L→R Yuh(Gu)、瑠伊(Ba)、智(Vo)、Tohya(Dr)、海(Gu)

L→R Yuh(Gu)、瑠伊(Ba)、智(Vo)、Tohya(Dr)、海(Gu)

【vistlip】“vistlipとは何か?”を
考え、辿り着いた場所

五感をテーマにしたミニアルバム『SENSE』をリリースするvistlip。この作品にはメンバーそれぞれが制作した楽曲や、全員で作ったナンバーも収録されている。5人の個性がぶつかり合う一枚について、智(Vo)、海(Gu)、Tohya(Dr)が語る。
取材:桂泉晴名

なぜ、今回『SENSE』というコンセプトのミニアルバムを制作しようと考えたのでしょうか?

もともとvistlipは“vista”(視覚)と“lip”(聴覚)で構成されたバンドなんですね。でも、アルバム『LAYOUT』の制作を経て、“今後は視覚と聴覚だけじゃなく、全てで楽しめるバンドになりたい”ということで、昨年12月に『Right side LAYOUT[SENSE]』というライヴを行なったんです。ミニアルバムはその先にあるものとして位置付けているので、聴覚、視覚、味覚、嗅覚、触覚という五感をテーマにしています。

最初は聴覚を表す、海さんの曲「Chaplin」ですね。

曲が速くて勢いのある曲なので、まさか“Chaplin”というタイトルが出てくるとは思ってなかったです。もっと強いタイトルが入ってくるかなって考えていたので。“よくそんなタイトルが出てきたね”と驚いていたら、智がすごく嬉しそうな顔をしながら“え?”って言っていました(笑)。
“音”というものを考えた時に、チャップリンが思い浮かんだんですよ。彼の作品で台詞が当てられたバージョンを観たことを思い出して。“もうチャップリンはいないし、この作品はいつ作られたのかな?”と思い、“そのような台詞で、チャップリンは良かったのかな?”と想像してみたんです。

5曲目の嗅覚はTohyaさん作の「Rosalia Lombardo」なのですが、心に響くバラードナンバーですね。

Tohya
普段、Yuhはあまり曲を褒めたりしないんですけれど、珍しくミックスチェックの時に“この曲は、じわじわと良さがくるね”と言ってくれました。
テンポ感や空気感は、ギタリストが好きな曲だと思う。
Tohya
バラードでガッと弾ける感じが、たぶんいいのかな。僕もライヴでは静かな曲という感じじゃなくて、それこそ感情を込めて、激しく叩くんじゃないかと思います。

Yuhさんの激しい楽曲「Imitation Gold」のタイトルも、“この詞からこのタイトル!”という意外性がありますよ。

“本当は味オンチ”とか、実は違うっていうもので連想していって、このタイトルになりました。“Imitationに続く言葉を考えてほしい”という指示をみんなに出したんですけど、カッコ良いものがなかなかなくて、タイトルは結構悩みましたね。

もう1曲が、瑠伊さんのキラキラした「As You Know.」なのですが。

瑠伊の曲はポップだったりするけれど、メンバーがしっかりvistlipにしていけば、きっと大丈夫だと思って。
一番手間がかかりました。瑠伊に“どのくらいやっていい?”と方向性を確認しながら使うギターを選んで。1回目に録ったのはロック感が出ていたけど、もっと輪郭をはっきりさせたいと思い、ギターを変えて一部作り直したんです。
Tohya
僕もこれが大変でした。智から“Aメロとかで使っている、走っているようなリズム感を多用してほしい”という要望があって。それをサビとかに全面的に盛り込むと、曲自体成立しなかったので、いろいろ工夫しましたね。とにかく展開がめまぐるしく、プレイヤー側からすると普通の曲ではない。複雑なリズムパターンもすごく多いです。

そして、リード曲の「La Vista」は5人で作られたとか。

Tohya
これはちょっと特殊な作り方をしました。僕が最初にド頭のテーマを作って、それをYuhに渡し、ギターリフのイントロを付けてもらって、それからAメロを海が作り、Bメロを瑠伊が作り、最後また僕に戻ってくるという。サビとかその後は、全部僕が作ったんですけれど。

5人で作ってみて、何か新しい発見はありましたか?

Tohya
“海って曲作れるんだ!”という感じはありました(笑)。ゼロから曲を作るんじゃなくて、あるものに足していくっていうのは、ちゃんと理解していないと難しいと思うんですよ。でも、見事にきれいなAメロをはめてきたから。
俺も“やったらできるもんだな”って思いました(笑)。
海の曲だと、普段は変な譜割になるんですよ。常にこういうメロディーだったら、詞を書きやすいのに。だから、“何でこのAメロを作れるのに、いつも変な譜割なんだよ!”って言ったら、“いつも普通じゃ、つまんないだろ”って返されましたけど(笑)。

その「La Vista」のMVの企画、監督、制作は海さんという。

今回はミニアルバムのビデオというスタンスで作りました。「La Vista」の歌詞を映像にすると、メンバーが出てくる隙がない気がして。せっかく五感をテーマにしているし、各メンバーが1曲ずつ作曲していたから、それを具現化したいなと。いつもライヴの映像を一緒に作ってもらっている方の映像はお客さんの評判がいいし、自分のイメージもすごく理解してくれるので、ちょっと無茶を言って一緒に作っていただくよう、お願いしました。

個々の曲もあり、vistlipにとってまた大きな意味を持つ一枚になりましたね。

根源に近いよね。
根源であると当時に、さらに進んだものでもあるよね。ここ1年くらい“vistlipって何なのかな?”ということをみんなで考え続けたんですけど、そこで自分たち自身にたくさん触れて、辿り着いた場所が、このミニアルバム『SENSE』なんじゃないかと思います。今までいろいろなことがあったけれど、ある意味、自分たちのレールがやっと見つかって。ここからまた、始まっていく気がします。

OKMusic Playlist

「自分のルーツ集」

By 智(Vo)/ vistlip

1. 残(旧ver.)DIR EN GREY

初めてヴィジュアル系に触れた曲。

2.BELOVEDGLAY

初めてバンドに触れた曲。

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3.L'Arc~en~Ciel

初めて人前で唄った曲。

4.百合の咲く場所でDragon Ash

初めてバンドで合わせた曲

5.EDYvistlip

初めてvistlipで作った曲。

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6.People=ShitSlipknot

初めてハマった洋楽。

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7.Let Me Be Your StarSMASH Cast

TVドラマですが、初めてミュージカルに触れた曲。

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8.BADMICHAEL JACKSON

初めてエンターテイナーとして考えさせられた曲。

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9.プライマルTHE YELLOW MONKEY

子供の頃の思い出 (卒業)。

10.ONERIP SLYME

子供の頃の思い出 (高校)。

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11.たいせつなひと19

子供の頃の思い出 (高校)。

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12.クリスマス・イブRapKICK THE CAN CREW

アルバイト時代の思い出

   
『SENSE』2016年03月30日発売マーベラス
    • 【LIMITED EDITION(DVD付)】
    • MJSA-01183~4 3240円
    • 【vister(DVD付)】
    • MJSA-01185~6 3240円
    • 【lipper】
    • MJSA-01187 2700円
vistlip プロフィール

ヴィストリップ:2007年結成。リアルで等身大な言葉を紡いだ歌詞と、多種多様な要素を融合させた楽曲にキャッチーなメロディーライン、時折ラップも織り交ぜた他に類を見ないミクスチャー感を持つビジュアル系ロックバンド。ひと言では言い表せない世界観とメンバーの特異な個性が際立つパフォーマンスを武器にしたライヴは必見。結成日の7月7日にはZeppTokyoにてワンマン公演を行なっており、毎年たくさんのファンで会場は埋め尽くされる。vistlip オフィシャルHP

OKMusic編集部

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