L→R 桐田勝治(Dr)、小林 勝(Ba)、真島昌利(Gu)、甲本ヒロト(Vo)

L→R 桐田勝治(Dr)、小林 勝(Ba)、真島昌利(Gu)、甲本ヒロト(Vo)

【ザ・クロマニヨンズ】個性の違う1
2曲をまとめて“GUMBO INFERNO”

お客さんを前にした時の独特のテンショ
ンがあるからライヴは楽しい

「ルル」はベースのリフが印象的でした。

甲本
ちゃんと覚えてないけど、あれは最初から鳴っていた気もするんだよね。“こうしたらどうだろう?”って。

そういうふうに、この曲にどうしてもこのフレーズを入れたいっていうのはあるのですか?

甲本
すごく覚えているのは、「ウォルターに一撃!」のハーモニカのリフ。あれはあったよ。あれが吹きたかった。「ダイナマイト・ブルース」もあのリフが吹きたかっただけ(笑)。あれだけと言っても過言ではない。

リトル・ウォルターはヒロトさんの好きなアーティストだと思いますけど?

甲本
普通に好きですよ。

ここで出てきたのは何か理由があるんですか?

甲本
何でかな、特にリトル・ウォルターっぽいフレーズも吹いてないんだけど。以前に“サニーボーイ”って歌いながら(「底なしブルー」)、サニーボーイのフレーズが出てこないこともあった。関係ないですよ(笑)。ハーモニカ吹くの、楽しくて好きですね。

マーシーさんのギターソロもその場でひらめくこともあるのですか?

真島
そういう時もあるし、バンドでやって鳴り始める時もある。
甲本
どの曲か忘れちゃったんだけど、スタジオに入ると、マーシーが“この曲のギターソロを先に録音させて”って。どうしたのって訊いたら、“昨日、お風呂に入っていて急にそのフレーズを思い付いて、泡だらけで出てきて忘れないように録音して、またお風呂に入った”っていう話をしててさ。“思い付いたばかりだから、忘れないうちに弾かせてよ”って、何かのソロを弾いたことあったよね。今回じゃなくていつかのレコーディングだったかもしれないけど(笑)、それがいいフレーズなんだ。
真島
全然覚えてない(笑)。でも、何かのきっかけで出てくることってあるよね。
甲本
考えてないつもりの時にポッと出てくる。考えるのをやめた時に出てくるとか、そういうのがあるんですよ。

バンドのレコーディングは早めに終わって?

甲本
2月中に録音は終わっていて、3月にミックスやマスタリングの作業に入ったんですけど。ローリング・ストーンズが来日する前に全部の作業を終わらせたかったんですよ。
真島
それまでに終わらせておかないと、心置きなく観れないじゃないですか(笑)。

ちなみに、ストーンズの来日公演は3回とも行かれたのですか?

甲本
うん、面白かった。今回は全部表情が違っていて。
真島
最高でしたよ。過去と比べたりはしないけど、今回は最高。

今回のレコーディングで印象に残っていることというと?

真島
覚えてないんだよね、ほとんど。
甲本
2月だからね。ドキュメンタリー撮ろうと思ったら大変なことになりますよ、撮れ高がなくて(笑)。
真島
ドラマチックなこととか熱い出来事とか、一切起きない(笑)。
甲本
ミーティングもしない、曲についてのアレンジとかまったく話し合わない(笑)。

あっと言う間に終わったのですね。いつもレコーディング後の晩御飯を楽しみにしているという話でしたけど。

甲本
今回は回転寿司が多かったな。そのぐらいは覚えている(笑)。
真島
でも今回、あまり食べなかったんじゃない?
甲本
回数的にね。そこは混雑するんですよ、家族連れとか来るから。5時前に行きたいんです。作業が始まるのが2時なんですけど(笑)、3時間ぐらいでパパパって録って、“今日はここまででいいんじゃないかな、だって3曲録ったもん”って自分たちに言い聞かせて(笑)。“ノルマは十分だよ、飯食う権利がある”とか言って(笑)。でも、毎回そんな感じだから。
真島
だいたい、スタジオの近所にある店に行くんですよ。それが今回は回転寿司だった。

特にこれを頼みたいネタ、外せないネタは?

真島
期間限定の品。これが結構いいんですよ(笑)。厳選されたネタで。最近はどこもわりと水準高いですよね。
甲本
期間限定はいっときますね。あと、変なのも好きで。豚の角煮が乗っていたり、チャーシューが乗っていたり(笑)。しかも、ある品でマヨネーズが多いからマヨネーズ抜きでって頼んだら、マヨネーズだけ乗って出てきた(笑)。これが最高の面白エピソードですよ(笑)。
真島
あと、ガリをお代わりした。席に着いた時にはパンパンに入っていたのに。
甲本
自分の注文が回ってくるまで、ダベりながらお茶飲んでガリを食ってるんですけど、気が付けばひと壺なくなってた(笑)。
真島
そういうことは覚えてる(笑)。
甲本
しかも、今回だけじゃなく、どのレコーディングの時もそういうことを繰り返しているから(笑)。

(笑)。“GUMBO INFERNO”というタイトルは、どういういきさつで付けたのですか?

甲本
成り行きで、みんなの雑談の中で出てきて。特にアルバムにテーマがあるわけでもないし、曲同士が響いているとしても図らずも響いているわけで、響き合わせようと企んでいるわけでもないから、本当にバラバラの12曲なんですね。それをまとめてひとつの名前で呼ぶのは不可能なんです。その不可能にチャレンジするんですよ、毎回(笑)。そうすると苦しまぎれで、何でもいいことになるんですけど。でも、決めたことで楽しみが増えるんです。“GUMBO INFERNO”になったからジャケットはこんなのにしよう、ツアーはこんなふうにしていこうって後付けで広がっていけるから、苦しんで良かったです(笑)。

ジャケットを見ると、文字通りガンボ・スープのようにグツグツ煮えて、闇鍋のようになっていて。

甲本
まさに闇鍋ですね。中から具がちょろっと見えてる(笑)。

その熱がいろいろな曲に共通しているのが感じられますね。10月からツアーも始まりますけど、今回もすごい本数で。

真島
ツアーの内容はまだ何も決まってないけれど、たぶんアルバムからの曲はやるんじゃないですかね。
甲本
まず、曲を思い出さなくては。コピーバンドみたいに。

前半はライヴハウスで後半はホールがいくつか決まっていますが、会場の差はあまり気にしないですか?

真島
そこは気にならない。どこでやろうと。
甲本
楽しみです。僕は演奏するということで、楽しさとか喜びを受け取っているんです。“お前らみんな楽しませてやるぜ!”っていうよりも、“うわー! 楽しみたい”っていうのが未だにあるから。自分が楽しみたい。ライヴはすごく楽しみですね。

その楽しさがこれだけの本数あるといいですね。

甲本
最高でしょ。バンドを応援しに来るんじゃなくて、みんなはみんなで心から楽しんでほしいですね。応援するのが楽しい人もいるかもしれないけど、いろんな人が観に来て、いろんなふうに受け止めてもらえれば。

それが一体となって、闇鍋になるような?

甲本
地獄のように楽しいライヴになりそう(笑)。でも、アルバムはほとんどライヴと同じようにレコーディングしていて。せーので全員が録るわけだから、ライヴでメチャメチャ変わったりはしないけど。それでもステージに乗っかって、お客さんを前にした時の独特のテンションってあるから、楽しみですね。
『GUMBO INFERNO』2014年09月24日発売Ariola Japan
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • BVCL-30018~9 3996円
    • ※紙ジャケット仕様
    • 【通常盤】
    • BVCL-598 3146円
    • 【完全生産限定盤(アナログ)】
    • BVJL-12 3146円
ザ・クロマニヨンズ プロフィール

ザ・クロマニヨンズ:2006年7月23日13時41分、『FM802 MEET THE WORLD BEAT 2006』に出現。その後、数々の夏フェスにも出現し、デビュー前から話題を呼んだ。そして、同年9月に待望のシングル「タリホー」でデビュー。22年1月に15枚目のアルバム『SIX KICKS ROCK&ROLL』、23年1月に16枚目のアルバム『MOUNTAIN BANANA』を発表。そして、24年2月に17枚目のアルバム『HEY! WONDER』をリリースし、同年2月16日より『ザ・クロマニヨンズ ツアー HEY! WONDER 2024』(全国43公演)を開催。ロックンロールをこよなく愛する4人が最強のロックンロールを響かせる!ザ・クロマニヨンズ オフィシャルHP

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