【Daiki (LOST ASH)】自分を丸裸にし
た上で歌をもっと磨きたい

LOST ASHのヴォーカリスト、Daikiの新たな挑戦がスタートしている。“武者修行”と称してアコースティックスタイルでライヴを行ない、デモ音源を会場販売と精力的な活動を展開しているのだ。バンド活動と並行して、新たなフィールドに踏み出したその理由とは?
取材:山本弘子

現在、オフィシャルHPに“心を揺さぶる唄を表現できるアーティストになるため、武者修行をすることにしました”というメッセージがアップされていますが、LOST ASHと並行して、ソロ活動を行なうことにしたいきさつは?

きっかけは去年、LOST ASHがパク・ジョンミンさんというK-POPの歌手の方に楽曲を提供したことから始まるんです。彼のミニアルバムに曲を提供していた作曲家の方が書いた「愛をください」という曲がすごく好きで、お会いする機会があった時に“いつか僕も歌ってみたいです”と伝えたら、“じゃあ、今度、Daikiバージョンで歌ってみたら?”って言ってくださって、試しにアコギとヴォーカルだけで歌ってみたら、すごく気持ち良かったんです。その時にLOST ASHとはまた違うジャンルのいい曲に触れていきたい、歌っていきたい、と思ったんです。

それまでバンドスタイルのみで歌ってきたから、余計にそう思ったのでしょうね。

そうなんですよ。バンドの轟音の中で歌うのとは違ってギター1本をバックに歌うと、自分の歌の欠点も良いところも露わになるので、ヴォーカリストとして成長するためにも“これはやらないといけない”って感じたんです。そこから作曲家のアッキーさん(清水彰範)が自分のために曲を書いてくださるようになったんですけど、今まで歌ったことがない音と音に隙間があるバラードだったり、新しい発見だらけで、ここで得たものをLOST ASHに還元したいと思ってます。そんな経緯があって武者修行として8月からソロライヴをスタートさせたんです。

LOST ASHでは体験できない違う世界にチャレンジしていくという意味での武者修行?

そうですね。武者修行って“自分を磨く”ということじゃないですか。その真ん中には“歌”があるんですが、自分のパーソナルな部分も磨いていって、もっといろんなものに触れてメンタル的にも成長していきたいという想いがあるんです。例えば、8月にbay fmのラジオ番組『Live LIVE Life』のパーソナリティーを担当させていただいたんですが、ひとりだから単純にバンドの4倍話さないとならないわけで、いろんな局面で鍛えられるんですよね。今は自分を丸裸にして、良いところも悪いところも受け入れた上でもっと磨いていきたい。そういう想いでの武者修行です。

なるほど。ソロライヴではフォトブック付デモCDを会場販売していますよね。シンプルで温かみのあるサウンドとDaikiさんの声がマッチしていて新鮮な驚きがありました。

ありがとうございます。今は自分の歌を真ん中に置いて、イメージした通りに歌えているのか確かめるためにレコーディングしている部分もあるので、あえて“デモ”と表現しているんです。まだ納得できていないし、未来を想像した時、きっとこの歌たちはいつか録り直すだろうって。どんどんアップデートしていきたいんですね。僕を応援してくれる人には、その成長過程も見てほしかったので“ソロとしてのスタート地点は今、ここですよ”っていう意味合いもあります。フォトブックに関しては、より自分のパーソナルなところを見てほしいという気持ちですね。ロンドンで楽しみながら撮った写真なので、これまでになかった自然な表情で写っていたり、LOST ASHのDaikiを知っている人は驚くと思うし、初めて見る人には自分という存在を知ってもらいたいと思ってます。

では、チャレンジした楽曲たちについて教えてください。まず第一弾、バラード「レクイエム」は歌詞を含めて、かなり切ない曲に仕上がっていますね。

はい。この曲は誰もが経験する身近な人の死がテーマになっているんです。実は、春に大切な仲間の死を経験しました。2度と会えなくなって、“こうしておけばよかったな”“ああ言ってあげればよかったな”と思うことがあると思うんですけど、別れに直面した時の孤独…というひと言では言い切れないですけど…。

喪失感だったり、空っぽな気持ちだったり?

そう。最初は空っぽになった時の気持ちをイメージして歌ったんですけど、そうすると声に力が入らなくなるんですよ。今までに歌ったことがないタイプのバラードなので、実は「レクエイム」が自分にとって一番の課題曲なんです。ハードルの高いものからチャレンジしたかったから、この曲をまず発表したかったんです。

第二弾の「ピエロ」は透明感のあるやさしい曲ですね。

最初に聴いた時に風が吹いている印象を受けた曲ですね。柔らかさと温かみがあって、歌入れの時はひとつひとつの言葉を大事に届けようと思って歌いました。

自分の居場所を探して彷徨っている人へのメッセージ?

そうですね。この歌を聴いてどこかで救われる気持ちになってくれたら嬉しいです。

ソロ活動のきっかけになった「愛をください」はライヴで歌っている曲で、まだ音源化はしていないんですよね。

ええ。僕自身はこの曲のサビの《愛をください》というワンフレーズにやられてしまったんです。そんな言葉、日常では誰も言わないけれど、歌にすると訴えかけるものがあって、曲自体にパワーがあるんですね。いつか誰にも負けない「愛をください」を歌えるようになりたいと思ってます。とにかく今は歌のスキルアップに集中して常に新曲をライヴで発表しながら、作詞・作曲・アレンジのポイントも学ばせてもらっています。将来的にはソングライト、トータルプロデュースまでやりたいですね。

話を聞いていると、音楽も飾り気のない丸裸な曲を歌っていきたいのかなとも思いました。

いろんな音楽がありますけれど、誰が聴いてもいいと思う歌ってあるんじゃないかなと思うんですね。ビジュアル系には生活感のある歌は似合わないかもしれないけれど、個人としてならアリなんじゃないかと。修行中の身ですけれど(笑)、ぜひライヴにも観にきてほしいですね。
「Daiki’s LIFE vol.2」
    • 「Daiki’s LIFE vol.2」
    • Daiki Photobook+DEMO CD
    • 2015.08.27
    • 2000円
    • 「Daiki’s LIFE vol.1」
    • Daiki Photobook+DEMO CD
    • 2015.08.27
    • 2000円
Daiki プロフィール

ダイキ:2009年12月22日より活動を開始した横浜出身の4ピースV系バンド、LOST ASHのヴォーカリスト。14年より始めたヴォイストレーニングをきっかけに、さまざまなシンガーの歌に触れ、いろいろなジャンルの人たちと出逢ったことで、多くの刺激をもらい、心を揺さぶる唄を表現できるアーティストになるため、武者修行をすることを決意。15年8月13日の幡ヶ谷36°5でのアコースティックライヴより武者修行活動をスタートさせ、2種類の「Daiki Photobook+DEMO CD」も販売を開始した。Daiki (LOST ASH) オフィシャルHP

LOST ASH プロフィール

ロスト・アッシュ:2009年12月22日より活動を開始した横浜出身の4ピースV系バンド。エモーショナルな疾走感、ラウドなビート感、キャッチーなメロが融合したハイブリッドロック。そしてストレートな歌詞は心を撃ち抜く。毎回、燃え尽きるライヴは必見。V系の枠を越えて口コミで若い女性を中心に注目を集めている。15年7月にイギリスにて開催された『HYPER JAPAN』にも出演し、国内外から注目を集めている。LOST ASHオフィシャルHP
LOST ASHオフィシャルYouTube
Wikipedia

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