【Saku】聴けば高校生時代の気持ちに
戻れるタイムカプセル

昨年シングル「START ME UP」でメジャーデビューしたSakuが、ニューシングル「春色ラブソング」をリリース。青春時代の淡く大切な想いを、ポップな曲調に乗せて歌った胸キュンナンバーに仕上がった。
取材:榑林史章

今作ではデビューシングル「START ME UP」のアコースティックバージョンも収録し、全体的に卒業とか新生活のシーンでたくさん聴いてもらえそうなシングルになりましたね。

はい。「START ME UP」が映画『ビリギャル』の劇中歌だったことで、昨年は高校で特別授業や、修了式などで歌わせていただく機会があって、自分が高校生だった頃を思い出すことが多くて。それで今回は、音楽を始めた頃に感じていた気持ちとか、高校を舞台にした曲を書いてみたいと思ったんです。

「春色ラブソング」はタイトルとか歌詞は、どこか少女漫画っぽいですよね。

最近、高校の時以来に少女漫画をまた読み始めていて、ちょうど心がキュンキュンモードになっていたんです(笑)。

歌詞は高校卒業間際の女の子が自分の想いを伝えたいと頑張るストーリーですが。

3年間ずっと一緒にいた生活に終わりが近付いてきた時の気持ちって、どういうものだったかな?って、思い出して書きました。卒業したくないという気持ちもありつつ、未来に対してのワクワクもある。想いを高校生のうちに伝えておきたいというのは、きっとみんなあると思うんです。その時にしか伝えられない言葉があるし。あと、今回は高校の時から携帯小説を書いている現役大学生の阿部伶香さんとの出会いもあって、歌詞のストーリーを一緒に制作したのもとても新鮮でした。主人公は野球部じゃなくてバスケ部がいいとか、女の子は元気系なのか自信がない系なのかとか、ふたりでご飯を食べながら妄想して、細かいプロフィールとか設定を考えて。その上で歌詞を書いています。

より、今の高校生に刺さるものを目指したと。

とは言え、いろんな世代の方に聴いてもらいたいです。これを聴けば高校生の時の気持ちに戻れる、タイムカプセルみたいな感じで、その頃を思い出してほしいですね。

台詞っぽくなってるところが印象的でした。

“今のはキュンときた!”とか、作曲やアレンジをしてくださった中村瑛彦さんに、“キュンとくるかどうか”を基準にディレクションしてもらいました。今までは自分で曲を作って、自分の気持ちを歌うということが多かったんですけど、今回は歌っている私も含めて、聴いてくれた方が歌の主人公になれるものがいいなと思っていて、中村さんのデモを聴かせていただいた時に、歌詞の中の主人公になれそうだと一瞬で心を掴まれました!

カップリングの「同じ空」では、Sakuさんが作詞作曲をされていますね。

曲は以前にデモを作っていたものなのですが、歌詞はある映画にヒロイン役として出演して、生まれて初めて演技をさせてもらった時の気持ちを書いたものなんです。

女優デビューしたんですか!?

バンタンデザイン研究所の学生さんが「Lost In Translation」のMVを録ってくれたご縁で、卒業制作の映画に出演してもらえませんか?と誘っていただいたんです。20分のショートストーリーでしたけど、仕草とかすごく難しくて。でも、表現という面では歌も演技も同じだと思ったので、とても勉強になりました。主人公は小説家を目指していて、私はその彼女でシンガーソングライターを目指しているという役で、お互いの夢を支えながら、それぞれの夢を追っていくという物語でした。歌詞はそれになぞらえつつ書いて…でも、同じ空は恋人だけじゃなく、家族や応援してくれるみなさんとも一緒に見上げたいですね。

「春色ラブソング」に通じる、分かりやすさを感じました。

よりキャッチーなメロディーにしていきたいと考えていて…何度も聴きたくなるメロディーというか。そのメロディーにはその言葉しかないと思えるくらい、一体となったものを目指してどんどん作っていきたいです。

そして、冒頭で触れた「START ME UP -Acoustic ver.-」。

もとの音源にアコースティック楽器をダビングしてこのかたちにしていただいて、歌も新たに録り直しました。デビューしてから何度も歌ってきた曲で、今だからこそ歌える「START ME UP」があるというか。デビュー前と今では考え方も気持ちも違うし、そういう私の中での変化とか成長に、この曲がずっと寄り添ってくれているんですよ。フェスとかたくさんのライヴで歌ってきたからこそ出せる、声や表現があると実感しました。

では、最後にSakuさん個人として、この春新たな一歩を踏み出したことは何かありますか?

大きいのは、タワーレコードを昨年辞めたことです。4年間務めていたので、辞めるのは不安もあったし、ライヴハウスで物販に立てなくなるのも寂しかったんですけど…。

どうして辞めようと?

音楽に打ち込むためです。昨年は『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』など音楽フェスに出させていただいたのですが、フェスってお客さんが集まったり集まらなかったり、人気の度合いが如実に出るじゃないですか。そこで本当にまだまだだなと実感したし…何より、私がアーティストとして活躍することが、タワレコのスタッフのみなさんや、ずっと応援してくださっているみんなへの恩返しにもなると思うし。ひとりでも多くの人を私の音楽でハッピーにしていきたいという目的のためにも、働いていた時間を音楽に充てようと。と言っても、メジャーデビュー後は週イチくらいしか入れていなかったので、それでタワレコ店員って名乗っていいものか?というのもあったんですけど(笑)。今後は“タワレコ店員のSakuちゃん”ではなく、“Sakuちゃんって、元タワレコ店員だったんだ!”と言ってもらえるように頑張ります!
「春色ラブソング」
    • 「春色ラブソング」
    • AICL-3047
    • 2016.02.24
    • 1000円
Saku プロフィール

サク:横浜出身、24歳の女性シンガーソングライター。2015年4月29日、SPACE SHOWER MUSICより1stアルバム『FIGHT LIKE A GIRL』と、有村架純主演の映画『ビリギャル』劇中歌「START ME UP」のメジャーシングルと2作の同時発売で異例のメジャー進出。
2017年4月からは地元FMヨコハマにてラジオDJとしても活動中!Saku オフィシャルHP

OKMusic編集部

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