L→R KENTA(Dr)、MOMIKEN(Ba)、IKE(Vo)、UZ(Gu&Programming)

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【SPYAIR】新しい風を吹かせて振り切
った極端なもの

一時活動停止を経て4人が辿り着いた、約2年振りのアルバム『4』。多彩なジャンルに挑戦し、さまざまな新風で振り切った楽曲が並んだカテゴライズ無用の“これぞSPYAIR”と呼べる作品が完成した!
取材:榑林史章

どんなジャンルの曲をやるにしても、縛
られず振り切って極端にやりたい

前回のアルバム『MILLION』では、UZさんが設計図みたいなものを描いて、そこに当てはめていくかたちで曲を作っていったと話していましたが、今回のアルバムに関しては事前にどんな準備をしていましたか?

UZ
前回の設計図ほど細かいものではなかったけど、テーマみたいなものはいくつかありました。ひとつはプロデューサーを迎えることです。『MILLION』はセルフプロデュースで作って、やり切った感はあったので、プロデューサーを迎えることで、新しい風を吹かせられるんじゃないかと。あともうひとつは、極端に作ることもテーマでした。どんなジャンルの曲をやるにしても、縛られず振り切って極端にやりたいな、と。SPYAIRはこうじゃなきゃダメだ!という枠を軽々と越えて、1曲ずつ作っていけたらなというのがありました。でも、そういうテーマのもとにいくつか曲を作った時点で、例の出来事があって…。音楽から離れたフワッとした時期があり、本格的に復活すると決まってからの時期もあったり…なので、結果的にはひとつのアルバムを見据えて作るということよりも、その時々で作っていった曲が集まって、このアルバムになったという感じです。だから、感覚的にはこの2年間をリアルに詰め込んだような感じですね。

一曲一曲にその時期ごとの4人の気持ちが込められているわけですね。タイトルの“4”は、改めてメンバー4人でやって行くんだという強い気持ちを託して付けたのですか?

MOMIKEN
それもあるし、4枚目の意味や“For~”とか。「4 LIFE」という曲もあるし。聴いてくれた人が感じてくれたまま、いろんな意味に捉えてもらえたらいいなと思って。

その「4 LIFE」はIKEさん以外の3人で作った曲なわけですが、ストレートで胸がアツくなる、このアルバムを象徴する一曲ですね。

UZ
去年のZeppツアーが一旦中止になって、ツアーを再開するまで2週間の空白があって、その時期に作った曲です。気持ちはライヴに向かっているのにそれが叶わない歯がゆさがある上に、バンドがその後どうなるかも、誰が歌うのかも分からないまま、抱いていた気持ちを吐き出すようにして作りました。そういう状況の時って、捻ることとかはなかなか考えられないものなんですよね。それで、とにかく良いメロディーの曲を作りたい一心でした。
MOMIKEN
当時はこれをステージで歌い続けていれば、きっとどこかでIKEが耳にして、必ず戻ってきてくれるはずだという希望を込めていて…その時の俺ら3人の気持ちのこもった曲なので、それをそのままパッケージしたいと思ってレコーディングも3人だけでやりました。
KENTA
要は、IKEへのサプライズ曲っていうか。

IKEさんは、聴いてどんなことを感じましたか?

IKE
複雑な気持ちもあったし、正直しばらくは聴けなかったです。時間を置いて、この曲がアルバムに入ることが決まってから聴いたんですけど、単純に良い曲じゃん!って思いました。その瞬間ですね、俺がこの曲をアルバムの1曲として受け入れることができたのは。

自分で歌いたいとかは思いますか?

IKE
良い曲だなとは思いますけど、まだそこまでの気持ちにはなれないです(苦笑)。
UZ
正直、俺らもまだ冷静に聴けないくらいなので(笑)。
MOMIKEN
この曲が入ったことで、“4”というタイトルの意味にも少し重さが加わった感じがします。

ファンはどんなふうに感じるんでしょうね。

IKE
きっとストーリーの一貫として聴いてくれるんじゃないかな。俺らにはストーリーがあるから。
KENTA
自分で作っちゃったんだけどね(笑)。
IKE
そう。ストーリーを作っちゃったので、それに沿った曲が生まれるのは当然だと思う。これは他のバンドにはマネのできないことだって思います。ただ、ライヴでこの曲をやる時は、俺は客席で聴いていればいいのかな?
UZ
目の前でIKEが聴いてるのはキツいな〜(笑)。

こういうIKEさん以外のヴォーカル曲をアルバムに入れられるのも、SPYAIRの懐の深さだなと思いますね。

IKE
「4 LIFE」はUZがメインヴォーカルなんだけど、アルバムを通して聴いた時、ずっとひとりの人間の声だけだと、やっぱり重たいですよね。マイクを変えようが、歌い方を変えようが、ずっと同じ定位にその声があるのは。アルバム単位で聴いた時に邪魔になるというか。だから、今回のアルバムではUZの声もあるし、JASMINEの声があったり、声優さんに声を入れてもらった曲もあるし…いろんな声色を入れたことで、聴きやすい作品なったと思います。
UZ
声は曲の中で占める割り合いが大きいから。極端なことを言うと、5人組のアイドルなんかだと飽きずに流れるようにして聴けるんですよね。これってすごいことだなと常々思っていて。今回のアルバムは、それを極端にやった感じです。
IKE
そういう意味でひとつ言わせてもらうと、「4 LIFE」は3人全員で歌うべきだったんじゃないの?
KENTA
あぁ〜。IKEは知らないと思うけど、制作の過程では実際にそういう話も出ていて、いろいろ考えていった上で、一周回って今回のかたちになっているんで。
IKE
そうだったんだ。なんか、口はさんですみません(笑)。

OKMusic編集部

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