【瀬川あやか】“やり残したことは全
部やろう”と思った

現役の看護師であり、シンガーソングライターでもある瀬川あやか。愛くるしい笑顔が印象的な彼女のデビュー曲「夢日和」は、新しい一歩を踏み出す人に寄り添う応援歌である。
取材:桂泉晴名

デビュー曲「夢日和」にはどんな想いを込めましたか?

新しく何かを始める時って、不安なこととか、自信のないことってたくさんあると思うんです。でも、自分で限界を決めて、“どうせ無理だろう”と決めるのは、本当にもったいないですよね。そういった気持ちをそのまま書こうと思って、「夢日和」の歌詞にしました。私は看護師とシンガーソングライターというふたつの活動をしているのですが、最初から両方の夢を実現させようと思っていたわけではないんです。特に歌手になれるなんて考えていなかったし。でも、看護の勉強をしている時に、妊婦さんや新生児についての実習を受け、“お母さんになるって素敵だな”と感じたんですね。それと同時に、このまま就職して看護師になるのも素敵だけど、自分が母親になった時に“私は好きなだけやりたいことをやったから、あなたもやりなさい”と言ったほうが、絶対にカッコ良いと思って。だから、“やり残したことは全部やろう”と思ったんです。

デビュー曲はどういう楽曲にするか悩んだのでは?

ギリギリまで悩んだけど、曲ができてから“この曲にしよう”と決まるまでは短かったです。それくらい「夢日和」は自分と向き合わないとできなかった曲だと思うので、振り返るとものすごく意味のある時間だったと、今は思います。

瀬川さんの詞は日常がモチーフになっていますね。

気になったことは全てメモしています。例えば、鳩を見ていて一羽でも“飛びたくなさそうだな”と感じたら、“飛びたくなさそう”と書いておくとか。東京の鳩ってふてくされているように見えるというか、人間みたいに歩くじゃないですか(笑)。そういった小さなことからメモしておくんです。

「夢日和」の歌詞では《グラスに注がれてた不安・期待の渦》という表現が頭に残りました。

この歌ってサビ前に、不安だとか、ネガティブな気持ちを入れ込んでいるんです。悩みながら家でぼーっとコーヒーを見ていたんですけど、“悩んでいてもしょうがないよな”っていう気持ちになって。不安を飲み込み、全部自分の力にしちゃえば、怖いことはない、という気持ちを表しています。

2曲目の「はりーあっぷ」は恋愛の曲ですが、自分の揺れる気持ちを“パンの耳に囁く”という発想が面白いですね。

自分の中で設定を作っているんです。好きな人がいるのに言えない女の子が、毎日家を出る時にどう思うか考えました。“今日こそ言うぞ!”という気持ちをパンの耳だけには言って、むしゃっと食べて、“よし出発!”っていう感じです(笑)。

実際に恋愛する時は、「はりーあっぷ」の心情に近い?

私はやる気はあるんですけど、自信がない(笑)。突撃しても、本人を目の前にすると何もできないのはよくあります。

詞とメロディーはどちらが先に浮かびますか?

詞が先ですね。ピアノを触りながら作ったり、鼻歌だったり。ずっとメトロノームを鳴らしておくこともあります。散歩しながら曲を作ることも多いんですけど、自分の歩くスピードの曲ができちゃうんですよ。アップテンポな曲を作りたい時は、家の中でずっと早いテンポでメトロノームをタッタッタって流しながら、洗濯したりしています。

このシングルからまた新しい道が始まりますね。

はい。自分の曲を音源化するのは初なので、これからお客さんと一緒に歌えるのが嬉しいです。今回、歌詞は直筆で書いているんですけど、私の想いがみなさんに届くといいなと思ってます。
「夢日和」2016年06月15日発売PONY CANYON
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • PCCA-04387 1500円
    • 【通常盤】
    • PCCA-70476 1080円
瀬川あやか プロフィール

セガワアヤカ:北海道富良野市出身のシンガーソングライター。2011年、看護師になるために上京。15年2月の国家試験合格後は、看護師をしながらアコースティックギターとキーボードの弾き語りで年間50本を超えるライヴをこなす。16年6月、シングル「夢日和」でメジャーデビュー。“人の痛みや辛さはゼロにはできないけれど、 明日の辛さの感じ方が少しでも軽くなったら…”と昼は看護師として、夜はシンガーとして、明日への元気と心の栄養を処方する。瀬川あやか オフィシャルHP

OKMusic編集部

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