【GILLE】今の私が思っていること全
てを詰め込んだ
“オトナ女子”に向けたリアルが詰まったコンセプトアルバム『REAL』。リアルな葛藤とともに、“オトナ女子”だからこその人生の楽しみ方がぎゅっと詰まった共感できる一枚だ。
取材:吉田可奈
『REAL』は1年7カ月振りのオリジナルアルバムですね。
はい。前作『TREASURES』をリリースした後、次はどんなアルバムを作ろうと考えた時に、“今の自分を100パーセント、そのまま書いたアルバムにしよう”というコンセプトが浮かんだんです。そこから楽曲制作のペースはすごく速かったですね。
“100パーセントの自分”ということは、日常から生まれるものが多いからこそ、曲が書きやすかったのでは?
そうですね。曲の全体像がイメージしやすいからこそ書きやすいんですが、その分、自分のボキャブラリーのなさに直面したんです。そこで自分の語彙を増やそうと、本を20冊買って読むことにしたんですよ。でも、自分が好きな本でないと読み進められないので、興味のある本だけを選んだら、5冊が自己啓発本で、残りの15冊が経営学の本だったんです。
それって、歌詞になるような語彙は増えないのでは…
そうなんです!(笑) これらの本を読んでも、まったく語彙が増えないことに10冊目くらいで気付いたんですよ。私っていつも、やりたいこととやっていることがちぐはぐになってしまうんですよね。そんな自分にイライラしたことをそのまま歌詞にしたのが「らしく」と「Sky」なんです。
でも、ちゃんと曲になったんですね!
20冊読んで2曲ですよ! ものすごく燃費が悪い! アメ車よりも燃費が悪いですよ!(笑) 本当なら1冊につき1曲は生まれてもいいくらいなのに!
あはは。でも、そこで生まれた「らしく」は、GILLEさんと同年代の“オトナ女子”にはすごく響く曲だと思います。
ありがとうございます。20代の初めのうちは、喜怒哀楽がはっきりしていて、自分の中のグレーな部分を認めることができなかったんです。全部黒か白かはっきりしたくて、反抗したり、立ち向かってみたり…。でも、ある程度大人になると、それを受け止めることが必要だったりするんですよね。前は見過ごせなかったことがちゃんと客観視できるようになる…それは我慢するということとは違って、“自分はこう思っているんだ”というのを共有してくれる仲間がいてくれればいいと思えるようになってきたんです。もちろん、まだ葛藤することも多いけど、少しずつ受け止められるような大人に近付いている気がして、この瞬間の気持ちを曲にしようと思ったんです。
ゴスペラーズがコーラスで参加している曲「Shake it !!feat.ゴスペラーズ」も入りますね。
以前、イベントでご一緒した時に、未完成のこの曲を披露したら、ゴスペラーズのみなさんが“いい曲だね”と言ってくださったんです。それをきっかけに一緒に歌えることになりました。こんな素敵な方たちとご一緒できるのはすごく嬉しいことだし、私の理想でもあるので、とてもいい経験になりました。
その理想というのはどんなものでしょうか?
いつか私がチャカ・カーンさんくらいの年齢になったら、新人のワンマンライヴにいきなり登場して荒らして帰るくらいのファンキーなシンガーになりたいんです(笑)。年齢やレーベル、キャリア関係なく、いいと思う曲をお互いが尊敬するアーティストさんと歌えるのはすごく夢があることですよね。
乱入する姿がすぐ想像できます(笑)。それにしても、今のGILLEさんだからこそ書けた曲ばかりですね。
はい。今の私が思っていること全てを詰め込んだ一枚になりました。ゆっくりじっくり作ったので、ゆっくりじっくりライヴで届けていけたらと思っています。
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『REAL』2016年03月02日発売UNIVERSAL J
- 【初回限定盤(DVD付)】
- UPCH-7121〜2 3240円