

OKMusic編集部

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