L→R HIDE-ZOU(Gu)、Tsunehito(Ba)、ASAGI(Vo)、Ruiza(Gu)、HIROKI(Dr)

L→R HIDE-ZOU(Gu)、Tsunehito(Ba)、ASAGI(Vo)、Ruiza(Gu)、HIROKI(Dr)

ASAGI(Vo)の顎関節症で活動休止を余儀なくされたDが最新シングル「HAPPY UNBIRTHDAY」を携えて復活! バンド史上屈指の開放感を持った今作に込められた思いをASAGIとTsunehito(Ba)に訊いた。
取材:帆苅智之

まずは活動休止の原因となったASAGIさんの顎関節症について聞かせてください。

ASAGI
7~8年くらい前に顎関節症と診断されて、最初は顎がズレて不安定だなと違和感を感じるだけだったんですけど、だんだんと痛みが出てきて、実はずっと痛み止めの薬を飲みながらやっていたんですね。で、前回の47都道府県ツアーのライヴ中に激痛が走って、そのライヴが終わった時に“これはそろそろまずいかもしれない”と。そのまま症状を無視してやっていて、悪化することで急に予定がキャンセルになるほうが迷惑をかけると思ったし、だったら年内まではしっかりとやって、そこから休むという結論を出したほうがいいかなと思ったんです。
Tsunehito
僕たちも“痛み止めが効かなくなってきた”という話は聞いていて、そんな中でツアーをやっていて…当たり前のことなんですけれども、ASAGIさんは痛くても絶対に手を抜かないので、ステージは全力でやっていたんですね。47都道府県ツアーは特に厳しいスケジュールでやっていたから、余計に負担がかかってしまったのかなと思います。

活動休止期間はどのくらいだったのですか?

ASAGI
復活ライヴが8月29日でしたから、約9カ月間ですね。最初は頻繁に通院して、4カ月間くらい経ってから痛みもだいぶんなくなってきて…ストレスがひとつの原因でもあるらしくて、なるべくリラックスした時間を過ごそうと思っていたんですけど、結局、何をやっていても作詞作曲のことを考えてしまうんですよね(苦笑)。映画を観ても、“あ、こういう感じを曲で表現したらどうなんだろう?”とか(笑)。
Tsunehito
他のメンバーは休止している期間、活動再開に向けた曲作りをしていたんですけど、曲に込める気持ち…今まで応援してくれたファンに対する感謝の気持ちや、復活に向けた気持ちをどうやって曲に込めて作っていけばいいのか、ASAGIさんにも相談して、“こんなふうに作ってみたらいいんじゃない?”とか、そういうやりとりはしていましたね。

ASAGIさんの身体が癒えてくるに従って、徐々に復活に向けて動き始めて…という感じで?

ASAGI
休止期間中は常に復活のことを考えてました。顎関節症は完治するものじゃないのでどこまで症状が良くなるか分からなかったし、いつ戻ってこれるか分からなかった…最初はネガティブな活動休止だったので、復活のイメージはとにかく明るく持っておこうと思っていたんです。前向きになれるような曲を作って、その曲に集中、専念することで自分自身が前向きな気持ちになることにもつながるんじゃないかと…そのイメージはずっと持ってましたね。

そうでしたか。実際、「HAPPY UNBIRTHDAY」はD史上屈指の解放感を持ったメロディーになりましたね。

ASAGI
最初に出てきたのは《Yeah!》というコーラスが入っているセクションだったんですよ。“どうやったらハッピーな気持ちになってもらえるのか?”“どうしたら自分自身がハッピーな気持ちになれるのか?”ということを考えた時、人間って大きな声を出すことでストレスを発散できたり、前向きな気持ちになれると聞くので、“大きな声を出すことがいいんじゃないかな?”と思って、それでまずそのセクションができて、その後でAメロとイントロができたんですよ。《Yeah!》のセクションってものすごく盛り上がるところじゃないですか。

所謂コール&レスポンスができるところですね。

ASAGI
だから、逆に“サビをどうするか?”をものすごく悩みました(苦笑)。いつもはサビから作ることが多くて、そこから肉付けしていくんですけれども、今回は最後にサビだったので、時間はかかったし、悩みましたね。サビがきてガッカリするようでは絶対にメイン曲にならないから、とにかく突き抜けるようなサビを突き詰めていったら、このメロディーが浮かんで、“もうこれしかない!”と思いましたよ。

歌詞は細かく訊く必要を感じないほど、外に開かれた内容で、Dの音源を聴いてくれるリスナー、Dのライヴにきてくれるオーディエンスに対して“一緒に楽しみましょう!”というメッセージソングですよね?

ASAGI
その解釈でいいと思います。復活の時に打ち出すものは突き抜けていて、みんなが喜んでくれるような曲じゃなきゃダメかなとずっと思っていたんです。Dの歌詞は“ただ物語を描いている”と誤解されがちなんですけど、全曲必ず現実とリンクさせているので、それは今回もそうで…ストレートに言う良さもあると思うんですけど、オブラートに包むことによって心に染み渡るような表現もできると思っているので、さまざまな角度から考えて、出来上がった時は“これしかない!”という達成感はありましたね。

“HAPPY UNBIRTHDAY”という言葉選びがいいですよね。特別な日じゃなく、何気ない日常を祝福するという。

ASAGI
その通りです。毎日生きていること自体が幸せだと思えれば、さまざまなことを乗り越えていけるんじゃないかと思ったんです。

カップリング曲「Funny Bunny!」も、まさにポップと呼ぶに相応しいメロディーを持った楽曲になりましたが、これもまた復活に向けてのポジティブさが反映されたものと解釈していいでしょうか?

Tsunehito
そうですね。最初にシングルの表題作として「HAPPY UNBIRTHDAY」をASAGIさんから聴かせてもらって、復活に向けて“ハッピー”を打ち出していきたいという話もメンバー全員が聞いていたので、やっぱりサビではパーッと開けるイメージを特に意識して作っていきました。曲が始まる時にはヘヴィな部分があったり、シャウトするところもありますけど、サビでは跳ね上がるような感じを意識して作りましたね。
ASAGI
その“跳ねる感じ”は瞬時に掴むことができたので、歌詞の《ヘンテコなウサギが跳ねる!》というフレーズが真っ先に出てきました。サビでみんなでうさぎになってジャンプしてもらおうと思って(笑)。みんなで作り上げるハッピーな空間というか、ファンが喜ぶ姿を観て自分らがハッピーになって、自分らのハッピーな姿を観てもらってお客さんにもハッピーになってもらうという、ハッピーの連鎖みたいなものを起こしたいという意識があったので、「Funny Bunny!」はサビで出てきたイメージを追及するにあたって、これはサビから歌詞を書きましたね。

そうですか。今回のシングルは、いずれにしても復活への気持ちと、これまでDを支えてくれたリスナー、オーディエンスに向けた気持ちが詰まったものになったことは間違いないようですね。

ASAGI
“感謝”という言葉に尽きますね。日々に感謝、ファンに感謝、関係者に感謝。バンドで感謝の気持ちを音楽で表してみたいという思いがすごく強かったです。
「HAPPY UNBIRTHDAY」2015年09月16日発売CJビクターエンタテインメント
    • 【限定盤A-TYPE(DVD付)】
    • VUZJ-34 1944円
    • 【限定盤B-TYPE】
    • VUZJ-35 1944円
    • ※豪華ブックレット付
    • 【通常盤C-TYPE】
    • VUCJ-30011 1296円
    • 【限定盤D-TYPE】
    • VUCJ-30012 839円
D プロフィール

ディー:2003年4月、ASAGIとRuizaを中心にバンドを結成。2005年に現メンバーとなる。世界観を重視した、ドラマ性を持った作品を次々に発表し、08年にメジャーデビュー。ASAGIの独特の世界観を重視した、ドラマ性を持った作品が特徴。そんなDの作り出す唯一無二の独特の世界観は、ティム・バートン監督にも愛されている。D オフィシャルHP

OKMusic編集部

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