L→R カワノケンタ(Dr)、カメダタク(Key)、タカハシヒョウリ(Vo&Gu)、ツダフミヒコ(Ba)

    L→R カワノケンタ(Dr)、カメダタク(Key)、タカハシヒョウリ(Vo&Gu)、ツダフミヒコ(Ba)

    【オワリカラ】サイケでカルトに咲き
    誇るロックの花

    2008年の結成以来、着実にファンの輪を広げてきたオワリカラ。独自のサイケデリックロックを表現したメジャー1stアルバム『ついに秘密はあばかれた』の背景にあるものとは?タカハシヒョウリ(Vo&Gu)が語る!
    取材:田中 大

    アルバム『ついに秘密はあばかれた』ですが、往年のロックの息吹を全体から感じました。

    そうでしょうね。僕は洋楽だとドアーズ、デヴィッド・ボウイ、ピンク・フロイド、キング・クリムゾンとかが好きなんです。あと、僕が中高生だった頃に起こったロックンロールリバイバルのバンドを聴いたり。その他だと、日本の歌謡曲やフォークやグループサウンズも好きです。そういうのが出ているんだと思います。

    「今夜のまもの」とかまさにそうですが、リバーブとかファズが醸し出すサイケな雰囲気を色濃く感じます。

    「今夜のまもの」はバンドが持っているサイケデリックな味と、ポップなところが出ていますね。でも、懐古趣味には興味はないんですよ。今の音楽も好きですから。最近の海外のバンドも70年代後半から80年代頭にかけての音に回帰している感じがあるじゃないですか。僕が一番カッコ良いと思う音も、あの頃のものなんです。それを今の音楽としてやりたいと思って活動しているのがオワリカラですね。

    求めるサウンドの質感をかたちにするためには、さまざまな試行錯誤があるのでは?

    あります。約8年間の活動の中で、なかなかうまくかたちにできなくて。だから、去年から思い切ってアナログテープの機材で録ることにしたんです。それをデジタルにして編集するやり方をしてみたら、ドンピシャでしたね。最近、やっと自分が理想としているサウンドに近づけました。

    ロックでありつつ、どこか畳の香りみたいな日本的な風味があるというのも感じているのですが。

    やはり日本生まれ日本育ちですし、フォークも好きですから。バンドを組んだ頃に思っていたのは“アークティック・モンキーズがバックバンドなんだけど、井上陽水が歌っている”っていうようなイメージだったんです。だから、畳の匂いっていうのは当たっています。“ステージ上のヴォーカルのところだけ畳”っていうような感じでしょうか(笑)。

    (笑)。映画や漫画や特撮モノもお好きなようですね。

    はい。いろいろ惹かれるものの共通項は、“謎めいた、妖しげなムードがあるもの”っていうものなんです。そういうのを表現したものが世の中になかなか出てこないので、“謎係”みたいな気持ちでやっています(笑)。僕、実はもともと漫画家志望で、中学の頃に投稿したりしていたんですけど、ある時“俺、才能ないな”と。根気がないので“漫画は描くために時間がかかりすぎる”と思ったんですよ。その点、バンドだったらバン!とやったものが音になるじゃないですか。それが気に入ってはまり込んでいったんです。

    どういう漫画を描いていたのですか?

    見た夢を脚色した漫画を週刊少年マガジンに投稿していました。今になって思えば、そんなもの通るわけがない(笑)。

    (笑)。受け手の立場から考えても、音楽は本能的に何かを嗅ぎ取れるスピード感がありますよね。

    そうですよね。今回のアルバム、歌詞に関してはできるだけ平易な言葉にすることを心がけたんですけど、それも“どういう意味だろう?”って考える時間によって生じるスピード感のロスをなくしたかったからなんです。

    サウンド面に関しては、グルービーで心と身体を艶めかしく刺激してくれる感じがあるのが気持ち良いです。

    僕、日本人は本来ダンスができないと思っていて。それで思い出すのは、井上陽水さんの言葉なんです。“ビートルズはそれまでキャーキャー言わなかった人たちがキャーキャー言わざるを得なかったからすごい”っていう主旨のことをおっしゃっていて。それと同じで“本来踊れないはずなのに身体が動いてしまう”っていうのがダンスミュージックなのかなと。“なんかよく分からないけど、聴いてると動いちゃう”っていうようなビート感は大事にしたいなと思っています。

    なるほど。ところで、今回、収録されている12曲って、制作した時期はほぼ同じなのですか?

    7曲目の「sign! sign! sign! sign!」以降はレコードのB面的なイメージなんですけど、その後半の6曲は一昨年から録り始めていました。どういうかたちでリリースするか何も決まっていないまま、今までやってきて満足いかなかったところを徹底的にやってみたんですよね。外に向けてというよりも内側に向かった制作で、“どういうものが出てくるんだろう?”という感じでした。例えば12曲目の「new music from big pink」は、溜め込んでいた引き出しを全部開けた感じがある曲です。それを経た上で“もっとたくさんの人に聴いてもらいたい”っていうのが出てきて生まれたのが「へんげの時間」とか「今夜のまもの」とかを含めた前半の6曲。だから、開かれたものからどんどんディープなものへと入っていく構成のアルバムになっていると思います。

    メジャーでの第1作でもあるこのアルバムを経て、どんな状況になっていきたいと思っています?

    レコード会社さんが資料に“カルトでポップ”と書いてくださったんですけど、まさにそれという感じで。とにかく売れないと。なぜなら、売れると次が作れるから。しかも、より良い環境で制作ができるじゃないですか。映画監督が次作を撮るためには、ある程度ヒットしないと駄目なのと同じです。あと、ライヴのダイナミズムも考えて作ったアルバムなので、これが今度のツアーでどう化けるのかにも期待しています。

    今日、お話して思ったのですが、音楽に限らず、いろいろ面白いエッセンスを吸収して音楽に反映していますね。

    ずれているのかもしれないですけど、それがフックにもなっていろんな人に聴いていただけたらなと(笑)。こういうものがロックに乗っかるって基本的にはないと思うんですけど、それを受け止めるロックって懐が広いですよ、ロックミュージシャンで良かったと思います。
    『ついに秘密はあばかれた』2016年05月18日発売徳間ジャパンコミュニケーションズ
      • 【生産限定盤(DVD付)】
      • TKCA-74355 3672円
      • 【通常盤】
      • TKCA-74359 3132円
    オワリカラ プロフィール

    オワリカラ:2008年結成。タカハシヒョウリの歌世界とメンバー4人のアンサンブルは激しく耽美、変幻自在。“終わり”と“始まり”のふたつの言葉が示す通り、ポップとアヴァンギャルド、未来と過去の架け橋となる最重要ロックバンド。その変幻自在なアンサンブルによる質の高い音楽が特徴。キーワードは“サイケデリックでカルトでポップ”。オフィシャルHP
    公式サイト(アーティスト)

    OKMusic編集部

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