【水樹奈々】伝えたい気持ちがあふれて自然とチャレンジできました

    春にリリースしたアルバム『SUPERNAL LIBERTY』がチャート1位を獲得した水樹奈々が、30枚目のシングル「禁断のレジスタンス」をリリース。全曲で作詞を手がけるなど、多彩なチャレンジの詰まった一枚になった。
    取材:榑林史章

    表題曲の「禁断のレジスタンス」は、民族的なイントロから始まり、ロックやデジタルの要素、歌謡曲のテイストなどいろいろな感覚が融合されている曲ですね。表題曲の「禁断のレジスタンス」は、民族的なイントロから始まり、ロックやデジタルの要素、歌謡曲のテイストなどいろいろな感覚が融合されている曲ですね。

    TVアニメ『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(ロンド)』のオープニングテーマで、ファンタジーとデジタルの要素を融合させた曲を、というリクエストをアニメ制作チームからいただいていました。そして、デモ楽曲を集めていた時、この曲のイントロを聴いた瞬間に“これだ!”と満場一致で決まったんです。アルバム『SUPERNAL LIBERTY』でいろいろなジャンルとの融合を経験し、そこで得たものをフル活用して制作に臨むことができました。

    単なる前向きな歌ではなく、ダーティーな部分も感じられて、今までの楽曲とは少し雰囲気が違うと思いました。

    涙で顔はくしゃくしゃだけど、表情は笑っているような、ギリギリの精神状態に追い込まれた時に見える、相反する表情や美しさを表現できたらと思いました。アニメの主人公をはじめ、戦うのはみんな女の子なので、女性ならではの儚さや潔さや艶っぽさ、さらに“この人の裏側には何があるんだろう?”と知りたくなってしまうような、謎めいた部分も意識しました。歌詞は過酷な運命に翻弄される主人公が抱えるもどかしさや迷いを込めつつ、どこかに希望の光が感じられるものにしたくて…。ダークに寄りすぎず、でも明るい爽快な方向にも寄りすぎずという、絶妙なバランスを見つけるのに時間がかかりました。

    歌詞の《饒舌に空を舞うのも悪くない》というフレーズが、すごく心に響きました。

    実は、一番最初に浮かんだフレーズなんです。全ての自由を奪われた主人公が、唯一自由を感じられるのは敵と戦う時だけ…普段、素直な感情が出せなくても、その瞬間だけは、思わず心を解放してしまうのではと思って。作品に触れたことで引き出してもらえた言葉で、作詞家としても今回の曲では新しいチャレンジをさせていただきました。思春期にぶつかる独特のモヤモヤだったり、壁にぶつかった時の苛立ちだったり…アニメの世界だけでなく、実際の生活においてもシンクロする心情を描いているので、みなさんに共感していただけたら嬉しいです。

    2曲目のバラード曲「BLUE」は、水樹さんのライヴで客席がブルーのサイリウムで埋まる光景が目に浮かびました。

    劇場上映版『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』のエンディング主題歌ということで、“愛”をテーマに制作しました。そこで、私にとって一番“愛を感じる場所”を考えた時、ライヴでみんなと一緒に笑顔で歌っている光景が浮かんだんです。実は今年の夏のツアーで声が出なくなってしまった時、みなさんからたくさんの励ましの言葉やお手紙をいただいて…その愛に触れて、本当にものすごいエネルギーをいただくと同時に、たくさんの気付きがあって。当たり前なことはひとつもなくて、毎日が奇跡の連続…だからこそ、毎日を全力で、そして身近にいる大切な人やものにしっかり愛を届けたい。そんな気持ちを素直に込めて書きました。

    全編キーが高く、しかも全て地声で歌っていますよね。

    一部ファルセットになります。バラードは声も気持ちも丸裸になるので、ひとつひとつの言葉を大事に歌いました。高い音の連続で一瞬たりとも気が抜けず、腹筋がプルプルに(笑)。でも、レコーディングがツアー中だったこともあって、身体も声も温まっていて、とてもスムーズな収録でした。

    3曲目の「ドリームライダー」はストレートな応援歌なのですが、全編打ち込みの曲というのは水樹さんには珍しいですね。

    軽快に駆け抜けていくような弾んだ曲にしたかったんです。みんなで一緒に歌えるフレーズが随所に登場するので、ライヴでは思い切り盛り上がって、サビの“飛ぼう!”という言葉の後は、ぜひ一緒に跳びたいです(笑)。最近、私のライヴに初めて行きましたという方からたくさんお手紙をいただいて。はじめましての方もぜひ恥ずかしがらずに、思いっ切り歌って、一緒に踊って跳びましょう!というメッセージを込めました。

    ライダーだけに、バイクの音も使われていて。

    実はレコーディング中にタイトルが決まり、ライダーならバイクの音を入れたいよね!ということになり、急遽アレンジャーの方が自分のバイクでスタジオの近くを走って、それをiPhoneで録った音なんです(笑)。レーサータイプのフォォーンっていうちょっと高めの音が、曲のイメージにぴったりでした!

    今回はまったく違ったテイストの3曲で、全て水樹さん自身が作詞。チャレンジが詰まった一枚になりましたね。

    30枚目のシングルという大切な節目。ちょうどツアー中に制作していたこともあって伝えたい想いがあふれて…自然といろいろなチャレンジができました。でも、こだわった分、いつも以上に締め切りギリギリになってしまいました…(笑)。

    珍しくデニムとタンクトップというラフな衣装で映っているジャケットも、ある種のチャレンジかと。

    着飾らないナチュラルな自分がテーマでした。アニメでは、お姫様だった主人公が全てを失うところから物語が始まります。そこで戸惑い苦しみながらも、自分と向き合い成長していく姿から、どんなにボロボロになって傷付いても、心は常に華やかで気高く…そんな強い意志を感じて。そのイメージから今回のジャケット写真は生まれました。

    そして、来年はアコースティックライヴにもチャレンジするという。

    タイトルが“LIVE THEATER”なので、劇場のような雰囲気でお届けできたらと思っています。いつものライヴとは切り口の違う構成を考えていますので、しっとりと歌うだけではないアコースティックライヴになると思います。みなさんぜひ遊びに来てくださいね!
    「禁断のレジスタンス」
      • 「禁断のレジスタンス」
      • KICM-1542
      • 2014.10.15
      • 1234円
    水樹奈々 プロフィール

    ミズキナナ:声優、歌手として高い人気を誇る。声優としてのデビュー作は1997年のプレイステーション用ゲーム『NOёL〜La neige〜』門倉千紗都役。歌手としては2000年12月にシングル「想い」でデビュー。09年6月に発売された7枚目のオリジナルアルバム『ULTIMATE DIAMOND』で声優として初のオリコンチャート1位を獲得し、11年12月と16年4月には東京ドーム2デイズライヴも大成功に収める。また、NHK『紅白歌合戦』に6年連続で出場するなど、声優アーティストとして名実ともにトップを走り続けている。水樹奈々 オフィシャルHP

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